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デート?!

気が付いたら前の投稿からすごい時間がたっててビックリΣ(゜Д゜)

「それで、デートのお誘いがあったから了承しておいたぞ!」


 は?


「なんと4日後だ!向こうも()()で軍部に来れないから、お前に会いたくて仕方がないんだな~いや~若いっていいね~」


 軍部に所属しているとはいえ、貴族、王族にはそれぞれ()()()()というものがある。

 戦時中ではないため、そちらを優先せざるを得ないときは申請をすれば軍部の休みは取れる。

 私も今回はそれを利用させてもらったのだが。


「ちょ、ちょっと何勝手に了承してるんですか?!!私はいない間の分の仕事も溜まっているのに、しかも4日後?!!」

「だって手紙でもなく直接伺いに来てくれたんだよ?殿下相手に断れないよね。」


 都合の悪い頼みは断るくせに何を言っているのだ?!!


「・・・父上は本当に私がエド殿下と婚約することを望んでいるのですか?正直歳が離れすぎていますし、私が王太子妃・・・ゆくゆくは国母など・・・正気の沙汰とは思えません。いくらメンフィス家(うち)が公爵位でも他の貴族も黙ってはいないでしょうし、むしろ年齢的に姪の方が適任かと。」


 正論を述べたつもりだったのだが、父は「え?そこまで考えてたの?」ときょとんとした顔をしている。

「というか、かわいい孫にそんな苦労はさせられないよ~」


 私ならいいのか・・・


「じゃあシャルはどんな相手ならいいの?」

「私に結婚の必要性があるとは思いませんので、このまま軍人として過ごしていくつもりです。」

「そうじゃなくて好み。単純に好む男性の要望とか・・」

「考えたこともありません。」


 父は顔を顰めてう~んと唸ると


「じゃあもしエド殿下が王太子ではなかったら?年も近かったら?殿下の人となりは知っているだろう?小さい頃のシャルとの約束を胸に日々お前に認めてもらおうと努力している。それで婚約を申し込まれたらお前はどうした?」


 約束?そういえば以前にもその言葉を聞いた。

 しかし父も知っていて私が覚えていないとは何故か言い出せない。


「そんな・・・仮定の話しなど・・」

「いいから考えてみなさい。」


 王太子ではなく年も近いエド殿下?

 小さい頃から知っている為全く想像が付かない―おそらく父は肩書ではなく1人の人間として見ろと言いたいのだろう―

 驕ることなく努力する姿勢は好ましいと思う。

 積み重ねれば今よりももっと頼もしくなるだろう・・・例えば10年後、エド殿下が28歳で私が今の年齢だったら?・・・私は彼を婚約相手として認めたのだろうか?

 そもそも婚約し結婚するとはどういうことなのか?

 子を成すこと以外で生涯共にいるということはなんなのか?

 ふっと友人であるクレアとその夫との仲睦まじい姿が頭を過るが、その答えを私は持っていない・・・


「・・・分かりません。父上と母上は恋愛結婚だとおっしゃられていましたが、私は恋愛というものが分かりません。もちろん友愛や家族愛などは私にもありますが・・・何が違うのでしょうか?」


 すると父は微妙な顔をして

「え、ちょっと拗らせすぎじゃない?難しく考えすぎじゃない?というか流石にそこまでとは思わなかったなぁ・・・」

 額に手をやり

「・・・なんか・・いろいろ・・すまない?」

 と項垂れてしまった。

 最近よく項垂れている者をよく見る気がするのは気のせいだろうか


「何をおっしゃっているのか分からないのですが?」

「・・あぁうん。エド殿下の事は嫌いではないんだよね?」

「日々努力している事は好ましいと思います。」

「まぁ今はそれでいいか・・とにかく!4日後のデートは確定だからね!仕事を終えたら家に帰って来るんだよ!」

「はぁ・・・」


 釈然としないまま、「この話は終わり!」と父に執務室から追い出された。

 どんなに考えても分からないものは分からない。今度クレアにでも相談してみるかと思いながら私は自分の仕事場へと戻った。



 *****


 父曰くデート当日。

 ギリギリまで仕事をしており、実家に帰ったのは夜中だったが今朝は早くに起こされ私は侍女たちに揉みくちゃにされていた。

 この2~3日激務だった身体にマッサージは心地よかったのだが危うくまた寝そうになってしまった・・・最もその後は寝ている場合ではなかったのだが。


「はぁ・・今日もお綺麗です~」

「お疲れのお顔を見たときはどうしようかと思いましたが、回復されたようで良かったですわ!」


 回復・・・しているのだろうか?


「あぁ、ありがとう。」

「それではお茶をご用意いたしましたので、殿下がいらっしゃるまでお寛ぎ下さいませ。」


 そういうと侍女たちは部屋を出て行った。

 お茶を飲みほっと一息つくものの、デートとは何をすればよいのか皆目見当が付かない。

 護衛も付くだろうから2人きりということはないだろうが・・・

 とりあえずいざという時の為に短剣を忍ばせることにした―護衛がいても殿下を狙う輩がいるかもしれない―今日着させられた水色のシンプルなドレスのどこに短剣を忍ばせるか思案していると、ドアがノックされ声がかかった。


「殿下がいらっしゃいました。」

「わかった。今行く。」


 短剣はスカート下の足に括り付けることにし、今日は馬車を使うということを聞いていたので玄関へと向かうことにした。



*****


 玄関ホールに着くと、兄とエド殿下が何やら話しをしているようだった。


「お待たせしました。」


 私は声をかけ、二人の傍まで歩いていく。

 するとエド殿下はこちらを見るなり顔を綻ばせ「シャルティア様!」と今にも駆けだしそうな勢いで声を上げた。

 隣で兄が笑っているが・・・


「ごきげんようエド殿下、お話し中に申し訳ありません。」

「こんにちはシャルティア様。先日の夜会の時のドレスと違い、今日のドレスはシンプルですが貴女の瞳の色と似ていてとてもお綺麗ですね。」

「あ・・りがとうございます」


 慣れない。

 社交辞令とは分かっているが、そこに純粋な好意があるとどうにも戸惑ってしまう。


「きょ・・うのエド殿下も素敵ですよ?」


 これが精一杯だ・・


「ふふふ・・・」

 隣で兄上の笑いを堪えている声が聞こえる。堪えきれていないがな!


「本当ですか?!シャルティア様にそう言っていただけるととても嬉しいです。」


 こんなおぼつかない言葉にキラキラとした笑顔を向けられると本当に困る・・・私は今日1日持つのか些か不安になってきた


「あはははは!シャルをこんな風にさせるとは・・・エド殿下なかなかやりますねぇ」

 とうとう堪えきれなくなった兄上が笑い出した。


「兄上ッ!」

「いや、もう、こんなシャルが見れるなんて・・・あははははは・・・」

「よく分かりませんが、お褒めいただきありがとうございますエース殿。」

「義兄と呼んでくれてもいいんだけどねぇ・・ははははははは・・・」

「兄上!いい加減にしてください!」


 何を言っているのだこの男は?!


「あぁ・はははは・・・ごめんごめん。折角のデートなのにシャルの機嫌を損ねると悪いから私はこの辺で退散するよ。」

 それでは殿下・・・と言い残し兄―嵐―は去って行った。


「エース義兄上ですか、私は兄がいないので嬉しいですね。」

 エド殿下は私を見ながらそう言うと、では行きましょうか?と手を差し伸べてきた。


 腑に落ちないまま、エド殿下の手を取るとそのままエスコートされ待たせている馬車へと乗り込んだ。



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