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無能と呼ばれた天才ゲーマーは異世界を好きに生きたい  作者: フウ
第2章 エラムセス王国編
44/111

41話 勝敗

「おぉ、結構広いな」


先行する赤髪王女について行って見えた訓練場を見て最初に出た感想がこれだ、て言うかコレ訓練所なんだな、俺はコロッセオか何かだと思たわ。


俺たちの目の前にはイタリアの首都ローマにあるアレと同じ様な建築物ががある、異世界にまで来てまさか地球のの世界遺産と同じ様なものを目にするとは思っていなかった。


まぁ、そのサイズさえ考慮しなければだけどね、俺はローマのコロッセオには行ったことはないがそれでもここまで大きくない事だけはわかる、だって多分直径500メートルはあるよコレ、流石はファンタジークオリティーだな、うん。


「あら、この程度で驚いている様ではやはり程度が知れますわね」


おっと嘲笑うかのように言われた、ちょっとムカつくな。


「いえ、まぁ国が保有している程度の物ではですけどね」


「そうじゃな、ソータが所有する敷地面積を合わせるとこの国の数倍はあるのじゃぞ!」


そして澄ました顔をした赤髪王女にヘルが得意げな顔でそう言い切った。


「よくもまぁそんな世迷言が言えますわね」


「まぁ、この子はまだ子供ですのでね」


よかったこの王女がヘルの言葉を間に受けなくて、もし間に受けられでもしたらそれはそれは面倒な事になった事間違いなしだったな。


俺がそう言って王女の話に合わせている後ろではヘルがミラとリーナに頭を叩かれていた、側から見たら小さい少女たちが戯れているように見えなくもない微笑ましい光景だが、その実は高位の魔物でも一撃で昏倒する程の威力が込められているので侮れない。


まぁ流石は竜王であるヘルと言ったところか、痛いのじゃと言っただけで特にダメージを負った痕跡もない、あの2人の攻撃?を受けて飄々としていられるのはこの世界にもそう多くない。


「ではこの場にて今より30分に決闘を開始するとしましょう」


何故そんな時間が必要なのかはわからないが、まぁそれぐらいは良いだろう、今日は前に冒険者ギルドの会議に参加した時のように早く帰りたい理由もないし、どちらかと言うとむしろ暇だからな。


そう言って、またもや王侯貴族どもを引き連れて去っていく王女、てかあの王侯貴族達はあの王女の金魚のフン状態だな、もしかして何処にでも付いて回ってるんじゃないだろうか?


「ソータ殿よ我が娘が申し訳ない」


王女と金魚のフン一行がこの場を離ると、国王が俺にそう謝罪して来た、申し訳ない、ねぇ。


「いえ、別に構いませんよ私もちょうど暇を持て余していたものでして、ちょっとした暇つぶしですよ」


本来なら王族にこんな口を聞くことは俺でもしない…多分しない、けど今はあの王女の表情にちょっとムカついているので気にしない。


俺がそう言うと国王の顔が少し引きつった、まぁこの国王もまさか冒険者が自分にそんなこと言ってくるとは思ってもいなかったのだろう。


その証拠にジークラスさんとエリナさんが今にも卒倒してしまいそうな顔色になっているのでまず間違いないだろう。


冒険者ギルドとしてはいくら独立組織で世界規模の組織とは言え三大国が一国であるエラムセスと事を構えるのは避けたいところだろう。


あの王女がさっき言ったように彼女がこの国で最も強いのなら、冒険者ギルドが確実に勝利するだろうがそれでも三大国と事を構える事は大き過ぎる痛手だ。


「しかし、こう言っては何ですが、我が娘であり第二王女であるアリスは確かな強さを誇っておるので気を付けてくだされ」


「ご忠告痛み入ります」


国王と話したり、その他の王族と話したりしていたらやっと30分が経ったらしくあのアリスと言うらしい王女が金魚のフン一行を引き連れて戻ってきた。


さっきまではその髪色と同じ赤のドレスを着ていた彼女だが、今は色こそ同じだが来ているものがドレスアーマーに変わっていた。


あぁ成る程、どうやらこの30分は彼女が装備を整えるための時間のだったのかだとしたら納得だな、と言うかよく30分で着替え終わったなあの王女。


「どうやらお待たせしてしまったようですわね」


そう言って俺の事を視界に収めた彼女は驚いた様な顔を作った。


「何故貴方は未だにその様な服装をしているのですか?

まさかその様な格好でこの私に勝てるとでも?」


かなり怖い目で睨んでくるなこの王女は、それにしても驚いたこっちの装備が整っていない事は計算済みだと思ったのだがどうやら違う様だな。


まぁ彼女がそう見える様に演技している可能性もあるが、今までの彼女の言動から彼女は真っ直ぐな性格をしているらしいのでまずそれはないだろう。


まぁ、何故こんな格好をしているのかと聞かれたら、次々と王族の人が俺に話しかけて来て着替える時間がなかったからだな。


「そうですね、敢えて言えば国王や王族の方々が次々と私に話しかけて来たからでしょうか」


「…お父様?」


俺がそう言うと、そう呟く様に言いながら国王を鋭い視線で睨む。


「私に他意があった訳ではない、そもそもお主のせいでソータ殿と会話を交わす機会が今ぐらいしかなくなったのだ」


「それは…」


うん、詭弁だな。


しかし、国王が言っている事はある意味本当のことでもあるので王女もある言い返せない。


まぁそもそも、30分程度でこの王女に住んでいるものならばまだしも、ここに住んでいるわけでも無い冒険者が拠点まで帰って装備を整えてくる事は不可能に近いのでは無いだろうか。


「ソータ様、本来冒険者は自身の装備は必ず持ち歩きます」


そんな俺の考えを知ってか知らずか、リーナがタイミングよく説明を入れてくれた、てかタイミング良すぎないかな?もしかしてリーナは俺が知らない未知のスキルを持っているのではないだろうか?


