表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱職遊び人の奮闘記  作者: りゅーせい
王都編〜旅立ちと出会い〜
5/12

第3話: 出発

私生活で色々なことが起こってなかなか更新できませんでしたm(_ _)m


まぁ、物語の続き待ってたよって人、待ってなかった人、そもそも初めて読むって人も読んでいただけると幸いです!


色々あって書く意欲が(飽きたからじゃないよ!)なくなってきてるので、皆さんのコメントやレビュー、評価などで応援してくださると今後の活力になるはずなのでよろしくお願いします!

これからの予定は3日に1話のペースで週に2-3話投稿できたらと考えています。(書けなかったらごめんね。)


あと、今回から作中の説明を短くするためにスキルの説明とかを本文ではなくあとがきに書くので、ぜひ見てください!

俺は右手に練った魔力を集めた。

魔力を熱エネルギーへと変換していく。


「喰らえ! 《小炎球(フラム)》」


俺の放ったフラムは空気を焦がしながら奴めがけて驚異的な速さで飛んでいく。

爆音とともに煙が立ち込めていった。


「さて……手応えは良かったがどうだ?」


煙が徐々の晴れていき人型のシルエットが浮かび上がる。




「あっちぃな〜!!! この魔法の鎧じゃなかったら鎧ごとおだぶつだったぜぇ。おめぇ本当に遊び人かぁ? まるで魔法使いかと思っちまった! 俄然ボコボコにしたくなってきたっぜ!!!」


「やれやれだ」


そう言うなり奴は剣を振りおろしてきた。


俺はバックステップを駆使して紙一重でかわすことができた。

以前ならこんな単調な攻撃を避けるなんて目をつぶってもできたのに……

全く。 転職するよりも前の方が強かっただなんて……

そんなどうしようもないことを考えていると、奴の闘気が上がっていくのを感じた。


「これはまずいな……」


奴の構え、次奴は初等両手剣術を体得した者にのみ行使できる剣技を放つつもりだ。


あれは生身の体で受ける技ではない。確実に瀕死状態に至るだろう。

何か、何か棒のようなものはないのか?


「これだ!!!」


俺は壁に立て掛けられている60センチほどの小さめのホウキを手に取った


「これで俺の剣技を凌げると思っているのかぁぁ? このスカタァァァン!!!!」


俺は魔力を目の周りに集め、精神を集中させる。

奴がどんどん距離を詰めてくるのを、知覚が引き延ばされる感覚とともに感じ取っていた。


「見切った。《慧眼(ミワタスモノ)》」


「喰らって死ねぇぇぇぇいぃぃぃ《隼真斬(しゅんまざん)

