07話 決裂
最近、雨が続き頭痛が続いています。
辛い、辛すぎる!!
第7話目にまります。
よろしくお願いします!!
龍王達と国王達との会談は王城内のの会議室で行われる事になった、こんなところにまで龍王と魔王の一柱を入れて良いのかと思う所もあるが勇者達の影響で気が大きくなった国王は龍王と魔王を確実に討つ為に自らの懐の奥深くまで誘い込む事にしたのだ。
俺は今、王城周辺の警備をしている。
なぜそんな事をしているのかと言うと、まぁ言ってしまえば追い出されたと、言っていい。
ここに居ても邪魔だからを多数の持ち場をたらい回しにされて今に至る、かなりイラッと来たが、多分アイツらと会うのも今日で最後になるだろうからな…
「よぉ、兄ちゃんお前さんも大変だな」
と、気さくに声をかけて来たのは何度か書庫の場所などを教えてもらった衛兵だ。
「いえいえ、そんな事より会談はどうなるりますかね」
「さぁな、けどまぁなるようになるさ」
「まぁそうですね、何事もなく終わるといいんですけ」
そこで俺は言葉を切ったなぜかと言うと城の中から凄まじい魔力を感じたからだ、しかし、まずいな…
これは…
「衛兵さんまずいですよ、爆…」
その瞬間凄まじい爆音をあげながら城の一角が吹き飛んだ、
城の周り、いや、この王都いた者全てがその凄惨な光景に無言で立ち尽くす。
そして何処かからか悲鳴が上がり、周囲一帯が阿鼻叫喚の地獄と化した
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数十分前、ここは王城内の会議室その場に今、異世界から召喚された勇者とその仲間、国王とその重臣、が集まり今からやって来るであろう2名の存在に備えていた。
「勇者殿よ、奴らはどうやって乗り込んで来ると思うかね?」
そう問いかけるのはこの国の国王であるアルフ・アモンド・エル・アストラル。
「そうですね、意外と普通に歩いて来るか、空でも飛んで来るんじゃないですか?」
そう答えるのは、異世界からこの国に召喚された勇者、中村亮太であり、彼の隣にはいつもの3人、またその周囲には1人を省く彼のクラスメイト達が余裕の笑みを浮かべ立っている。
その時、会議室内が静まり返った、そこにあるのは困惑又は驚愕でありその元凶はこの会議室の入り口である、威厳を放つ巨大な扉の前に、その扉とは比較にならない程、大きく厳格な漆黒の扉が現れたのだ。
ギギギ…と重厚な音を立て、その黒い扉が開いていく、そしてそこから現れたのはこの世界の頂点に君臨する2名。
その2名を視界に捉えた女子達は溜息をこぼし、男達でさえ目が釘付けになる程の整った容姿、
スラッとしていて痩せすぎず、程よい筋肉がついた身体に、美しくも他者を圧倒する金に輝く瞳に深みのある黒い髪をした龍王アヴァロス
幼いあどけなさを残しながらも誰もが目を惹く金の髪に、切り目の大きい蒼い瞳をした魔王ヴァイスロギア。
この2名の登場に一瞬その場が凍り付いたかのように静まり返った。
そんな中魔王ヴァイスロギアが会議室に用意された椅子を一瞥し不満げに眉をひそめると一回指を鳴らす、
すると今までそこにあった二つの椅子が消え失せ代わりに黄金で飾られた椅子が現れ、満足そうに頷くと龍王とともに席についた。
緊迫した空気が張り詰め、広い会議室の温度が普段より低く感じられた。
そんな中国王が口を開く
「ようこそ我がアストラル王国へ、してこの名高い龍王アヴァロス殿と魔王ヴァイスロギア殿が我に何用か?」
背後に、勇者達が控えている事で余裕を持てる国王が尊大な態度で問いかける。
魔王ヴァイスロギアは軽く勇者達を見回し、その後国王の様子を見て軽く笑みをこぼした、そこには明らかな嘲笑がそれが中村達召喚者の自尊心を刺激した。
召喚者達が魔王ヴァイスロギアを鋭く睨み付け一触即発といった雰囲気になる。
「私は龍王アヴァロスと言う者です。そしてこちらが魔王であり妖精王でもあるヴァイスロギア以後お見知り置き下さい。
早速ですが私は回りくどい言い合いが好きではありません、ですので単刀直入に言わせていただいても宜しいですか?」
と優しい、声で問いかけたのは龍王アヴァロスであり、召喚者や国王その重臣達は礼儀正しい龍王の態度に驚き、そして今納得する。
自分たちの力の巨大さを直接見て恐れているのだと、そしてますます彼らの態度は尊大になっていく。
「良いぞ、話してみよ龍王よ」
「おいおい、アストラル王よ、態度が尊大すぎるぞ」
とヴァイスロギアが注意を入れたそのことに対して仲良し四人組の1人である坂本駿が反応した。
「おい、クソガキ国王様が話せと言ってるんだからお前達はさっさと要件を言ったらいいんだよ。
そもそもお前みたいなガキが本当に魔王なのか?」
その言い草にヴァイスロギアは困惑した、このアホは相手の実力も測れないのか?と
しかし、返事がない事でさらに気を良くした坂本は続ける。
「おっなんだ図星か?
