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53話 全てお前のせいだ!

月曜日に更新予定と言っておきながら普通に間に合いませんでした、申し訳ない…


言い訳します!病み上がりで計2話書くのは些か厳しかったのです!!


これからも頑張りますのでよろしくお願いします!!

さて、決着はついた訳だが、ハッキリ言ってネルヴァアの圧勝だったな。


まぁ、流石は真なる魔王といったところかだな、しかもゲーム時代より強くなっているんじゃないだろうか?


しかも今のは彼女の力の本の一端に過ぎない、もしかすると女神ジルには及ばないが、下位の神々だったらは屠れるほどの力があるかもしれないな。


まぁ、それでも俺の方が強いけどね……多分。


「つまらぬ戦いだった」


ネルヴィアの魔力の影響で出来た巨大なクレーターから俺たちが観戦していたところに軽く地面を蹴り優雅に着地を決めながらそう小さく言葉を漏らす。


うん、まぁリースナルと面識があったらしいし思う所もあるのだろう、けどその事に対して部外者である俺たちが何かを言う事は間違いだな。


「最早この場に用は無い早く元の場に所吾たちを戻せ」


と、機嫌の悪そうな目で睨みながら俺に命令を下すネルヴィア。


流石は長きにわたり数多くの吸血鬼たちの頂点に君臨している存在、生まれながらの絶対的支配者の言葉にはなぜか逆らい辛いところがあるんだよな。


「はいはい、わかっ…」


わかったからそう怒るな、と言おうとした俺の言葉はそこで途切れた。


理由は単純明快、さっきまでリースナルが発していたあの嫌な魔力の残滓が、リースナルが居た場所に集まってきているからだ。


それはまるで魔力自体が意思を持っているかの様に、ネルヴィアの攻撃でバラバラになったものが再び一つに戻ろうとするかの様に。


「チィッ!」


その様子を見てネルヴィアが苛立たしそうに舌打ちをする、それがこの状況の深刻さをものがっている。


本来ネルヴィアは余程のことがない限り、舌打ちをしてまで苛立ちを露わにすることはない、通常はフン、と鼻で笑うだけだ。


『魔王風情がよくも我が人形を潰してくれたな』


黒い魔力からドス黒か低い声が周囲に響き渡る。


『長年をかけ作り上げた我が人形を潰した罪決して軽くはないぞ』


「フン、この場に姿を見せることさえ出来ぬ雑魚がよく吠えるものだな」


その声にいつもの調子で鼻で笑っていうネルヴィア、魔王と魔神の言い合い…うん、どうでもいいな。


『ファッアハッハッハ!!面白い事を言う。

まぁいい、貴様はいずれ我が手で直接葬り去ってやるとしよう』


「あの、どうでもいいんですが、俺たち今から帰る所なんで邪魔しないでもらえますか?」


そんな魔王と魔神の言い合いに空気を読まずに口を挟む声が……勿論俺ですが何か?


『矮小な人の子風情が言うではないか』


何処と無く楽しげな声が帰ってきますが、その言葉にネルヴィアは面白くなさそうに顔をしかめ、ミラ達お子様3人ははてなマークを浮かべ首をかしげる、そして…


「コヤツ(ソータ様の)の何処が矮小な人の子なのだ(なのでしょうか)」


と、事前に口裏を合わせていたかの様に見事に揃って小言を言っていたが、聞こえていない事にしよう。


確かに、異世界から召喚されたし、そのあと自分で作っておいたホムンクルスに転生したが、今俺の種族は人間なので、俺は立派な人間に他ならない。


まぁ、矮小な人の子言う言い方にはちょっと思うところがないわけではないが、それでも俺はちゃんとした人の子だ。


『気に入ったぞ、次の人形には貴様を使ってやろう』


怪物でも見るかの様な目で俺を見て小言を言っているネルヴィアとお子様3人から軽く現実逃避していた俺に魔神さんはそんな事を言い出した。


はぁ、全くため息が出るな、何故俺は龍王だったり妖精王だったり、挙げ句の果てにはこのよくわかりもしない魔神に気に入られなければならないのか?


全くもって遺憾でならないな。


「はぁ」


『我が力に支配されるがいい』


憂鬱になってため息をつく俺に、魔神さんがそう言うと同時に黒い魔力の塊が俺の体を包み込む。


「そんなものが効くわけが……ぐおぉぉお!!」


「ソータ!」


「ご主人様!」


「ソータ様!」


黒い魔力に包まれてくぐもった悲鳴をあげる俺に、ヘル、ミラ、リーナが血相をかけて悲痛な声をあげる。


「チィッ!!」


そして、ネルヴィアは盛大に顔をしかめ、焦燥感をあらわに舌打ちをする。


『フハッハッハァ!これは存外良い拾い物をした、人間の身でどの様にしてこれほどの力を手にしたのかは知らないが、これほどの力だ我が力を貸し与えずとも十分な力だ』


その言葉に、お子様3人の顔に暗い絶望が降り、ネルヴィアはその頬に冷や汗を流す。


うん、何というか……ごめんなさい。


はい、実は俺操られもいないし、体を乗っ取られたこともないです!


