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82話 SSSランク冒険者の力

学園長視点になってます。


次回、ついに主人公登場!!(予定)

「が、学園長、何故…」


私の事を視界に収め唖然と呟く少年。


例え勇者であっても、年相応の少年なのだなと、改めて思い知らされる。


そして、それは彼だけでなく後ろの賢者・戦王・守護者である3人の少年少女達も同様でしょう。


「助けが遅くなってすみません」


未だに唖然とこちらを見る彼らに私は頭を下げる。


「ですが安心した下さい。

私が責任を持って皆さんを連れ帰りますので」


「な、何故ですか?」


「何故、とは?」


戸惑った様子でそう聞いてくる勇者の少年、中村君だが、質問の真意がわからずに質問を質問で返してしまう。


「どうして学園長がここに?」


目を丸くして彼はそう聞いてくるが、逆に何故私がこの場に来ないと思っていたのでしょうか?


「中村君キミは、いやキミだけじゃなく、坂本君、広瀬さん、北山さんも皆、私の学園の生徒です。

それは例え貴方達が勇者であっても変わりません。

そして、その生徒が窮地に陥っているのであれば、学園長である私がそれを救うのは当然と事です」


「で、では、他のみんなは?」


「ご安心を、そちらは学園の教師陣をはじめ帝国騎士達が最新の注意を払い10階層に向かいました。

今頃、転移陣を用いて既に避難しているでしょう」


この迷宮に限らず、殆どの迷宮には10階層ごとに転移陣が設けられていて、そこから一方通行ではあるけど地上に戻ることが出来ます。


「これもひとえに貴方達が異常事態を知らせてくれてさらには時間を稼いでくれたおかげです」


そう言って再び彼らに頭を下げる、その際彼らから焦った様な声が聞こえてくるが、心配ない。


「ですから、ここから先は…」


「がぁっ!?」


背後に迫っていた漆黒の長剣を躱し伸びきった腕を抑え敵の顔面に裏拳を叩き込む。


「私に任せて下さい」


目を見開き驚いた様な顔をしている彼ら4人に微笑みながら、私の裏拳を受け鼻血を流しつつたたらを踏む敵に向かって振り向く。


「チィッ!まぐれ当たりしたからっていい気になってんじゃねぇぞ!?」


そして、そんな敵は鼻を抑えつつ、怒鳴り散らしてくる。


私はそんな彼に、向かって口を開く。


「パーティーメンバーである、織原君、二宮さん、桐ヶ谷さんに死に至るであろう攻撃を仕掛け、護衛の帝国騎士2名を斬殺。

坂東君いくら貴方が我が学園の生徒と言えども敵として拘束させて貰います」


「拘束…お前がこの俺をか?

ハハッハ、面白い事を言うな、魔王をも超える力を手に入れたこの俺をお前如きが拘束するって……

クックック、なかなかに面白い冗談だなぁ。

なぁ勇者君、お前からもこのバカに何か言ってやれよ、無駄死にするだけだってなぁ」


確かに、確実に折れていたはずの鼻が既に治っている事を見るとそれなりに強いのでしょう。


けれど、この程度の存在感で魔王以上と自身で言い切るとは……思い上がりもいいところですね。


だけど、中村君は苦虫を噛み潰したような表情になり、口を開く。


「学園長、悔しいが坂東の言う通りです。

今のアイツなら魔王にも勝てるかもしれない…」


「だとしても、私が貴方達を置いて逃げる訳には行きませんよ。

それに、私には彼がそこまで強い様にはとても思えません」


「ですがっ!」


「まあ、貴方達はそこで見ていて下さい。

SSSランク冒険者の戦いと言うのを見せて差し上げましょう」


それにしても、坂東君のあの漆黒の魔力……これは色々と聞かなければならないことがありそうですね。


「ま、そんなに死にたいのなら止めはしないさ」


「ふふふ」


肩をすくめて余裕を見せる、彼の態度に思わず笑い声が漏れてしまった。


「チィッ…すぐに泣かせて地面に這いつくばらせてやるっ!」


私が笑った事に激昂した彼はそう言いつつ、漆黒の長剣で切りつけてくる。


その剣を躱しつつ、先程と同様に鼻に裏拳を入れて反撃する。


「オラッァ!!」


即座に反撃を繰り出してくる彼の剣を私も自身のレイピアで捌き、隙を見て逆に彼に傷を付けていく。


「私にとって、貴方の攻撃は遅すぎる」


「クソッ!こうなったら跡形もなく吹き飛ばしてやるっ!」


振り上げられた漆黒の長剣に魔力が集まっていく。


確かにあれだけの魔力を受ければ私は兎も角後ろの4人はただではすみそうにないでしょう。


まぁ、その攻撃が出来ればの話ですけど。


「少し、本気を見せてあげましょう。

《雷神化》!」


その瞬間、凄まじい電撃が周囲に撒き散らさせる。


蒼白い電撃が地面を抉り焼き焦がし、バチィィィイと電撃が迸る音が鳴り響く。


「行きますよ」


そう言い地を蹴ると、その地面が弾け飛び、砕けた地面の破片が電気に焼かれ崩れ去る。


雷神化は自身の身体を雷と化し、擬似的な精霊とも言える私は雷速にも到達する。


坂東君からすれば私が消えた様に感じるだろう。


「雷神の(つるぎ)


雷神化を解き、レイピアを鞘に戻す、その瞬間、私の背後で凄まじい電撃が巻き起こる。


悲鳴さえも搔き消し、視界さえも真っ白に染め上げる程の電撃が収まり、ドサッ、と誰かが倒れ込む音が耳に届く。


倒れ込む坂東君を中心に地面が抉れ、天井が焦げ付き、私の通った場所に直線の青白い炎が静かに燃えている。


「…迅雷の剣姫」


先程までの轟音が嘘の様に静まり返った迷宮内に北山さんの声がよく響き渡った。


少しでも『面白かった』『続きが気になる』と思ってくれましたら、


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これからもよろしくお願いします!!


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「伝説の吸血鬼となった商人は怠惰スローライフをお望みです」


そこそこ読める作品だと思うので是非読んでみてください!!

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