魔王ヴァイスロギアとは自分で来ずにこんなガキを送り込んで来るとはよっぽどの雑魚かビビリだな」
と高笑いする坂本の態度に流石にヴァイスロギアは流石にキレそうになるが目の前に手を差し込まれたことによって冷静に戻る。
「では、アストラル王よあの御方はどちらにいらっしゃいますか?」
「ふむ、あの御方?一体何個事を言っているのだ貴様は?」
「この国のこの王都にいらっしゃる事は分かっているのです、それさえ教えて頂ければ我々は黙って帰りましょう」
「あの御方と言うのが誰のことかは知らないが、例え知っていても貴様達に教えることなど何も無い」
「どう言う事ですかね、冒険者ギルドを通して代金は支払わせて頂きましたと思いますが、あれでは足りないと?」
「そうだな、あれだけあれば我が国の国家予算数年分にも匹敵しよう。
だが、貴様らはこの戦力差でここから生きて出られると思っているのか?」
「我らが逃げる?どう言う事でしょうか?」
「ここまで言っても分からぬか、まぁいいでは教えてやろう。
何故私が貴様らをここまで引き入れたかわかるか?
ここで確実に貴様らを仕留めるために貴様らを逃さないようにする為だそして此処には最強の勇者殿とその仲間の皆がいる。
もう分かったであろう?貴様らに勝機は無いのだよ」
そう言って薄い笑みを浮かべ自らの立てた作戦がうまく行ったことにほくそ笑む、
そしてその後ろで控えていた召喚者達は自らの武器に手を掛ける。
「龍王に魔王よ、提案があるのだけど、俺たちに降伏してこの俺に忠誠を誓うなら生かしておいてあげてもいいよ、俺らだって無駄な殺生はしたく無いんだ」
と勇者中村が椅子に座る2人を見下すように問いかける。
「そうか、残念だ…」
龍王アヴァロスが小さく呟いた。
「はぁ?何か言ったか?」
「ねぇアヴァロス、これは交渉決裂でいいのかな?」
「うむ、致し方無いな」
「おい!無視してんじゃねぇよ!!」
そう声を荒げつつ中村は魔王ヴァイスロギアに自身が出せる最速で思いっきり剣を振り下ろす。
そしてニヤッとほくそ笑み視線を上げた中村は驚愕に包まれる。
そこには剣先から約10センチ程度の位置で折れた刃を右手の中指と人差し指で挟んだ魔王ヴァイスロギアが無傷で座っていたのだ。
「やったね」
魔王ヴァイスロギアがそう呟いた瞬間その場に凄まじい程の魔力が渦巻き身動きが全く取れない程の凄まじいプレッシャーが包み込む。
龍王アヴァロスが右手を前に掲げて声を発した。
「上位転移魔法」
するとその場に先程、この2名が現れた漆黒の門が現れる。
そして龍王アヴァロスが優雅に一礼してその中に消えていく。
「ではさっきのお礼を返そう」
椅子から立ち上がった魔王ヴァイスロギアがそう言って右手を軽く挙げた、
その瞬間あたり一帯に凄まじい衝撃が走る。
会議室の周囲一帯の屋根が完全に吹き飛び煙が立ち込める。
「まぁこの程度で死ぬはずないよね、でも今から忙しくなるよ。
魔王と龍王を怒らせた事を後悔するといい」
そう言って魔王ヴァイスロギアが漆黒の門に変えた瞬間にその門は掻き消えた。
「た、助かった」
そう声を上げたのは召喚者の1人である結界師の西田 虹香であり、召喚者一行と国王とその重臣は彼女の張った結界のお陰で何とか事なきを得ていた。
そして事なきを得たのもつかの間、壁や天井が吹き飛んだ会議室から見えたのは王都を取り囲む城壁のすぐ側まで迫ったおびただしい数の魔物達の姿だった。
「なんだよあれ…」
「クソがっ!」
「皆んな取り敢えず城壁に行くんだ!」
そして未だに立ち尽くす国王と重臣達をそのままに勇者達は駆け出した。
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王城の一角が吹き飛んだ瞬間、王都を囲む城壁の外側からおびただしい数の魔力反応が発生した。
「まずいな、これは…
取り敢えず行ってみるか」
そう呟いて俺は転移魔法を発動しその場から掻き消えた。
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