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92話 放心祭り

話を進めたいのに、どうしても無駄なやり取りが入ってしまう!!

「お待たせしました。

ではこれよりこの場で話される内容の一切を俺の了承なく他者へ話す事を禁じます」


俺の言葉を受け、先程の態度からは考えられない程、嬉々とした様子で、コクコクと頷く悪魔3娘に加えて紳士風の悪魔が1人。


何と言うか、うん、変わり身早いよねこの娘たち。


「さて準備も整った事ですし、約束通り質問に答えましょう。

まずは何からお答えすれば?」


従順になった悪魔娘たち4人から視線を切ると。

中村たち勇者パーティーは唐突に従順になった様子の悪魔たちに困惑顔だ。


尤も、学園長はネルヴィア達が結界で守ってくれた事に気付いた様だが……


「はぁ、先ほどの魔界の王と言う言葉な聞かなかった事にしておきましょう」


どうやら別の理由で心労が溜まっているようで。

まっ、まぁ、俺は何も悪くないからな!!


そもそも、古竜の魔石4つ程度で魔界の王とやらが何で4体も出てくるんだよ?


てか、そもそも魔界の王って……うん、やっぱ聞いた事ないわ。

AWO世界ランキング堂々の一位である俺でさえ全く聞いた事ないわー。


けどまぁ、学園長が別に追随して来ないというのであれば別にそれで良い……のかな?


いや!いいんだ、そういう事にしよう!!


《魔界の王とは魔界に住まう悪魔たち》


やめてくれっ!

それ以上は言わなくてもいいんだよ、リエルさん!?


「では、まずはソータ・ユーピルウスさん。

貴方の事、包み隠さず教えて頂けますよね?」


ニッコリと、しかし何処か抗うことを諦めてしまいそうな謎の重圧をもって微笑まれてしまった。


よし、これはもう全部げろっちゃった方が安泰だな。


「えぇ、勿論です。

ですが俺の出自については他の内容も混じりますが構いませんか?」


「はい、構いません」


まぁ、そうだよなぁ。

けどまあどの道、今話さなくとも後でおんなじ内容を話す事になるだろうし手間が省けて非常にありがたいな。


「そうですね……中村たちは勿論知ってると思うけど、学園長はワールドを知っていますか?」


「勿論です。

かつて数多くの伝説を残し、数百年経った現在でもその実力は最強と謳われると闘神ワールド。

未だ嘗てワールド以外に神へと至った人間は彼だけなのです!」


珍しく目を輝かせて熱く語る学園長……けど悲しいかな、そのワールドは妄想の産物でしないんですよ。


けど、ここまで熱く語られるとちょっと切り出し辛いなぁ……

てか本当誰だよワールドが闘神とか言い出した奴は!!


しかし、ここで俺が切り出さなければ延々と話が進まない……

仕方ないな、ここは学園長の妄想には崩壊してもらうしないっ!


「まず、大前提としてそのワールドは俺と同一人物です」


意を決して言った。

さも、当然とばかりに言い切った!!


そして、僅かな静寂が訪れ…


「「「……え?」」」


3人の声が見事にシンクロした、しかも3人とも同様に目を見開いて。


しかし、予想外な事にマヌケな声を漏らしたのは()()だけだ。


その3人とは。


さっきワールドの事を熱く熱弁していた学園長こと人類最強の一角、SSSランク冒険者リティエジーナさん!!


勇者として召喚されたクラスメイト達の中でも大本命、ジョブに勇者を持つ勇者の中の勇者、中村 亮太!!


単純な攻撃力では中村をも凌ぐ、全ての武器に精通する超人、坂本 駿!!


