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無能と呼ばれた天才ゲーマーは異世界を好きに生きたい  作者: フウ
第2章 エラムセス王国編
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39話 発見と日程

ダンジョンマスターについて説明しようと思う。


まずダンジョンマスターとは地下迷宮などの一般的にダンジョンと総称される物を創造及び継承した存在の事であり、それは人間だけとは限らない。


まぁ今この世界にあるダンジョンはAWOプレイヤー達が拠点として使うために作った物が殆どだから、大抵のダンジョンは人間が造った事になっている。


他のやつは運営がイベントなどで使うために作ったものでそこのダンジョンマスターがイベントのボスとなっている事がほとんどなので吸血鬼などがダンジョンマスターになっている場合が多い。


さてそんなダンジョンマスターだが、ダンジョンマスターにはいくつかの特権がある。


一つは俺がいつも活用しているようにダンジョン内に限り何処へでも転移できる事。


二つ目はダンジョン内のモンスター、つまりは魔物達に襲われるかどうか自分で切り替えることができるという事。


三つ目がダンジョン内にダンジョンマスターが指定した特定の人物が入る及び入っていた場合に感知することができる事。


主にこの3つがダンジョンマスターの特権になるわけだが、今回はこの3つの特権の3つ目、感知にある存在達がひかかった訳だ。


まぁ他にもいくつか特権と言えるものはあるがこの際面倒なのでまたの機会にさせてもらおう。


俺が今、指定している人物はそうはいない、AWO時代ならば俺以外のトッププレイヤー達を登録したりしていて結構な数がいたが今はそのプレイヤー達がいないのでたいした数ではないという事だ。


俺が指定している存在は、1つは魔王達で若い魔王でも軽く見ずにしっかり十柱全てを登録済みだ。


他には何柱かの危険な獣王。


そしてもう1つが俺の元クラスメイト達、つまりは勇者一行の事だ。


さてと、俺が勇者一行を感知登録している理由は1つ、迷宮内で遭遇する可能性が僅かでもあるからだ、恐らく勇者達は俺の事を死んだと考えている筈、国王もそう発表してたしな。


まぁ、あかりだけは別かもしれないけど、それでもアイツ1人が俺が生きていると言っても他の面々は、クラスメイトの死を直視できないんだろうな、と考えるのが普通で俺のことは死んだものと考えている筈だ。


それにもし俺がアイツらと遭遇して俺が生きていることが発覚すれば、何故姿を消したのかだの、一緒に戦えだの面倒なことになることは間違いない。


それにアイツらは魔王を倒すために召喚された勇者達で各国が支援しているという立場だ、つまりはそこそこの発言力はあるだろう、そんな奴らの要求を拒否でもしたらどんなに面倒なことになるのか……


とまぁそんな訳で俺はアイツらの事を感知登録していて今日ついに感知に引っかかったという訳だ、と言うよりも俺としてはやっと来たかと言った感じだけどね。


いや、だってここは世界最大の迷宮アビスだよ、勇者達や各国上層部がここに来てレベリングすると言う手段にたどり着かないはずがない、俺としてはもっと早い段階で来るだろうと思っていたから、やっと来たかという訳だ。


まぁ勇者達の他の連中はただ単に危険だから感知登録しているだけだけどね。


「また面倒なことにならないと良いけどな」


「どうかしたのか?」


俺の隣で小首を傾げているのはヘルだ、俺達の周囲では時折大きな爆発音や爆煙が上がったりしているが、会話に支障はないので気にしない。


「いや、ちょっと知り合いが迷宮に来たみたいでな」


「敵なら妾が始末して来るぞ?」


「いやいや、別にほっといていいからね、絶対に殺したらダメだからね!」


「む、そうか。ならそうするのじゃ!」


なんで俺の仲間にはこんなにも過激な奴が多いのか?前にミラとリーナに言った時には、面倒がおこらないうちに始末しては?と言われたほどだ。


魔王を倒すために召喚された勇者達を殺しちゃダメでしょ、と言ったらリーナが真顔でソータ様がいるのにそんな心配いりますか?と言われたのでもうどうしようもない。


全く、一体誰がどんな風に教育したらあんな発想になるのか、そいつの顔を見ていたいものだ。


えっ?俺だって、いやいやそんなはず無いでしょう、俺って平和主義者だしね。


ちなみにさっきから鳴り響いている爆発音の正体はミラとリーナが迷宮産の古竜と戦っている音だ、2人が戦ってレベリングているのにヘルが俺の隣で一緒にその様子を眺めている理由はヘルが俺たちの中で俺についで強いからだ。


古竜と一口に言ってもその強さは色々ある、例えばヘルとこないだの黒古竜とでは圧倒的にヘルの方が強い、それは戦闘経験値の差であり、生きた年月の差である。


そしてあの黒古竜はミラとリーナが2人掛でもよくて相打ちに出来るかどうかの強さがあった、よって俺たち4人の中でミラとリーナは、俺とヘルに比べて大幅に遅れていると言うことになる、だから2人は毎日古竜と戦って少しでも強くなってもらっているという訳だ。


今の2人が勝てるのは古竜の中で下の上と言ったレベルまでだ、ちなみにヘルは上位も上位の最上位の一体だ、そんな存在に喧嘩をフっかけてしまったあの黒古竜も可哀想だな。


古竜の中でも特に永い時を生き、特に強い7体の古竜、その7体は世間では竜王と呼ばれていて、龍王アヴァロスや魔王達と並び称されて恐れられている。


ヘルはなんとそんな竜王のうちの一体だった、俺もそれを知った時はかなり驚いたものだ、何せあんな形で竜王の一体とエンカウントすると誰が思うだろうか?


