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79話 奥の手

本日から更新を再開したいと思います!

と言うわけでこれからも宜しくお願いします!!

吹き荒れる魔力が逆再生するかの様に渦巻き収縮して行く。


そして、嵐の様な魔力の奔流は何事もなかったかの様に収まり、全身にその強大で禍々しく、先ほどまでよりも圧縮された高密度の魔力を纏うゴブリンロードだけが姿を残した。


その光景に俺たちは息を呑み、場の緊張感は急速に膨れ上がって行く。


水の滴る音でさえも聞こえそうな程、まるで時間が停止しているかの様に静まり返る中、不意にゴブリンロードの口角が僅かに釣り上がる。


「「っ!?」」


次の瞬間、その場にゴブリンロードの姿は既に無く、俺と駿が声にならない驚きを僅かに漏らす。


その瞬間、俺たちを取り囲む様に展開されている雫の結界が凄まじい轟音を響き渡させ……


「おいおい、マジかよ」


「アイツ本当にゴブリンロードなのっ!?」


漆黒の長剣を手に、その長剣でたった今結界に攻撃を加えたであろうゴブリンロード。


そしてたった一撃で皹が入った結界を見てに駿が苦笑いを浮かべながら呟き、雫が驚愕の声を上げる。


確かに、幾らSランク指定であるゴブリンロードと言えどたった一撃で雫の結界に幅を入れることが出来るとは考え難い。


それに、あのスピード……あれは完全に俺たちより早い、もしかすると司波が連れていたあの少女達と同等かもしれない。


まぁ、あのゴブリンロードが普通でない事はその見た目からも明らかだけど。


それに、確かにスピードは速いが……俺たちよりスピードがある相手との戦闘は何度もこなして来た。


とはいえ、たった一撃で雫の結界に皹を入れる様な奴は初めてだけどね…


「確かに、あのスピードとパワーは厄介だが、俺たちよりも速い相手とは何度も戦って来た!

あのパワーにさえ気を付ければそこまで厄介な相手じゃない」


俺のその言葉に、皆んなが頷く。


そして、ゴブリンロードは再び漆黒の長剣を振り上げ……パリィッンと云うガラスが砕け散る様な音を立てて結界が破られる。


結界を破壊した事を確認したゴブリンロードは地面を陥没させながら地を蹴りそのスピードで瞬く間に肉薄してくる。


が、しかし、ゴブリンロードが口角を釣り上げながら漆黒の長剣を振り抜いたそこには既に俺たちの姿は無い。


ゴブリンロードが切り裂いたのは土魔法で作り上げた俺たちのダミー。


結界が破られた瞬間に俺と駿は即座に左右に展開し、あかりと雫は後ろに下がり新たに雫が展開した結界の中に後退していた。


見通しのいい草原なんかじゃあ到底通用しないだろうが、幸いな事にここは地下迷宮の中であり、あたりは薄暗い。


そして、俺たちを仕留めたと勝ち誇る様に口に弧を描き、ゴブリンロードが気を緩めた一瞬の隙を突き、俺と駿はそれぞれ左右から挟み込む。


流石にゴブリンロード、Sランク指定の魔物だけはあるようで、左右から迫る俺たちに気付いた様だが……


全力の踏み込みで長剣を振り抜いた体制では、そこからの防御は既に間に合わない。


俺と駿は同時にゴブリンロードへ聖剣と漆黒の大剣を手にと襲いかかり、次の瞬間、ゴブリンロードは不意に漆黒の長剣を手放した。


長剣という重りが無くなったことにより、遠心力が無くなり身動きが取れる様なったとは言え既に避ける事はできないと判断したのだろう。


ゴブリンロードは俺たちの攻撃を受け止める様に腕を掲げる。


その瞬間、落下していた漆黒の長剣がまるで溶けるように消えていき、ゴブリンロードの腕にその禍々しい魔力が鎧の様に渦巻いていく。


漆黒の鎧を腕に纏ったゴブリンロードであれば如何に俺の聖剣の攻撃であろうと防ぎきる事は可能だろう。


「だが…」


俺たちの攻撃がゴブリンロードに到達する直前、俺の聖剣と駿の大剣が、そして俺たちの身体を淡い光が包み込む。


「残念だったな、俺たちの方が一枚上手の様だ」


回転を加えた俺と駿の攻撃はゴブリンロードの腕をその漆黒の鎧のと切り飛ばした。


完璧に防ぎきったと思っていたゴブリンロードは肘から先が消え失せた自身の両腕を唖然と見つめ。


そんな隙だらけのゴブリンロードに俺は地面に着地した後に勢いを利用した回転で切り返しの一太刀を浴びせ。


胸部を深く袈裟斬りにされたゴブリンロードを今度は駿が回し蹴りを繰り出し……


今だに状況が飲み込めずに唖然と突っ立っていたゴブリンロードはそんな駿の攻撃を躱せる筈もなく、鳩尾に深く突き刺さった蹴りで吹き飛ばされてダンジョンの壁に叩きつけられた。


俺たちの攻撃がゴブリンロードに通じたのは理由は簡単、それは、あかりの強化魔法によるバフの効果だ。


しかも、あかりのジョブは賢者だ。


あかりの使った強化魔法、それだけじゃ無く魔法全て通常の魔法使いのそれを大きく上回る効果を発揮する事が出来る。


まぁ、言うなればこれは俺たちパーティーの奥の手と云う訳だ。


「あかりっ!」


「了解!」


どうやら、駿も同じ事を考えていたらしく、アイコンタクトを取ってきた駿に一度頷くと、俺と駿は同時にゴブリンの群れに向かって地を蹴り。


雫はあかりを守る様に結界を展開する、しかもさっきみたいに広範囲で無い上に多重に張り巡らせられたあの結界ならゴブリンロードであっても簡単には破れないだろう。


「こっちは終わったよ!」


そして、しばらくしてあかりがそう声を挙げた、それと殆どが同時に俺たちもゴブリンを粗方始末する事ができた。


まぁ何匹かは逃げた様だが、あの程度の数であれば学園祭達に遭遇しても処理する事は可能だろうしな。


「ふぅ、さてと後はお前だけだ。

ゴブリンロード!」


『面白かった』『続きが気になる』と思ってくれましたら、

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これからもよろしくお願いします!!


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「伝説の吸血鬼となった商人は怠惰スローライフをお望みです」


そこそこ読める作品だと思うので是非読んでみてください!!


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