第7話:魔力障害
先週忙しくて投稿遅れちゃいました。
ほかの先生の皆さんみたいにスムーズな場面の移り変わりが課題な今日この頃
皆さんゆたしくうにげーさびらー!!
――ここは???――
頰にひんやりとした感覚を感じて意識を取り戻した。
重たい瞼を持ち上げると焚き木を囲む3つのシルエットがぼんやりと見えた。
「デューク!!! でぇーじょーぶかよぉ??」
「フン。 ようやく目が覚めたか。」
「お体の調子はどうですか?」
ジョーにマツィダ、シーアの声だろうか。あれ?俺はどうして寝てたんだっけ……
「あれ? 俺は? 何が起こったんだ? 」
クエストのために洞窟に来て……異常に強い影の魔物と出会って……無理矢理呪文を同時に使って……
徐々に俺の頭の中にあった記憶の断片がつながっていく。
「おい! ジョーは? あいつは大丈夫なのか!」
確かあいつは横腹をパックリ切ったはず。
「おいおい! 俺は元気ピンピンだっつーの! それよかオメェの方が大丈夫なのかよ? 急にぶっ倒れやがってよぉ」
「俺は大丈夫だ。だが、自分でもなんで倒れたのか全く......」
「それはきっと緊張がほぐれたことによる急性の失神と思われます! あのときデューク様はジョー様の安否を確認すると倒れてしまいましたから。」
俺の疑問にシーアという僧侶が答えてくれた。
「シーアさん。きっとあなたがジョーだけでなく私の足も直してくれたんでしょう。礼を言います。ありがとうございました。」
「いえいえ! 人々を癒すのは神に仕える我ら僧侶の使命ですから!!!」
キラキラした笑顔を向けられたが、女の子のそれに慣れてない俺は目を逸らしてしまった。
それをバレないように自然を装って言う。
「え、えーと、まぁこれからはどうする? 俺とジョーはこの奥に進んでクエスト内容を達成するために石を持ち帰るけど......」
「俺も最初のクエストを受けているからな。それまでは同行しようと思う。」
「私も一緒に行きたいです!こう見えても冒険者なんですよ!」
こんな感じでみんな目的が一緒なので4人で洞窟の最奥地へと向かった。
道中は影の魔物と比較するとなまぬるいとすら感じてしまうほどに手応えがなく難なく目的のポインまでたどり着いた。これも癪だが影の魔物との戦いで得た膨大な経験値に依るところが大きいだろう。現に俺の腕時計はレベルアップを示し、チカチカと点灯しているのだから。
――グゴゴゴゴ……――
最奥地にて待ち構えていた大きな石像が機械的な咆哮を轟かせると、襲いかかってきた。
マツィダの鮮やかな蹴りや渾身の突き、ジョーの斧が石像を屠っていく。
やはり硬い敵相手に、力の低い俺の攻撃は微々たるものなにで今回も魔法で援護という形になる。
俺の詠唱に合わせてジョーとマツィダが着弾地点を予測してバックステップを踏む。
「喰らえ。《氷刃》」
………………
あれ?呪文が発動しない……
「《氷刃》!!!」
俺の詠唱句だけが虚しくこだまする。
――なんで、なんで呪文が発動しないんだよ!!――
おかしい。明らかにおかしい!
