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77話 聖剣解放

しばらくの間1週間一回投稿になりますご了承下さい!!

「おいおいおいっ!マジかよっ!?

なんで、こんな上層にこんなバケモノがいるんだよ!!」


ゴブリンロードの登場に駿が悲痛な声を上げる。


「ははっ、これは遠征なんてしてる場合じゃないな…」


「ちょっと中村っち、そんなこと言ってる場合じゃないって!

早くどうにかしないとマズイって!!」


「くそっ!

今の俺達じゃ、ゴブリンロードにはまだ勝てない、撤退す…」


「中村君っ!!」


撤退の指示を出そうとした瞬間、信じられない速度で何かが俺に向かって飛来した。


咄嗟に剣で斬り捨てたものの、あかりの忠告が無かったら危なかったかもしれない。


「仲間を投げつけて来るとはな」


視線の先には腕を振り抜いた格好のゴブリンロードの姿。


しかも……


「退路を断たれたか…」


俺が、投げつけられたゴブリンを斬り捨てた隙に、ゴブリンロードは他のゴブリンを投げ飛ばし俺たちの背後にある通路への入り口を塞がれた。


無論、投げられたゴブリンはその原型がわからない程にぐちゃぐちゃの肉塊と化している。


「あれってジェネラルじゃないか?」


退路を塞ぐために肉塊と化したゴブリンを見て駿が苦笑いを浮かべる。


「ゴブリンの上位種をあんなに簡単に…」


ゴブリンは通常種からホブゴブリンその上にマジック、ソルジャーと上位種が続き、それらを統括する存在としてジェネラルが位置する。


通常の群れならば頂点に位置していてもおかしくない様な存在だ、それを俺達4人を逃がさない為だけ…


「アイツにとってはジェネラルでもその程度の存在なんだろな……」


「あぁ、これはちょっとヤバいかもな」


「ちょっとちょっと2人とも!

そんな悠長な事言ってる場合じゃないよっ!!」


確かに雫の言う通りこんな呑気に話してる場合じゃないな。


「雫ちゃんちょっと落ち着いて!

確かにマズイ状況ですけど、焦ってもどうにもなりませんから」


「そうだぜ雫、ちょっとは落ち着けって」


退路は断たれ、俺達が勝てると言っても強敵である強さの2体のキングに加えてそのキングを従えるロードが1体。


そんな絶望的な状況でもいつもと同じ様に雫をからかう駿、そして雫も駿のその意図に気づき少し落ち着きを取り戻した。


確かに絶望的な状況だか取り乱していては、どうにかなるものもどうにもならなくなる。


「…ありがと」


「気にすんなって…てっ、おいおいおい!

嘘だろっ!?あの野郎、キングまで投げて来る気かよっ!!」


駿の視線の先では、人間に近い体格のゴブリンロードが二倍以上の巨体を誇るゴブリンキングを片手に軽々と持ち上げ振りかぶっていた。


「っ!雫っ今すぐ結界を展開してくれ!!」


「任せてっ!」


次の瞬間、ドパァッンと言うけたましい音と共に凄まじい速度で飛来したゴブリンキングが俺達の鼻先数十センチの位置で弾けた。


「手当たり次第かよ…」


その光景に駿が唖然と呟く。


それもそのはず、ゴブリンキングと言えばロードよりは格下だとしてもそれでも捨て駒に使える様な存在では無い。


それに…


「いや、ロードにも考えがあったんだろう。

その証拠に、ほら」


おが指をさした先には、まるでおもちゃを買って貰えなかった子どもみたいに地団駄を踏むゴブリンロードの姿があった。


「多分だけど、キングレベルなら投げられた時の負荷に耐えられるんじゃ無いか?」


もし、ゴブリンキングが生きた状態で意識を保ったままあの速度で迫って来たら……


「それは…」


「考えたく無いですね…」


その光景を想像した雫とあかりが苦い表情になる。


「あぁ、ヤバかったろうな」


「うん、雫の結界があって助かったな。

それに、撤退は出来なくなったぶん、敵が自滅してくれてラッキーだった」


敵の中でも強敵であるキング2体のうち片方が脱落した、これが意味するところは大きい。


「けど、中村君」


「ああ、敵もバカじゃ無い、2度目は無いだろうな」


「って事はやっぱり」


「やるしか無いって事ね」


「どのみち、退路はもう断たれて撤退は出来ないんだ、覚悟を決めるしかないな」


背後で肉塊と化したジェネラルを見て俺はそう言って皆んなの顔を見る。


ゴブリンジェネラルの体重は数百キロにもなる。


この世界に来て強くなった俺たちなら退かせる事は出来るだろうし、攻撃を加えて消し飛ばす事すら今の俺たちなら可能だろう。


それが出来るだけの時間があればの話だけど…多分、ロードはそんな時間があれば俺達を皆殺しに出来ると思う。


雫の結界があっても多分ちょっとした足止めにしかならないだろうし、もし撤退することが出来ても学院生達にロードが率いる群が襲い掛かる事になる。


いや、学院生だけじゃない、もし群がアビスの外に出るなんて事態に陥れば帝国自体が滅亡しかねない。


「やるしかねぇか」


「はぁ、やっぱりそうなるよね」


「私達ならどうにか出来るよ!」


そう言って笑みを浮かべる3人に頷いて答える。


「よし、まずは雫の結界を軸にキングを仕留める」


「了解。

ロードは厳しいけどキングだったら破られる事は無いよ」


「雑魚とロードは俺が引きつけておいてやるよ」


「ああ、頼んだぞ駿。

あかりは駿の援護を頼む」


「うん」


「よし、行くぞっ!」


その瞬間、駿がその両手に2振りの剣を生成し、ロードに投げつけると同時に走り出す。


まずかな時間さを持って飛来した二本の剣は地団駄を踏んでいて反応が遅れたロードに僅かなかすり傷をつける。


続けて飛来する剣にロードが気を取られた隙をつき、身体強化を駆使し一気にキングに切迫した駿の上段蹴りがヒットしキングを吹き飛ばす。


「雫っ!」


「了解っ!隔離結界!!」


他のゴブリンがいない場所まで吹き飛んだキングの周囲を三角錐の結界が現れ包囲し、次の瞬間、蹴り飛ばされて宙を舞っていたキングの巨体が轟音と共に地面に叩きつけられ、地面に亀裂が走る。


「亮太、そんなに長くは持たないぞ」


「あぁ、すぐに終わらせる」


俺は、雫の張った結界の中で地面に蹴り落としたキングに剣を構え駿にそう返した。


本当はアレはあんまり使いたく無いんだけどな……アレ使うと後の反動が凄いしな。


「けどまぁ、そんな事言ってる場合じゃ無いよな」


キングを倒してもロードが後ろにいるし、コイツにあんまり時間はかけられない。


「悪いな、直ぐに終わらせてもらうぞ」


涎と血を口から垂らしながら立ちがって来るゴブリンキングに向けて、この力を解き放つ。


「行くぞ、限界突破・聖剣解放!!」


その瞬間、結界内が白き光に包まれた。


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これからもよろしくお願いします!!


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「伝説の吸血鬼となった商人は怠惰スローライフをお望みです」


そこそこ読める作品だと思うので是非読んでみてください!!


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