表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/111

64話 前途は多難

3日連続投稿!!


1日目になります!!

あの後、どうするべきか悩みに悩み抜いた結果、俺が魔導学園に入るから会えないのくだりを飛ばして、説明を行った。


そして、その際に発揮された俺のテクニック!


まず登場シーンは当たり前の様に普通の顔で


「魔王ネルヴィアの一件ならば解決しました」


と軽く笑みを浮かべながらに言い放ち、動揺する国王達に間髪入れずにこう続ける。


「原因は些細な行き違いだった様です。

実はネルヴィアとは少し面識がありまして、彼女の性格から考えてこの様な行動に出た事に不信感を抱きました」


そこで一度言葉を切り、国王達が眼が動揺と驚愕から真剣な眼差しになっているのを確認する。


「そこで、単身ネルヴィアの元に赴き話を聞きに言ったのですが、いきなり殴りかかってきましてね。

いつもの彼女ならぬ行動にさらに疑問が深くなりました。

話を聞くと、どうやら謀反を企てた者がいたらしく、既に解決した様なのですが警戒していたと言う事でした」


そう説明すると、ネルヴィアと面識があった事など多少、驚かれるポイントはあったものの何とか納得してくれた。


一応、嘘を言っていないことを証明するトゥルースの魔法を使い嘘がないことを証明した事で今回の一件は終末を迎えた。


嘘を言ってるじゃないか、と思うかもしれないが真実を言っていないだけで嘘は言っていない。


まず、ネルヴィアと顔見知りだったことは本当だし、単身でネルヴィアの元を訪れた事も歴とした事実だ。


いきなり殴りかかってきた事も事前に俺が暫く会えないと伝えたという事を言っていないだけで事実。


以前に会った時に、リースナルが謀反を起こした事聞いたし、ネルヴィアが通常運営の時と違う行動、見た目相応の行動をとったのも事実だ。


つまり、本当にあった出来事の順序はバラバラだが、俺が語った事は全てが実際にあった出来事なので嘘は言っていない事になる。


それからは何故か事を迅速に解決したとかで俺の評価が上がったのだが、まぁあの時の俺の手腕に対する評価だと思えば悪い気はしない。


さて、そんなこんなでどうにか大きな山場を乗り越えた俺はお子様三人衆とともに馬車に乗って移動中だ。


俺は転移魔法を使えるのでメビウス帝国帝都に一瞬で移動する事は可能だ、というか俺のホームであるアビスが下にあるので散歩気分で帝都には行くことが出来る。


では何故こうしてわざわざ馬車に乗って移動しているのかというと、言ってしまえば目立たない為だ。


まぁ他にも他国に俺の転移魔法の事を知られたくないと言う事もあるのだろうけど……というか寧ろこっちが本当の理由だろう。


軍事大国、力のメビウス帝国が俺の転移魔法の事を知れば何としてでも手に入れようとするだろうしな、まぁそうなれば俺的にも鬱陶しいので結果オーライという訳だ。


そういう理由があって、結局は俺が訪れた事があるという設定の帝都周辺の森に魔法陣を偽装しそこから馬車に乗り換えてこうして帝都に向かっている途中だ。


「うっわぁ!あれが帝都かぁ」


馬車の窓から外を覗いていたミラがワザとらしく御者に聞こえる様に言った。


うん、まぁこれが初めて帝都を訪れた人の普通の反応だと思うよ、けど少しわざとらし過ぎる事は頂けない。


「ミラさん、お行儀が悪いですよ」


「ふむ、ミラもまだまだ子供じゃな」


そのミラの演技を見て、リーナが嗜める事を、そしてヘルはからかう様にそう声をかけた。


「ははは、ごめんなさい」


ミラはそう笑って窓から顔を引っ込めるがその眼は笑っていなかった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



何の変哲も無く、大した距離でも無いこの馬車でも旅に変化が訪れたのは帝都の外壁に備えられている大きな門まであと少しまで行った時だった。


「そこの馬車、止まれっ!」


馬車がいきなり止まったと思うと、そんな大声と共に、やって来た騎士達にいきなり周囲を包囲される。


う〜ん?これはどういう事だろうか?


「その紋章はエラムセス王国のものだとお見受けする」


騎士達の中から前に進み出た黒と赤の鎧を身に纏った厳ついおっさんがそう言いながら前に進み出て来た。


「その通りでございますが、これはどういう事でしょうか?

この馬車がエラムセス王国の物だとわかっての行動ですか!?」


その騎士に対して御者の執事服を纏った初老の男性、エラムセス王がわざわざ派遣してくれた、王城使えない執事が答える。


その声色には少し、咎なるような怒りが籠っている。


まぁ、そりゃそうだよな、今俺が乗っている馬車には我がユーピルウス家の家紋だけでは無く、エラムセス王国の紋章も入っているのだ。


それなのにも関わらず、この様な対応は非常は無礼な行いだろう、まぁ俺は特に何も思わないけど、執事の反応が普通だろうしな。


「貴様こそ何もわかっていない!

