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55話 ツンデレかっ!!

今更になって気づいたんですけど、第3章の章題は「王国貴族編」なのに全く王国貴族関係なくね?


と言うわけで第3章の章題を変更するかもしれません!!

女神ジル、俺がこっちの世界に来て初めて絶大な実力の差を実感し、唯一絶対に勝てないと判断した相手。


あの膨大な魔力は今の俺の数倍は確実にある、そしてその質・密度共に遠く及ばない。


2つの世界を両世界に全く影響を出さずに部分的にだけ干渉させ合い、さらには人々の認識さえも一切の違和感なく欺く。


これだけの事をなさるのであれば、それは俺が今まで出会ってきた存在の中でもあの女神ジルだけだ。


まったく、可愛らしい少女の見た目のくせにミスマッチ過ぎるだろ。


まぁ、何らかの証拠があるわけでもないし、まだ女神ジルと同等の存在がいないと決まったわけでもない、女神ジル以上の存在もまた然りだ。


女神ジルがあった事が本当であれば、神々は魔神やら悪神と呼ばれる存在と敵対関係にあるらしい。


そのことから考えれば、敵方である魔神勢力にも女神ジルに匹敵する実力者は確実にいると考えた方が自然だろう。


「さてと、そう言うことだから俺達はそろそろ帰るとする」


どう言うわけなのか言った自分でもわかってないが、話すことはある程度話したし、放ったらかしになっているアレネメス王国の件もまだ残っているからな、ここで要らない油を売っている時間はない。


「ふん、そうするが良い、吾達もこの城から早く異物が無くなった方が居心地が良いからな。

だが、今日の話は面白かったからな……特別にまた来る事を許してやる」


そう言って、プイッと顔を背けるネルヴィア……ツンデレかっ!!そう声をあげなかった俺を俺は褒めてあげたい。


「う〜ん、それはちょっと遠慮したいなぁ」


「なっ!何故じゃ!?」


すると少し涙目になりながら勢いよくこちらに顔を向ける。


ちなみにネルヴィアは動揺している時とかふとした瞬間に素が出る、今の語尾のじゃ、がそれだ。


つまりは、ネルヴィアは現実に存在する、のじゃロリと言うことだ!


普段は出来るだけ厳かに話そうとしているようだが、たまに見えるこう言ったところがまた可愛らしい……勿論俺がロリコンと言うわけでない。


「はっはっは、冗談だ冗談」


「き、貴様!やはり吾がこの場で切り刻んでやるのじゃ!」


すると、素が出たことからか、はたまた涙を浮かべていたからか、もしくはその両方からか顔を真っ赤にして俺に殴りかかってくる。


それを俺は余裕で待ち構えているが、はっきり言ってこのパンチだけで普通の古竜が消し飛ぶ程の力が込められている、竜王であるヘルも喰らえばタダでは済まないほどだ。


その事がわかっているからか、アレネメスで俺をストーカーしていた吸血鬼は顔を青くし、執事吸血鬼は慌てて俺とネルヴィアに結界をかけて隔離しようとしている。


そしてヘルはというと、突然の事で全く反応が出来ていないミラとリーナの前に出て2人を守るように結界を構築しようとしていた。


この3人の反応の中で一番正解なのはヘル、次点で執事吸血鬼だな。


ストーカー吸血鬼は何もしてないので論外だし、執事吸血鬼の行動も最善とは言えない、まぁもしこの執事吸血鬼が俺達に匹敵する力を持っているのであればこれが最善手だろうが、コイツにそこまでの力は無い。


ネルヴィアの右ストレートを、俺は左手で受け止める、その瞬間、まるで爆弾でも爆発したのかと思うほどの音と衝撃が巻き起こる。


その衝撃で、俺とネルヴィアを取り囲んでいた結界は弾き飛ばされ、そればかりか執事吸血鬼とストーカー吸血鬼をも吹き飛ばし、両者は部屋の壁に叩きつけられた。


それにひきかえヘルが展開していた多重結界のうち数枚は破られていたがヘル達にまでは到達していない、つまりはヘルの取った行動が最善手だという事だ。


ちなみに、壁に叩きつけられた吸血鬼2名は苦しげに悶絶していた。


まぁそれも仕方ないな、まず普通に考えてあれ程の勢いで壁に叩きつけられたら壁か耐えきれずに壁が崩壊するはずだ。


しかしだ、今この部屋にはそれこそさっきの衝撃を完全に防ぎ込めるだけの結界が展開されている、俺以外の奴らが気づいたのかはわからないが、ネルヴィアがあの部屋に入った時についでと張っていた。