奴の大きな両手剣が隼の如き速さで襲いかかってくる。


隼真斬は威力を落とす代わりに斬撃の速さを加速させる五連撃の剣技だ。

両手剣の破壊力は片手剣より上だが、技の効果も相まってホウキでも捌けそうだ。こんなのを俺はこれまで何百、何千と受けてきた。


――こんな剣技、父さんに比べたら――



慧眼によって引き延ばされた知覚で一撃一撃を捌いていく。


重い。確かに重い。ステータス差からくる力の違いを感じたが捌けないほどではない。

剣の腹にホウキを添えて小さな力を加え、受け流していく。



一撃目……二撃目……三撃目……四撃目


四撃目までは捌けた。そして俺は、ここで攻撃を仕掛けた。


「見せてやる! 俺の技術(ちから)。秘剣《ツバメ返し》」


「何!!!」


最後の五撃目をホウキが折れないように弾き、素早く手を返し奴の顎めがけて斬りかかった。


――バッチィーン――


乾いた音が響き渡った。

うまくいけば、顎から振動を脳に伝え気絶まで持っていける。気絶さえすれば俺の勝ちだ、だが、もしもここで起き上がってはもう俺の技は通用しないだろう。


酒場は騒然としていた。

誰もが俺たちのデュエルを見守っている。

そして奴は――


「野郎……この俺をこんな目に遭わせやがって。殺してやるぞおぉぉぉぉぉ!!!」


こんな目に遭わせたのはオメーのせいだよ。そう毒づくも状況は変わらない。

最悪のシナリオだ。

怒りによって身体能力の向上とさっきまでの油断からくる隙がなくなった。

さらに、スキル《慧眼》も多大な集中力を要することから連続して使えないときた。


奴の渾身に力のこもった振り下ろしが眼下に迫る。


俺は死を覚悟した。だが……



「うぅっ! 痛ッ! くない?」


俺はどこも痛くなかったのだ。

横を見ると大剣が床に刺さっていた。

そして俺の前に武闘家の風貌をしている1人の青年が立っていた。


すぐには状況の整理が付かず混乱していたが、どうやら野次共の会話からするに、目の前の武闘家の剣が俺に到達するより早く剣を飛び蹴りで逸らしたらしい。


「なぁ。あんた、弱い者いじめはやめたらどうだ?俺が見るに、ステータスに物を言わせて剣を振り回すより、ホウキで剣撃をいなす彼の方が技術は洗練されていたように感じた。あの遊び人が剣を手にしていたらあんたの敗北は確実だったぞ?」


「なにをぉ??? 言ってくれるなアンちゃん。 オメェもぶっ殺してや……」


「やれやれ。まだわからんのか? あんたは勝負に負けたんだよ。冒険者は少年を大人にし、大人を紳士にするというが、どちらが紳士で子供なのか見当もつかないなぁ。」


瞬間、その武闘家が闘気を爆発的に高め、鋭い眼光を飛ばすと、殺気走っていた男の顔がみるみる青くなっていく。

男だけではない、俺含めてこの場にいる誰もが縮こまり震えた。


「お、お前らつ、次会った時はかっか、覚悟してろよぉ! 」


そういうと奴は酒場から逃げるようにして消えていった


「なぁ、あんた。あんたも今日転職の儀を受けてたんじゃないのか?」


俺は改めて武闘家の男に話しかけた。


「あぁそうだ。」


「名はなんていうんだ……」


「弱者に聞かせる名はない。といっても、お前は俺に面白い物を見せてくれたな。名前を教えよう。俺はマツィダだ。」


「マツィダか……強そうな名前だ。 マツィダ、俺とパーティを組んでくれないか?」


同じレベル1でここまでつよい奴が仲間になるなんて僥倖だ。誘うべきだろう。


「すまんがそれは無理な話だ。別に俺はお前が遊び人でなくても、入る気は無かったがな。俺は一人旅が好きなんだ。すまないなぁ。」


「そうか……いや大丈夫だ。なんだかお前とはこれからもどこかで会う気がするんだ。」


「確かに……じゃあ俺はもういくぞ。じゃあな遊び人」


そう言うと、さすらいの武闘家マツィダは酒場を後にした。






――コケーッ、コッコッコーー

もう朝か。


昨日のデュエルが響いたのか、少し体が重く感じる。

あの後俺はギルドからの計らいで、酒場の二階にある宿屋の部屋を無料で手配してもらったのだ。


色々あったが今日から俺の冒険者としての生活が始まる。

出発の準備を整えていると、冒険者の腕時計が淡く光っている。

不思議に思ってボタンを押すと、レベルアップの旨を伝えてきた。


遊び人

レベル: 3 / 70

HP: 125 / 125

MP: 245 / 245

力: 56

守り: 36

素早さ: 48

賢さ:140

運: 285


スキルレベル上昇

〔遊ブ者: 1→2〕


《ジャグリング》習得


ん?