三大国が一角、エラムセス王国の紋章を詐称するなどタダでは済まないぞ!!」


「なっ!?

貴殿らは我らがエラムセス王国を詐称したならず者だと仰るのか!?」


「その通りだ、三大国の紋章を使えば容易く帝都に入り込めると考えたのだろうが。

残念ながらエラムセス王国から帝国に入った馬車の中に現在エラムセス国紋章をつけたものは存在しない」


あぁ、成る程ねまぁそりゃそうだろうな、そもそも国の紋章が入った馬車なんて滅多な事では使われないしな。


そう考えれば、紋章何て付けていると余計に悪目立ちする気がするのだが…前例でもあるのだろうか?


「それにしてもバカな連中だ、魔導学園の新学期前ならばともかく、今の時期に事前の通達もなしに国紋章を付けた馬車があるはずも無いと言うのに。

まぁ、楽に密売ができるとでも考えたのだろうが、我ら帝国の監視網を舐めるで無いわっ!」


う〜ん、これは面倒なことになったな、はぁ、どうしてすんなりと行かないものなのかね?


「御者さん、ここは彼らの言い分に従いましょう」


「ですが、よろしいのですか?」


「はい、そもそも俺たちの身分を証明する方法はいくらでもありますからね」


そう言う俺はたぶん悪い顔をしているだろうな……けどまぁ、言い掛かりをつけて来たのは向こうだし、最近面倒ごとが多すぎる。


この状況を一難去ってまた一難または、前途は多難とでもいうのだろうか?


まぁ少し、あの騎士達にストレス発散に付き合ってもらうとしよう。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



騎士達に従って、連れてこられた場所は留置所の様な場所で、俺たちの向かいには現在さっきの騎士と役人の様な人物が腰掛けている。


因みに俺たちに明日なんて存在しない、よって現在俺たちは立たされている訳だが…三大国、エラムセス王国の高位貴族にこの対応、どうなる事やら。


「それで、貴方方の目的は何ですか?

あの馬車の中には何も載せられていませんでしたが」


そんな事を考えていると役人の人物が口を開いた。


「いえ、私共はエラムセス王国からこの帝都に用がありやって来たのですが、門の前でそちらの騎士の方々に取り囲まれてしまいましてね」


「ふむ、それで?」


この目は……全く信じられて無いな、まぁちょっとムカつくが、この2人はこの後の相応の罰が待っているだろうしまぁいいかな。


「何やら思い違いをなされている様で、私共の主張も無視されここに連れてこられた次第でしてね」


「はぁ、そんな作り話はもういいですよ。

現在、エラムセス王国よ紋章が入った馬車が帝国領内に存在しない事は確認済みです」


「それは其方の手違いでは?

この通り、エラムセス王の署名が入った用紙もここにございます」


「ふざけないでいただきたいっ!

貴様らの様な下賤な輩に構っていられる程我らも暇でもないのだ!」


そう言って懐からエラムセス王国の紋章で封蝋がなされた紙を取り出すも、取り繕うのが面倒になったのか、役人の男の口調が崩れた。


やっぱりこの冒険者の格好で来たのが良くなかったのかな?


見る奴が見れば卒倒するほどの価値があると思うんだけどなぁ、この装備。


まぁ、それはいいとして……なんか最近よく下賤って言われてる気がするのだが、気のせいだろうか?


「はぁ、帝国の役人というのはこうも無礼なのですかね?

取り敢えず貴方では話になりません、他の人を呼んでいただけますか?」


そういうとき、騎士と役人の男は怒りに震えながらも、エラムセス王国の紋章を使った封蝋の入った紙を無視出来ないのか舌打ちの後に席を立った。


少しして、役人の男と共に部屋に行って来たのは見るからにそこそこ身分が高い事がわかる顎髭の男だ。


「貴方は?」


「私は、皇宮にて文官として勤めている、メーシスと申します。

本日はこちらに用があったので居合わせたのですが。

いきなり連れてこられてしまいましてね、イマイチ状況が飲み込めてないのです」


「そうですか、それは申し訳ない事をした。

ではメーシスさん、こちらを」


「この封書がどうし……」


俺から封書を受け取ったメーシスさんがその封蝋を目にして一瞬にして血の気が引いた。


まぁ彼は冒険者が何かやらかしたのだろう、程度に思っていたんだろうし、仕方がないよな。


「では事情を説明しましょう」


そう言った時の俺はそりゃあいい笑顔を浮かべていた事だろう。


少しでも『面白かった』『続きが気になる』と思ってくれましたら、


 ブックマーク登録及び、下記の評価ボタンを押して頂けますと嬉しいです。


これからもよろしくお願いします!!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

本日同時更新です!


「伝説の吸血鬼となった商人は怠惰スローライフをお望みです」


そこそこ読める作品だと思うので是非読んでみてください!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