つまりは、吸血鬼2人は貴族種高位吸血鬼の結界を容易く破壊するほどの衝撃と彼らが全力で攻撃してもビクともしない程の結界で板挟みになったわけだ。


「ネルヴィアちょっと見ない間に強くなったんじゃ無いか?」


ネルヴィアの右ストレートを受け止めた左手から伝わってくる衝撃が以前に比べて強くなっているように感じた。


俺も以前よりも強くなっているだろうから、そのことを考慮するとネルヴィアは以前と比べてかなり実力をあげているようだな。


「ふん、そのように余裕で受け止めながらいうなど嫌味な奴だ」


そう言いながらも、何処と無く嬉しそうにしているネルヴィア、やっぱりネルヴィアはこの450年の間にツンデレになってしまったようだ。


まぁ、以前もネルヴィアはこんな感じだったけどね、だからよく妖精王や俺にからかわれていたのだが、そのせいで怒ったネルヴィアによって消滅した街が……


よし、考えない事にしよう。


「まぁ、次はアイツらも交えて今後のことについて話し合うとしよう」


「ならば奴らには吾から話を通しておいてやろう、場所はまた連絡を入れてやる、感謝しろ」


「わかったじゃあな」


そう言って転移魔法を展開しリーナ達お子様三人衆と共に吸血姫の城から転移した。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



そして戻ってまいりました、アレネメス王国!!


さてさてどうしたものか、今回の作戦はそもそも誰にもバレずに事をなす隠密作戦であり、王都が静まり返る夜になる前に全てを終わらせるはずだった。


にも関わらず現在、太陽はどこにも無いも無い……つまりは夜になったという事に他ならない。


まぁ、色々とあったからな仕方ないことだとしても、ネルヴィアに強制転移させられる事がなかったらこんな事にはなっていなかっただろう。


これで次に会った時にネルヴィアはお仕置きが確定した訳だが、まぁ今はそれよりも早くしなければならない事がある。


と言うか、しなければならない事はもう半ば終わっているんだけどな、ほら来た。


「手を出すなよ」


俺のその声に静かに頷くお子様三人衆、リーナは何処と無く覚悟を決めたような顔になる。


城の至る所から出てきた完全武装された騎士達が、今朝の従属種吸血鬼達のように俺たちを取り囲む。


「貴様ら、何処から侵入した!」


その中から、指揮官らしき人物が俺たちの前に出て来る。


うん、ショボイな……いやまぁ人間としてはそこそこ強い部類に入るんだろうけどね。


吸血鬼達や魔神、ましてや十魔王の一柱にして真なる魔王である吸血姫ネルヴィアと比べるとどうしても見劣りしてしまう。


まぁネルヴィアと比べて見劣りしないレベルの兵士や騎士なんて果たしてこの世界に存在するのかと言うレベルだし、ネルヴィアと比較するのは流石に騎士達が可哀想だな、うん。


それにしても俺の立てた完璧な隠密計画は一体何処へ消えたのやら。


吸血鬼の洗脳から解けたら消えていた王女、そしてその王女を連れて王城内にいた他国の高位貴族……こうなってしまってはもう目立たずにいる事は不可能に近い。


もうこうなったらなるようになるしか無いな、もしこれで両国が戦争にでも発展したら、俺も魔王にでもなってみるのも面白い。


新たな魔王が出現したとなればエラムセスとアレネメスは戦争などしている場合ではなくなる、それどころか周辺各国も含めて結束して俺に敵対して来るかもしれないな。


「そう声を荒げるな、俺達は国王に会いに来ただけだ」


何食わぬ顔でそう言う俺に騎士達はたじろぐ、まぁこの状況でこんな事を言うのは余程のバカか、実力者だけだ。


まぁ、騎士達には俺が余程のバカに見えたらしいが。


「今は貴様らに構っている時間はないのだ、後に相応しい裁きを受けるがいい。

おい侵入者どもを牢にでも繋いでおけ」


「ハッ」


指揮官が近くの騎士の1人にそう指示を出しその騎士は油断する事なく俺達に向かって歩いて来る、そしてその顔を驚愕に染めた。


「おい、何をやっているのだ!」


俺たちに向かって来る途中で動かなくなった騎士に向かって指揮官がしびれを切らしたのか声を荒げた。


まぁ、でもこの騎士は悪くないと思うんだよね、だった消えたと思っていた王女がこんな場所にいたら誰だって驚くだろうしな。


「あー、もういいかな?

