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お題シリーズ3

頼りになる先輩

作者: リィズ・ブランディシュカ



「ここは俺が先にいく、お前は後からついてこい」


 警察官の先輩は本当に頼りになるな。


 率先して、危険な場面ではリーダーシップを発揮してくれるし。


 分からない事を聞いたら、何でも答えてくれる。


「先輩、犯人が武器を持っていたら」


「大丈夫だ、俺が使わせやしない」


 ほら、恰好いい。頼りになる。


 好き。


 結婚したいくらい。


 とと、そんな事考えている場合じゃない。


 私達はとある通報を受けて、民家にやってきていた。


 ここにとある事件の犯人がいるとの情報がよせられたのだ。


 これから、その犯人と事をかまえるかもしれない。


 だから、冷静にならばければ。


 玄関を静かにあけて、先輩と中へ入っていく。


「先輩、この家の間取りは」


「大丈夫だ、全て頭に入っている」


 先輩は凛々しい顔で、前を見つめる。


 緊張したり、うろたえたりする私とは大違い。


 だから、私は先輩を尊敬しているし、前々からずっと好意をよせているのだ。


 常日頃から、あんな風になりたいと思っている。


 先輩がとある部屋の扉をあけた。


「警察だ! 武器を捨てろ!」


 目の前で、あやしい人間達があつまる部屋に迷いなく突入していった先輩を見て、本当にそう思った。


 けれど。






「いたたたたた、いてててて。やめっ、やめてください」


 突入後、いろいろあってかすり傷をうけた先輩を上司が手当てしていた


 その手当で暴れる先輩は涙目だ。


「いてーっ。消毒液ぶっかけるなよ! しみるだろ!」


 先輩って、痛みに耐性がないんだよね。


 こういう場面は、尊敬してた事、忘れちゃうかな。


「なんて痛みだ。腕があがらねぇ」


 それ、ただのかすり傷ですよ先輩。


 たぶんその痛みは消毒液がしみた分だと思います。


 普段は頼りになるのに、ちょっとの欠点がもったいない。


 それにしても、不思議だ。


 怪我をする機会なんて多いって想像できそうなのに。


 先輩、何で警察官になろうと思ったんだろうなぁ。



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