とまぁ、ふざけてしまったが、今も目を見開いて硬直しているのはこの3人だ。


あかりは、まぁわかる。

むこう(地球)で幼馴染だったコイツには話した事があった気がするし。


そして残る広瀬は……うん、悪いけど広瀬に話した記憶はこれっぽっちもない。


そもそも広瀬は、まぁあかりもだが、この2人に加えて中村達4人は学校の人気者。

自虐もいいところだがヒエラルキーで言えばトップに位置するわけで、その下層に位置した俺とは接点が殆どない。


あかりがいる事で数回、片手で数えれる程度は話したことがある程度だし、となると……


「おい、あかり…お前勝手に話したな?」


「なっ、何のことかなぁー?

はっ!今、自分の正体自白したよね!?」


「いや、自白も何も俺がワールドだったって時点で言ったようなもんだろ?

それよりも、お前勝手に広瀬に俺の事話したろ?」


「そ、それは…」


「ふふっ、翔ちゃん、翔ちゃんってそれはもう熱く語ってたよ」


たじろぐあかりを見てそれもう面白そうにニヤニヤした広瀬が暴露してくれた。


「もう!雫ってば、誰にも言わないでって言ったじゃんか!!」


「ははは、それで?」


「だ、だって急にいなくなっちゃう翔ちゃんが悪いんだ!!」


ニッコリと先ほどの学園長を彷彿とさせる笑顔で見据えると開き直りやがった。


〝ウソ…理不尽を普通に押し通すあの笑顔のご主人様に言い返した!〟


〝あやつは世間知らずの怖いもの知らずなのじゃろう、神をも恐れぬとはこの事じゃな〟


〝2人とも失礼ですよ……けど確かに凄い胆力です〟


ミラとヘルは兎も角、リーナまでもがコソコソと話し合っている。

が、残念ながらいつもの如く俺には聞こえてるんだけどね。


尤も今は俺以外にもネルヴィアとヴァイスロギア、アヴァロスの3人も聴こえてるだろうけど。


「まぁ、あかりの言う事にも一理ある。

その点については認めよう、悪かった」


やっぱり大人はしっかりと謝らないとダメだよな。


〝あのご主人様が謝るなんて!〟


〝きっとこれは何かも前触れなのじゃ!〟


〝確かにちょっと怖いですね…〟


……はいそこー、何笑ってるのかなネルヴィア君?


「わ、わかればいいんだよ、わかればね!」


「そうだな、でもそれはそれ、これはこれだ」


勝ち誇った安堵の笑顔が一瞬で固まるあかり。


「後でお仕置きな」


〝あ、やっぱりご主人様だなぁ〟


〝うむ、これでこそいつものソータじゃな〟


〝そうですね〟


「あと、ミラとヘル、リーナもお仕置きだ」


「「「えっ?」」」


「お前達が俺の事をどう思ってるのかよくわかった。

その事を考慮したお仕置きにしてやるから安心していいぞ?」


「クックック、面白くなっかたではないか!」


放心した方に固まるお子様3人衆を見て、耐え切れなくなったネルヴィアが楽しそうに声を挙げた。


「何笑ってるのかなネルヴィア君?

ミラ達のやり取りを随分と面白そうに聞いてたようだけど」


「ま、まさか…」


「勿論、ネルヴィアも後でお仕置きな」


「そんな、横暴じゃぞ!!」


お仕置き宣言されたネルヴィアが騒ぎ出すが気にしない。

さて、ネルヴィアの言った通り面白くなってきた。

5人のお仕置きは何にしようかな?


思わず頬が緩むと、学園長達4人にミラ達お子様3人衆の7人が放心状態に陥り。

ネルヴィアが子供のように駄々をこねる室内に、広瀬の乾いた苦笑いが僅かに響いた。


少しでも『面白かった』『続きが気になる』と思ってくれましたら、


 ブックマーク登録及び、下記の評価ボタンを押して頂けますと嬉しいです。


これからもよろしくお願いします!!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

こっちは明日更新します!!


「伝説の吸血鬼となった商人は怠惰スローライフをお望みです」


そこそこ読める作品だと思うので是非読んでみてください!!


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