お前らが忙しいのは十分に理解している、だが俺たちも少し急いでいるんだ」


勿論急いでいる理由は早く家に帰ってゆっくりとしたいからだけどな、因みにこの場合の家はアビスの方だ。


実はエラムセスで屋敷を手に入れた後、屋敷をモデルにアビスの居住区を作り直した、これが出来るのも俺がダンジョンマスターだからだ。


ちなみにそれなりの魔力が消費されたが俺にとっては大したことのない量だ、具体的に言うと宮廷魔導士の魔力が100人分程度かな?


宮廷魔導士の魔力量がどの程度のものかはわからないが騎士達のレベルを見るとあまり期待は出来ないだろう、まぁもっとわかりやすく言うと古竜の全魔力分程度だ。


つまりは古竜でも出来る程度のことをやっただけだ、まぁそれをした古竜は干からびたミイラ見たいなって死んでしまうだろうけどね。


「ふざけるな!部外者である貴様が知ったようなことを言うでないわ!!」


そう激怒する司令官、まぁ普通はそう思うよね、でも知っているんだから仕方がない。


「そうかな?ついさっきまで吸血鬼達に国王を含めた王族が洗脳され、王城は占拠され、更には王女の失踪。

これ以外にお前らが忙しい理由が何かあるのなら謝るが?」


俺の言葉を聞くに連れて周囲を取り囲んでいる指揮官を含めた騎士達の顔が青くなっていく。


まぁこの事が国民に知られればこの国の信頼は地に落ちかねないし、他国に知られればそれを理由に他国に付け入られる大きな隙となってしまう。


それを部外者と断じた俺が知っていたのだ、指揮官達の顔が青くなるのも仕方がないと言うものだ。


「き、貴様、一体何処で」


「これは一体何の騒ぎなのだ!?」


そこまで言った指揮官の声をもう1つの怒声がかき消した。


指揮官は自分の声を遮られた事に一瞬苛立ちを浮かべてその声の発信源を見てさらに青くなる、そしてすぐさまその場に跪いた、それは指揮官だけでなくこの場にいた騎士達全員だ。


そして指揮官の視線の先にいたのは聡明そうなダンディーなイケメンだ、そしてそれに付き従うように今度は爽やかなイケメンだ。


そしてそのさらに後ろには金の鎧を身につけた騎士達が付き従っている。


まぁつまりはそう言う事だ、やっと会う事ができたな今回の目的と。


「申し訳ございません、この非常時にこの者共の侵入を許してしまいました」


跪いた指揮官がそうこちらに向かって歩いてきた2人のイケメンに向かって報告する。


「ほう、非常時に伴い警備を増強しているこの城に侵入するとは。

私にはとてもそれほどの実力があるようには見えませんが」


その報告を聞いた爽やかイケメンが俺を探るように視線を向けて来る、まぁ君程度に俺の実力が見抜けるはずないよ。


「父上はどうお思いですか?」


しかしだ、それに父上と爽やかイケメンに呼ばれたダンディーが、国王が答えない。


「父上?」


それを訝しむように国王に視線を向ける爽やかイケメン事、王子。


しかし、国王はその視線に気づくこともなくただ一点だけを見つめ続けただ一言


「…リーナ」


とだけ唖然とした表情で今にも消え入りそうな程小さな声を漏らした。


次話56話は11月11日 日曜日更新予定!!


少しでも『面白かった』『続きが気になる』と思ってくれましたら、


 ブックマーク登録及び、下記の評価ボタンを押して頂けますと嬉しいです。


これからもよろしくお願いします!!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


題名変更しました!


「伝説の吸血鬼となった商人は怠惰スローライフをお望みです」


そこそこ読める作品だと思うので是非読んでみてください!!

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