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66話 異例の点数

3日連続投稿!!


3日目になります!!

俺の目の前で楽しそうに口角を釣り上げているのが、この三大国・力のメイビス帝国を統べる皇帝か。


整った顔付きに光沢のあるプラチナピンクの長髪にしなやかで華奢な体、その見た目からはとても歴代最強と呼び声高い剣帝とは思えない。


が、所作の1つ1つに見て取れるそれは彼女の実力の高さを如実に物語っているし、彼女から発せられる覇気と内包された魔力は、確かに眼を見張るものがある。


戦っているところを見たことが無いからハッキリとは言えないが、実力としてはミラ・リーナの二人よりは上で魔女と拳神よりは少し下と言ったところだろうか。


因みに、ヘルは魔女と拳神と比べても格上なので例外と言える。


「へ、陛下っ!何をなさっているのですか!?」


突然の事に固まってしまっていたメーシスさんが声を上げる、うんうん、これが普通の反応だよな。


「何、ちょっとした遊びよ」


「陛下、貴方は三大国が一角であるメビウス帝国の皇帝なのです。

もう少し、自覚をお持ちください」


う〜ん、なんと言うか、上がこんな人だったら下の者は大変だろうな、まぁ俺には関係のない話だが。


「まぁ、そう言うでない。

勇者達が来た時もやったのだが、これは意外と気づかれないのだぞ?」


そして、一切悪びれる気の無いこの言葉、まぁその、何だ…頑張れメーシスさん。


それにしても、メーシスさんが皇帝にこの様な態度をとるって事は、この人意外と地位が高いのかもしれないな。


俺達には文官としか言ってなかったしな。


「はぁ、そう言う訳では無いのです」


「まぁまぁ、良いでは無いですかメーシスさん。

これはこれで面白かったですしね」


それに、早く用件を済ませてしまいたいからな、こんな所で油を売っていてもし、ここで勇者が来たらどれ程面倒な事になるか……想像したく無いな。


「ユーピルウス侯もこう言っているのだ、そうぐちぐちと言うな。

お前はいつも少し煩い」


うん、まぁその、もう一回言うよ、頑張れメーシスさん。


「はぁ、皆様取り敢えず場所を変えましょう」


そう言うメーシスさんの顔にはさっきよりも如実に疲れの色が現れていた。






「ふむ、それは悪い事をしたな。

申し訳ない」


応接室に移動した後、ここに来るまでにあった出来事を説明すると、皇帝はそう言って頭を下げた。


「いえ、別に構いませんよ」


それにしても凄かったな…ここに移動するまでの間、かなりの数のメイド達が俺たちの後ろを一寸のブレもなく付き添って歩いてきたのだが。


あれはなかなかに迫力のある光景だった、少なくとも俺は微塵もやりたいとは思わなかったが。


「そう言って頂けると有り難いが……この件はこちらかもエラムセス王に伝えておこう」


いや、本当にそんなことしなくても良いですからね、マジで面倒ごとは嫌なんで。


「それにしても、どの様にして我が帝国の警戒網を突破したのか興味があるのだが」


「残念ながら、それも企業秘密でしてね」


「ふむ、まぁそれはそうだろうが残念だ。

まぁよい、それはそうとユーピルウス侯よ、私と1つ手合わせ願えないだろうか?」


「なっ!?」


何気無くそう言った皇帝の言葉に驚愕の声を挙げたのはメーシスさんだ。


「ダメだろうか?」


しかし、そんなメーシスさんを完全にスルーして懇願してくるメビウス帝、しかし、これはどう答えたら良いのか。


俺としては面倒なので手合わせは遠慮させて貰いたい所だが…


チラッと、メーシスさんに視線を送るとメーシスさんは諦めた様に首振ってから項垂れた……っておいっ!もうちょっと頑張ってくれよ!


くそっ、こうなれば最終手段だ、これで問題に発展しても俺は知らん、皇帝を説得する事を放棄したメーシスさんが悪い。


「私は構いませんが。

しかし、本当によろしいのですか?