なんて言う事を今言いだせたらどんなに楽だろうか、ほんの冗談のつもりだったんだよね、ちょっと苦しむふりをして操られたふりをしてやろうと言うちょっとしたジョーク。


けど何故か、魔神が本当に俺の体を乗っ取ったと思い込んで何やら言い出すし、それを間に受けてネルヴィアとお子様3人も本気にするし、流石にこの状況でゴメンゴメン冗談だよ、なんて言える筈もない。


そんな事を言ったら最後、お子様3人に何を言われるか分かったものじゃないし、ネルヴィアが騙された事に気づけばどれほど怒り狂うか……考えただけで恐ろしい。


……あれ?でも改めて考えるとお子様3人は俺が養っているわけなので、ちょっとした冗談で文句を言われるいわれもない。


それに突き詰めて言えば、この程度の事を見破らない方が悪いとも言える。


それにネルヴィアにしても、もしもの時はまぁこの島が沈む事になるかもしれないがどうにかするだけの自信はある。


う〜ん、まぁ為せば成るだな。


「あー、お取り込みのところ悪いんだが、この茶番もそろそろ終わりにしたいんだが」


「ご主人ソータ様っ!」


お子様3人が俯いていた顔を上げて声をあげる、そして、ネルヴィアはというと……


「…チィッ」


俺をめっちゃ忌々しげに凄い目で睨見ながら舌打ちをしていた、因みにこの時すでにネルヴィアは戦闘態勢をといている。


『き、貴様!何故我が力に飲み込まれて意識を保っている!?』


そのネルヴィアを見て平穏に事が済めばいいなぁと人ごとの様に現実逃避を試みた俺に魔神の驚愕の声が聞こえてきた。


そう言えば、こんな事になったのも元を辿れば全てはこいつのせいと言える、つまりこの後俺がお子様3人に小言を言われるであろう事も、ネルヴィアが俺に向けるであろう怒りも全てはコイツのせいなのだ。


「全て…せいだ」


『何だと?』


「全てお前のせいだと言ったんだ!」


『何のことかはわからないが、まぁいい、どの道お前はすでに我が魔力の中だ徐々に魔力を強くしてやろう。

どこまで耐えられるか見ものだなぁ』


と、いやらしく嗤う魔神さん、全くコイツは何もわかってない、所詮はコイツも人形にしていたリースナルと同じ穴の狢だったわけだ。


『フッフッフ、さぁどこまで耐えられるかな?』


魔神の言葉通り俺を覆う魔力の質と量が徐々に増していく、そして…


『なっ!そんな馬鹿な!?』


魔神が驚愕の叫びをあげた。


「やっと気づいたか」


『き、貴様、我が魔力を…』


「そう、吸収させてもらった、俺にこの程度の魔力が扱えないとでも思ったのか?

つまりお前が魔力を強めれば強めるほどお前は弱体化するだけだってことだ」


『人間風情が何故我ら黒き魔力を制御出来るのだ!?』


「さて、どうしてでしょうね?」


『くっ…』


魔神が焦った声とともに俺から離れてこの場から逃げようとする、まぁ逃げると言ってもここに本体は来てないので魔力の繋がりを断とうとしているだけだが。


『我に刃向かうに止まらず、我が至高の力を奪ったこといずれ後悔させてやるぞ人間!!』


と、言葉を置いて黒い魔力そのものがこの場から霧散した。


本体との繋がりが切れて、維持する力がなくなり霧散したのだろう。


まぁ、あの魔神は逃げ切れたと思ってるだろうけど、俺がただで返すはずもない、ちゃんとあの魔力を逆探知して発信源にマーキングをつけていますとも、はい。


「ふぅ〜、終わったな。

よし、帰るぞお前ら」


「「「……」」」


勢いで乗り越えようとしたのだが、どうやら無理だった様だな、お子様3人がジト目で俺のことを見ている、見ているだけで何も言ってこないのが逆に怖い、そしてネルヴィアは……


「さて、どう言う訳かしっかりと説明させてもらうぞソータよ」


と、その可憐な顔に青い筋を浮かべながら笑みを浮かべて俺を見ていた。


こんな時でもなければ、あっ名前を呼んだ、と言えるのだが、流石にそれを今言う勇気は俺には無かった。


次話54話は10月28日目 日曜日更新予定!!


少しでも『面白かった』『続きが気になる』と思ってくれましたら、


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これからもよろしくお願いします!!


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題名変更しました!


「伝説の吸血鬼となった商人は怠惰スローライフをお望みです」


そこそこ読める作品だと思うので是非読んでみてください!!

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