第5話:暗闇の中で
どうもおはこんばんにちは!
どうやったらエタらないでいけるか考えた私は、1話1話の書く量を減らしていき、無理なく頑張っていこうと決めました!
だからこれからは1話ずつが短くなっていきます。
周囲は薄暗く、俺の手元にある松明から5メートル先は闇に包まれている。
俺はジョーと共に試練の洞窟に潜っている。俺の目的はこの洞窟の最奥地にある鉱石を持ち帰ることだ。
冒険者最初のクエストというだけあっていわゆるチュートリアルのようなものかもしれない。
襲いかかってくる魔物の種類も、草原にいたウサギやネズミといった哺乳類系ではなくムカデやクモ型といった洞窟に生息しているような魔物が徘徊している。
そいつらは残念なことに硬い鱗や外骨格で覆われているため、俺の斬撃が入りづらく、戦いにくいのでジョーが今回はダメージディーラーとして頑張っている。
「ジョー! 大ムカデを一匹引きつけた。 ぶちかませ!」
「おうし! ばちこい!」
ガァーン 、バキ 、クチャッ
ジョーの大斧がムカデを葬り去っていく。
節足動物達が気色悪い緑の液を垂れ流しながら絶命していく様子は生理的嫌悪感を掻き立てるが、そんなことでへばっていては冒険者失格というもの。
が、しかし――
「なぁ〜デューク!!! 俺はドンパチドンパチ虫っぽいの殺してるけどヨォ、なかなか精神的にキチィところがあると思うんだわ。オメェの魔法でちゃちゃっと黒焦げにできねぇのかい?」
「俺だっておんなじだ。だがジョー、考えてもみろ? 俺の《小炎球》で魔物を焼いたところでもっとひどい匂いが立ち込めるだろ?」
「まぁ、たしかに...」
こんな冒険者らしからぬ会話を続けながらも俺たちは歩みを止めることなく歩き続ける。
「ジョー。お前は学んだことがないと思うが、そもそもこんな洞窟の中で火炎魔法を使うってのは……」
「シーーーーーーッ!!!!!!!」
「ん? どうした?」
「デューク、耳をすませ。」
「――なんだよ、何も聞こえないじゃないか。」
「そう! 何も聞こえねぇだ! さっきまでウジャウジャいたムカデやクモのひしめく音さえもしねぇんだよ!」
「デュークよ、これはなんだかやばいって俺の感が言ってるぜぇ。お前のことだから引き返すなんてことはいわねぇと思ってるがよぉ、慎重に進んでいったほうがいいぞ?」
「お、おうそうだな。油断してるってわけじゃないが、いつも以上に気を……おぉわっと!!」
――ドスンッ!!――
気を引き締めようと言ったそばから石につまずいてしまった。我ながら遊び人の鈍臭さには呆れる。
「さっき慎重にしろって言ったばっかじゃ……」
ジョーの目の前に大きな氷の刃が生まれ、俺がつまずく前にいた足場に突き刺さった。さっきは鈍臭いと思ったが転んで命拾いした。これも遊び人の運なのだろうか?
「な、なにぃ!!! デューク! 何もないところから氷が出てきたぞ!!!」
「馬鹿! ジョー、これは敵の襲来だ! すぐに迎撃態勢を取れ! 」
俺はジョーを催促しつつ鉄の剣を構える。
「ジョー!今のは氷の呪文《氷塊刃》だ! こいつは中等魔術のスキルを持つやつしか扱えないはず。こんな試練の洞窟にいるはずが……」
「デューク!! 解説は後だ! 今はぁ避けることに集中しな!!!」
魔法の心得がある俺だからわかる。ステル・ヴリズンを使えるレベルの魔法使いは全体の4割程だという。そんな魔法を使える魔物がこんな洞窟にいるはずがない。そもそもこのあたりの地方にはいないのだ。
「クソッ!」
俺は跳びのいた。直後地面から氷の刃が生えてきた。俺が今苛立ちを覚えているのは、魔法を使う本体の魔物の姿がないからだ。
「ジョー! 魔法を撃つ本体の魔物は見つけたか???」
「いやデューク。さっぱり見あたらねぇ! 」
やはり見当たらないか。術者本体を仕留めない限り、魔力が尽きるまでステル・ヴリズンの嵐が止むことはない。
俺は父さんから聞かされた冒険譚を深く思い出そうとしていた。
――――――――――――――――――――――――――
『デューク。お前はまだ見たことないかもしれないがな、父さんと母さんは2人で魔物をやっつけていたんだよ』
『へぇ! すごいや! 1番強かった魔物はどんなやつ???』
『そうだな。火を吹くドラゴンやサイクロプスっていう巨人は戦いづらかったなぁ。あとは、ガス状の霧みたいな魔物がいて、倒しにくかったな。』
『霧の魔物ってやっつけられるの?剣で切れた?』
『いや、剣で切れなかったけど、その時は母さんが風魔法を唱えてくれたんだ。すると、ガスの霧が晴れて赤い宝石のようなものが見えてなぁ? ガスがまた集まる前に私が割ったんだ。そしたら霧が四散していったんだよ』
『そうだったんだ! 赤いのは魔物の命だったんだね!』
『そうだよ。核といってね、さっきの魔物みたいな体がさわれないような魔物の唯一の弱点なんだよ。』
――――――――――――――――――――――――――
これだ!!
ありがとう父さん。俺は父さんから聞かされた冒険譚が役に立つとは思っていなかった。が、こうして一つの希望が見えてきたわけだ。周りにはガス状の霧はないが試してみる。
「ジョー! 今から魔法で軽く竜巻を起こすから、その間に魔物がいないかよく見てくれ! もしかすると、霧っぽい魔物だったりするかもしれん。 だから注意深く周りを見渡してくれ!」
「おう! あたぼうよ!」
俺は体内の魔力を練り上げ、風のイメージを魔力に流し込んでいく。
「ジョー! 頼んだぞ? 《荒風圏》」
瞬間、洞窟内を小規模の竜巻が荒れ狂う。
竜巻が吹き荒れる中、俺は父さんの昔言っていた、コアを探していたが赤い光明は見つからない。
――おいおい。まさか父さんが冒険の話を誇張したのか?――
そんなことを考えていると、竜巻は鳴りを潜めていき、洞窟内は静寂を取り戻した。
「ジョー、俺は魔物を見つけ切れなかった。 お前はどうだ?」
「すまねぇ、ガスっぽい奴はみっからなかったぜ。だがよぉ、さっきの竜巻でオメェの持つ松明の炎が揺らめいてるなか、オメェの影がまっすぐ立っていやがったんだ。普通は影ってのは日が揺れると一緒に揺れるもんだろ?だがオメェの影は棒立ちのまま、消えなかったのよぉ! 」
「よし。わかった。 これでどうだ!! ハッ!」
俺は無詠唱でフラムを自分の影に向かって放った。
どうでしたか?ジョーとデュークは結構戦闘の相性良さげだと思っています!
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初登場の特技
〔ステル・ブリズン〕:大きな氷の刃が塊となって襲いかかってくる。中等基礎魔術で習得可能
〔ヴィント〕: 小さいながらも荒々しい竜巻を巻き起こし、真空の刃で対象を切りつけていく。初等基礎魔術で習得可能。