歴代最強と呼び声高い貴女が負ける事になりますよ」


「なっ!?」


この俺の返しに再び声をあげるメーシスさん、しかし仕方がないだって本当の事なのだから。


もし仮に、俺とメビウス帝が手合わせするとしよう、そうすれば結果はアリス王女との決闘と同じになる。


「幾ら貴方がSSSランク冒険者といえど言葉が過ぎますぞ!」


「いえ、私が言っている事は事実ですよ」


そう言いつつ、一瞬だけ完全に抑え込んでいる魔力を一瞬だけ放つ。


「くっ…」


それだけで、メビウス帝は苦しげに息を漏らし、メーシスさんは黙り込んだ、まぁこれで俺の言葉が嘘ではないと理解してもらえただろう。


「ククク、小娘ではソータには手も足も出ぬわ!」


すると、今まで茶菓子を一心不乱に食べていたヘルがそう笑ながら言い出した……ほんと、礼儀がなってないよねコイツ。


「む、そんな事はない、私が本気を出せば互角に渡り合える。

それに子供のお主に小娘などと言われる筋合いは無い」


しかし、それに納得いかないとメビウス帝が声をあげる、これはアレだな、魔力を抑え過ぎたな。


「ふ〜ん、まぁよい。

いずれ小娘もソータの真の力を知る時が来るだろう」


う〜ん、ヘルがなんか意味深な事を言っている気がするんだけど、ここは保護者としてしっかり怒る必要があるだろう。


「ヘル、流石に小娘は失礼だぞ」


「む、しかしだな、妾からしてみれば小娘なのだぞ?」


そう言われてみれば確かにその通りなのだが、う〜ん、これは学園で社交辞令と言うものを覚えてもらう必要があるな。


「はぁ、メビウス帝申し訳ない」


「いやいや、この程度の事は別に構わないとも。

さて、残念だが手合わせはならないと言う事だから、早速学園についての説明に入いっても?」


「ええ、お願いします」


「では、貴殿らが通う事になるメビウス魔導総合学園だが、基本的には普通の学園と同じで年齢が上がるにつれ学年が上がるのだが。

魔導学園には飛び級制度があってな、優秀な者は早く上に上がることが出来る。

しかし、6つある1つの学年に在学できる生徒の人数は決まっており、それは上の学年に上がる程に少なくなっているのだ」


ほほう、流石は世界最大規模・最高峰の学園と言われるだけのことはある、なかなかにハードな教育制度だと言えるな。


「なるほど、面白いですね試験ですか?」


「む、察しが良いなユーピルウス侯よ。

貴殿の言う通りこれから編入するための試験を受けてもらう事になる」


この試験で一定以上をマーク出来なかったら編入できないと言うことか……試験内容にもよるがヘルが少し不安だな。


「くっくっく、因みに先に受けた勇者達は皆最高学年のAクラス以上の点数を叩き出しおったぞ。

勇者の中村、戦王の坂本、守護者の雫そして賢者のあかりを含め半数はSクラスになりおった!」


前言撤回、あいつらレベルでSクラスになれるんだったらまず落ちる事はないだろうな。


「その試験の内容とは?」


「帝国は実力主義でな、試験の内容は実技試験、筆記試験の2つに分かれる。

実技試験では、魔力量の測定と魔法の技量、戦闘技術などを見る。

筆記試験は、まぁあるにはあるが殆どは実技で決まる」


まぁ、筆記試験が重視されないのであればどうにかなるだろうし、この世界に来てまだそれほど時間が経っていない勇者達がSクラスになれたのだから俺たちでも大丈夫だろう。


「わかりました、では早速?」


「うむ、ではまず筆記試験からやってもらおう」


そう言って渡された用紙をメーシスさんのカンニング監視の中解いていくが、まぁハッキリ言ってこの程度は俺にとってはなんの問題にもならない。


なんといっても俺にはリエル先生がいるからな!


それにこの程度の問題であればリーナは当たり前としてミラとヘルも大丈夫だろう。


「では、用紙を回収させて頂きます」


メーシスさんがそう言って用紙を回収して行く、何というかまさか異世界に来てまだテストを受ける事になるとは思ってなかったよ。


「ふむふむ、では次は実技試験だな!」


異世界でテストを受けた事に少し遠い目をしていた俺にメビウス帝の楽しそうな声が聞こえてきた。


その後、俺たちは見事実技試験を満点で突破し、俺は筆記、実技共に満点と言う異例の点数を叩き出した、結果は明日知らせてくれるらしいがこれで落ちる事は無い。


お子様3人も筆記は9割がだ出来ていたし、実技では満点をマークしたのでまず大丈夫だろうな。


そして編入するのは勇者達と時期を合わせて3日後になるらしい、つまり明日と明後日はこの帝都を自由にまた回れるという訳だ。


その後、皇帝とマーシスさんとの食事の途中、メーシスさんが帝国宰相だった事が判明するというサプライズはあったものの。

降って湧いた休日に意気揚々と俺たちは皇城を後にした。


次話 12月21日金曜日更新予定です!!


少しでも『面白かった』『続きが気になる』と思ってくれましたら、


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これからもよろしくお願いします!!


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「伝説の吸血鬼となった商人は怠惰スローライフをお望みです」


そこそこ読める作品だと思うので是非読んでみてください!!

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