と、まぁ冗談はさておき今回はリーナが説明をくれたのでリエル先生は解説は必要ない。


(やりますね、しかしソータ様にご説明するのは私の役目、次は私が…)


リエルが密かにそう決意している事を俺はまだ知らない、そして今後リーナとリエルによる熾烈な戦いが繰り広げられる事も…


とまぁ冗談はさておきリエルさん落ち着こうか。


「では早速、決闘を始めましょうか」


「貴方は何を言っているのですか?その様な格好でこの私と勝負になるとでも思っているのかしら?」


まぁ、実際その通りなのだが、ここは彼女の顔を立ててあげる事をしよう、彼女はこの国で一番強いらしいし立場があるだろうからな。


「いえ、ご心配なさらずに」


俺は一度指を鳴らすと魔法を詠唱破棄で発動させる、使う魔法は、AWO時代から重宝されていた、通称お着替え魔法のメイクチェンジだ。


魔法の効果で一瞬のうちに俺の来ていた派手で動きづらいリーナがセレクトした謁見用の服装から、黒古竜を討伐した時のものに変わる。


因みに指を鳴らしたのはカッコイイからだ、誰だってやってみたいって思った事あるだろ?コレ。


「一体何が起こったと言うのですか!?」


その様子を見ていた王女が凄く驚いている、さらに言えば王女だけではなく国王や王族、貴族、ジークラスさんやエリナさんまでもかなり驚いている様子だ、まさか…


(この時代において、クリーンやソータ様が今お使いになったメイクチェンジなどの無属性魔法の中でも生活魔法と総称される魔法は周知されておりません)


やっぱりか、しかし何故こんなにも使い勝手がいい魔法が周知されていないのか?この魔法を知っていれば農民などの市民の生活も多少はラクになるだろうに。


「まぁ、これは私の秘伝魔法とでも思って頂けると幸いですね」


生活魔法が秘伝とか…まぁ今の時代には使える者がいないのだからあながち間違えでもないのだけど、それでも笑えてくるな。


「成る程、大口を叩くだけはある様ですわね。

いいでしょう、私も本気で戦って差し上げるとしましょう」


彼女がそう言うと、メイドが彼女に一振りの刀を差し出す。


「それは…」


「おや、おわかりですか?まぁ私の持つこの一振りは各国にまで名が知られている物ですからね、貴方が知ってるのも当然ですわね」


確かに俺はあの一振りの剣を知っている、アレは俺が昔、使っていた剣の1つで確か、大した物でもなかったから保管庫が一杯になった時、適当に造った迷宮に放り込んでしまった物やだ。


「コレはあの闘神ワールドが使っていたとされる物で、闘神様自らがお造りになった試練の迷宮から私が自ら持ち帰った物ですわ」


誇らしげにそう言う彼女。


「あら、かなり驚かれた様ですわね」


あぁ、驚いたよ、まさか俺が神になっているだなんて思ってもいなかったからな、それにあの適当に造った迷宮が試練の迷宮って…驚きすぎて何にも言えないよ。


「では早速始めるとしましょう、審判をお願いするわ」


「畏まりました」


彼女に答えるのはいつのまにかこの場にいた騎士団長だ、称号にそうあるのでまず間違いない。


「では、双方用意はよろしいでしょうか?」


「問題ありませんわ」


「私も大丈夫ですよ」


その答えに審判を任された騎士団長が一度頷く。


「では、始め!」


そう審判が合図を下すと同時に王女がこちらに向けて疾走してくる、まぁそれなりの速度は出てるんじゃない?


「つっ!?」


しかし、そんな彼女は突如としてその足を止めた。


戦場において足を止めることは死を意味することもあると言うのに全く何をやっているのやら。


まぁその原因を作っているのも俺なんだけどね、とは言ってもやっている事は単純、魔力を乗せた殺気を彼女に向けているだけだ。


それだけで彼女はまるで蛇に睨まれたカエルの様に身動き一つ取ることが出来なくなっているのだ。


「どうかしましたか?」


そして俺はそんな彼女に向かってそう和かな微笑む。


しかし彼女はそれに答える余裕もない、まぁ無理もない今彼女がこうして立ってられているだけで大したものだと思う。


今、俺が彼女に向けている殺気は黒古竜に向けていたものと同じ程度、まぁ魔力はだいぶ抑えているけどね。


「はっ、はっ、はっ、はっ」


しまいには彼女は身体中に汗を浮かべて目を見開き涙を流しながら過呼吸の様な状態になっている。


「ここまでですね」


俺が魔力と殺気をとくと、彼女はまるで人形の糸が切れたかの様に力なく、その場にへたり込む。


「審判さん、判定を」


その光景を唖然と見つめていた審判こと騎士団長さんに声をかける。


「しょ、勝者、冒険者ソータ殿」


そう審判の判定が響くがこのコロッセオ内は静まり返ったままの静寂を保っていた。


少しでも『面白かった』『続きが気になる』と思ってくれましたら、


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これからもよろしくお願いします!!


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題名変更しました!


「吸血商人は怠惰スローライフをお望みです」


そこそこ読める作品だと思うので是非読んでみてください。


*ちなみに題名は仮名なので変更するかもしれなれません。


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