「グゴゴゴゴォォォォォ!!!!」
そのタイミングを見逃さず石像は石つぶてを投げ飛ばしてきた。
全員が下がって石のつぶてを回避していく。
すると、石像が片膝をついた。
この隙を見逃さず、ジョーとマツィダが肉薄する。
「捉えタァ! 脳天粉砕」
「フン。速撃」
2つの衝撃に挟まれた石像は粉々に砕けた。
結果的には無事、砕けた石像のかけらを手に入れ、クエストの依頼達成は成功したわけだが――
「おいおい! デューク!! どうしちまったんだよぉ!!」
「それは俺が聞きたいくらいだ! ふざけてたとか、そんなんじゃなくて……」
俺が返答に困っているとシーアさんが助け舟を出してくれた。
「私は後方から戦局を見守っていましたが、たしかにあのとき、デュークさんの体から魔力を感知しました! ですが呪文は発動しませんでしたね…… 見たところあの動く石像が呪文封じの術を使ったようにも見えませんでしたし……」
「まぁ、そんなわけで本当の本当に魔法が使えなくなってしまったんだ。」
さて、魔法が使えないというのは遊び人として戦っていく上でとてつもないディスアドバンテージなのだが、これはもう魔法の専門家に任せるしかないだろう。
――ほんとは帰りたくなかったんだが……――
俺の知る限り、 身近にいる魔法のエキスパートと言ったらかつて大魔法使いと言われた母さんしかいない。
俺は家族のことは好きだし、本当は会いたいと思っている。だが、好きだからこそ、父さんと母さんから「転職」について聞かれるのかと思うと本当に病んでくる。
2人の落胆した顔を見たくはない――
「まぁ、なんだ。デュークよ、一晩眠りゃ治るかも知んねーしよ。 とりあえずはここを出よう。」
「あぁ、そうだな。とりあえずは一旦ここを出よう。それでみんなはいいか?」
みんながいっせいに頷く。
初めてのクエストはクリアしたものの、俺の中に後味の悪いものを残していった――
◇
冒険者の時計が3時をアラームで知らせた。
あのあと、洞窟から何事もなく帰った俺達は酒場でクエスト達成の手続きをしている。
酒場はほとんど人がいなくよく見ると厨房の方も暗く閉ざされている。
不思議に思った俺はあたりを見回すと掲示板の目立つ文字を見つけた。
掲示板には赤く大きな文字で「冒険者組合会長来訪につき本日営業休み!!」と書いてある。
「今日は酒場自体はしまっているがクエストの報告も受け付けていないのか?」
「いいえ! 冒険者組合の窓口はしっかり営業中ですよ!」
「そうか。ならよかった。クエストを達成したから報告しにきたんだ。ちなみに、俺含めて3人別々にこのクエストを受けたんだが、それは認められるのかな??」
そう言って俺は洞窟の中で拾ってきた試練の鉱石を手渡した
「はい! この量だと規定の量を超えているのと思われますので大丈夫ですよ! では、こちらの試練の鉱石をたしかに受け取りましたので、皆さまクエスト達成です!報酬の準備をしますのでしばらくお待ちください!」
受付嬢が奥の方に消えていった。これを待っていたかのようにシーアさんが囁く。
「デューク様、餞別をもらった後に、洞窟で出会った〔魔障の影〕のことを報告したほうがいいと思います! あんな邪悪な魔物が試練の洞窟なんかにいるはずがないんですもの!!」
「わかりました。シーアさん。俺の方から言っておきますよ。」
そんなやりとりを交わしいると、ジャラジャラと音をたてなが受付のお姉さんが戻ってきた。
「よいしょ!」
――ジャラッ!――
「これが今回のクエストの報酬です。1人5000ギルずつ、計15000ギルですね! お疲れ様でした!」
「ありがとう。ところで、話は変わるんだが、試練の洞窟にこの地方一帯にはいないはずの高レベルの魔物がいて討伐したんだが、そのことについても報告しておきたいんだが。」
すると、受付嬢の顔がみるみる青ざめていった。
「わかりました。 ちょうど今組合長がこちらにいらしているのでそちらで話を伺います。付いてきてください。」
カウンターの扉が開かれ、奥の部屋へと案内された。
そこには酒場のマスターと縦長のソファーに座る王様、若白髪の目立つ40歳ほどの男がいる
「全く、こんな忙しい時になんなんだー! お前たちぃ!!!!」
若白髪の開口一番に出た言葉に俺たち4人は固まってしまった――
寒くなってるのでコタツの中で小説でも呼んでくださいな!