いち
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7月7日曇り、この日私の人生が変わった。
私はいわゆるスクールカーストで影の薄い、陰キャと言われる人間。
陽キャの人達からは、虐められるわけでもなくただ相手にされていなかった。あの人達は自分と周りが華やいでいればいいのだ。
それなのにそのバランスが変わった。
陽キャでも陰キャでも無く、独特の雰囲気を持ったとても人気のある、橘晶の何気ない発言によって。
「華はなんで、いつも隅にいるんだ? 小中とお前明るかったよな。高校も一緒で俺、嬉しかったんだぞ。
髪も昔は短くて、カッコ良かったのにそんなに伸ばしぱなしで、勿体ねーよ」
騒めく昼休憩の教室で、何気なく普通に私の元に近寄り普通の声で喋っているのに、何故か教室中に響いてる?
俯いてお弁当食べてる私は良くわかんないけど? 何がどうなっているの?
顔を上げると、教室中の人間が私達を観てる。きっと目立つ存在の橘が、私に話しかけたから?
私は必要最低限の事以外のことは話さないから、注目を集めたのかもしれない。
「別に……これが今落ち着けるからいい」
私はそのままお弁当を食べた。橘も教室の雰囲気を察して、またなって、離れて行った。
私は小中学校、普通に明るく元気な女の子の振りしていた。
成績もよく髪は短くて身長も高く、顔も整っていたから同級生の男子よりも、女子に人気があり、男女共に友達も多かった。
父親はIT系のエンジニアで母親はファッション雑誌の編集者をしてた。二人とも忙しくて、ほとんど家には帰って来なかった。
何時帰っても綺麗に整った理想的な部屋に、お手伝いさんの作った料理が冷蔵庫の真ん中の段に綺麗に並べて置いてある。そんな毎日だった。
両親共に見栄っ張りだから、近所や学校関係者には完璧な仲の良い家族を演じていた。
お互い彼氏彼女が居るのに……何故離婚しないんだろう? 私が居るからこんな芝居みたいな生活してるのかな。世間には良い顔を見せて家では、気持ちの篭らない冷たい氷の様な会話して……私には理解できない。
私の高校が少し離れた隣町の進学校に決まった。
その晩、初めて二人揃って笑顔で帰ってきた。そして……
「ねえ華。貴女の高校遠いでしょ。高校の近くにマンション買ったからね。貴女も高校生なんだから、もう一人で暮らせるわよね」
「華お前は良くできた娘で私は嬉しいよ。この家は来月から知り合いに貸すから、今週末迄にお前の荷物纏めとけ、マンションに送るから。
これ、お前の通帳だ。大学卒業迄振り込むから使え」
「…………はい」
高校生になった私は、何もしたくなくて何もする気が起きなくて。
ただ食べて寝て学校行って勉強してその毎日。必要最低限の事はやらないと親に連絡が行くから、最低限の事はやる生活。
友達もよくわかんなくなって、喋らなかったら今の感じになった。