ジャグリングだって? なるほど、遊び人だけあって遊びっぽいスキルを覚えていくのか。


俺は昔から剣以外を扱うのは不器用だったが……


――おおぉ! すごいな!なかなかうまいぞ!――


これまでやったことないが、スキルのアシストもあり、3つまでうまく物を回せられるようだ。


「こいつを戦いに活かせないだろうか……」


そんなことを考えながら俺は一階に降りていった。



「昨日はすみませんでした。」


「いや、大丈夫だ。それはそうとクエストが欲しい。紹介してくれないか?」


「はい。わかりました。では、ハンティング系とコレクティング系どちらにしますか?」


「ん??? 何が違うんだ?」


「そうですね……。主に指定された魔物の討伐をしたり、魔物の素材を得るクエストはハンティング系に。逆に、薬草や、鉱石などの素材を採集するものがコレクティング系に分類されますね! 危険性はハンティング系の方が高いですが、コレクティング系のクエストも、もちろん道中は魔物に出くわしますから一概に安全とは言い切れませんがね。」


「なるほど。ならハンティング系のクエストを頼む。」


「わかりました! 駆け出しの冒険者の方が必ず受けなければならないクエストがあるのですが、そちらでいいですね?」


「ああ。内容を確認させてくれ」


「はい! まずは町を出て少し離れたところにある、洞窟型のダンジョンに行きその最深部の石を砕いて持ってきてください!あと、初めてクエストを受注する方には王都より奨励金がありますのでお受け取りください。このお金で旅の支度を整えるといいですよ!」


そう言うと銀貨の少し入った袋を手渡してきた。ざっと見てみると1000ギルはあるだろうか。


「ありがとう。ではまた、次はクエスト達成を報告するときにでも会おう。」


「はい!では気をつけてください! ご武運を!」


こうして俺は酒場を後にし、町にある商店街を目指した――



周囲からは人々の活気ある声が聞こえてくる。

そんな人々の間を縫って俺は武器・防具の店に入った。


店の中には様々な武器が立て掛けられており、奥のカウンター越しに店主とおぼしきおじいさんが座っていた。


「はぁい。 いらっしゃい。今日は何をお求めで?」


「武器と防具を一式買いたい。」


「ふぅむ。わかった。お前さんは予算はどれくらいあるのかのぉ? 」


「600ギルの範囲で一式揃えたいと思っているんだが……」


「では、こちらの皮のよろいセットはどうじゃろうか。見たところ冒険者に成り立てそうだしのぉ。これなら380ギルで済むぞぃ?」


「うん。そちらを頼む。では、残りの220ギルの範囲内で買える、片手剣を見せてくれないか?」


「それならこっちじゃな。鉄の剣かどうの剣じゃ。軽いどうの剣と切れ味の良い鉄の剣じゃがどっちが良いかね?」


「鉄の剣を頼む。」


「よしきた。でわぁ、皮のよろい一式に鉄の剣、占めて580ギルじゃ。」


こうして俺は初めて自分で武器を買った。

表現できないが、心がむずむずするようななかなか不思議な感じがする。

これからはこの武具を大切にしていこう。


「まいどぉありぃ〜。今後ともごひぃきになぁー!」


「ああ! いずれまたくるつもりだ。」



こうして武器と防具を買った俺は、そのあと残りの金で寝袋と食料を買い揃えた。

本格的に冒険者らしくなったように感じ、初のクエストへの意欲が高ぶっているのを感じる。


胸の高鳴りを抑えながら俺は目的地の洞窟へ向けて歩き出した――







どうでしたか?皆さんのコメントやレビュー評価、ブックマークお待ちしております!

寒くなってきたので一家に一台ぐらいフランが欲しいですね〜


では、今日初登場の特技です!

《ミワタスモノ》:精神を集中させるとにより体感時間を減速させ、剣撃や魔法の斜線を見極める。〔中等片手剣術〕で習得可能


《隼真斬》:威力を少し落とす代わりに、隼のごとき素早さで相手を5回切り刻む両手剣の剣技


《フラム》:直径1メートルほどの火の玉。初等基礎魔術で習得でき、術者のMPと賢さによって威力が上昇していく


《ツバメ返し》:敵の一撃を弾き、そのまま斬りつける片手剣の剣技


《ジャグリング》:どんなものでも任意で3つまでうまく回すことができる。スキル〔遊ブ者〕で習得可能

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