まぁヘルの話は置いておいて、この迷宮アビスに勇者一行が現れたということはアイツらは今、メビウス帝国にいるということに他ならない、まぁメビウス帝国とは全く関わりがないので俺の事がバレることはまずないだろう。


つまりアイツらをほっておく事が今の俺に出来る一番の事だ。


よしアイツらの話はお終い、今はそんな事より国王との謁見とそれまでの間、ミラとリーナのレベリングの方が遥かに重要だからな。


その時、ミラとリーナと戦っていた古竜が最後の断末魔をあげながら地に伏した。


「よくぞやったのじゃ!」


ミラとリーナに向かって賞賛を送った後にヘルは今の戦いの反省点などを羅列していく、このところヘルは2人の師匠とかしていたまぁ俺が教えるより子供っぽい表現をよく使っているし、それでいて知識も多いので専門的な事もしっかりと教えているので、ヘルは2人にとても慕われている。


もしかしたら俺よりも慕われているかもしれない、まぁ俺より教えるのが上手いし、俺の負担も減るので別にいいのだけどね。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



あの後、食事をとっていつものようにベッドで睡眠をしっかりとった。


昨日の晩飯はミラとリーナがレベリングで倒した古竜を使った鍋だった、勿論、絶品で至福の時間だったことは言うまでもない。


朝はなにかと思ったら、古竜の肉を使って作ったハムを使ったサンドイッチでこれまた絶対だ、もし売り出せば一財産を瞬時に気づくことができるだろう味だった。


冒険者ギルドの扉を開くと、一斉に視線が俺たちに集中するが、昨日の出来事が広まったのか俺たちに絡んで来る奴らは皆無だった、まぁ探るような視線を向けて来るやつは何人もいたけどね。


「ようこそ冒険者ギルドへ、本日はどう言った御用向きで御座いますか?」


俺が受付に向かうと受付嬢が微笑みを浮かべながらに聞いてくる、冒険者ギルドの受付嬢は綺麗どころを揃えているので、とても絵になるな。


ちなみに冒険者ギルドの受付には2種類あって冒険者が依頼を受注したり完了報告したりする冒険者専門の受付と、ギルド自体に用事がある者が使う受付がある。


後者を使う場合は大抵が依頼を出す事、例え冒険者が他の冒険者に依頼を出すとしてもここで通す必要がある。


「はい、冒険者ギルド総師であるジークラスさんと面会したいのですけど」


俺がそう言うと受付嬢の顔が少し引きつったようになる、それもそうか、何せ俺たちは女子供の集団だそんな集団が総師と合わせろと言っていいるのだ、怪訝に思うのも無理はない。


「では、招待状もしくは面会状をお持ちですか?」


それでもこうしてちゃんと対応してくれることにはとても好感が持てる。


「招待状や面会状は無いですけどエリナさんを呼んでいただけないでしょうか?」


本来ならここで冒険者カードを出すだが、今はエリナさんに渡して返してもらってないので出すことは出来ない、まぁ今持っていても高位ランクになってないから意味ないんだけどね。


「少々お待ちください」


そう言った一礼し受付嬢は奥に入って行った。


「どうかしましたか?」


しばらくすると、さっきの受付嬢とともにエリナさんがそう言いながら登場した。


「昨日ぶりですねエリナさん、昨日ジークラスさんに明日来るようにと言われたので来たのですけど、ジークラスさんと面会は出来ますか?」


「えっ!ソータさんじゃないですか。おかしいですね貴方が来れば奥へ通すように行っておいたはずなのですが」


そう言いつつ受付嬢の方を見るエリナさん…目が、目が怖いよ!怒ってる人の目だよこれ。


「も、申し訳ありません!エリナ様!」


そのエリナさんに平謝りする受付嬢さん。


「貴方は確か今日から新しく入った新人ですね、ですけど新人だからと言って特別扱いという訳には行きません」


何だか、受付嬢が可哀想に思えてきた、新人なのだったら俺のことを知らなくとも無理はないしな。


「まぁ処罰はしないであげてください、俺たちの見た目はこんなですしね、訝しむのも無理はありません。

現にアストラルの受付嬢はそんな態度で接してきましたしね。

けどこの方はこんな見た目の俺でもしっかりと対応して来れましたし、それに新人なら仕方ないですよ」


「そ、そうですか、当事者であるソータさんがそう言うのならば、今回は特例として処罰はしません。

けれど今後はこのような事がないように。」


「はい、すみませんでした」


そう行って頭を下げている受付嬢を後にして俺は3日連続でジークラスさんとの再会を果たす。


総師室に入って昨日と同じようにジークラスさんに、すすめられるがまま昨日と同じソファーに腰掛けてすぐにエリナさんが紅茶を出してくれた。


「皆さん、これを」


そして差し出されるのはランク更新された俺たちの冒険者カードだ、それを俺たちはそれぞれ受け取ると軽く中に放る、すると冒険者カードが綺麗に消滅した。


まぁ本当に消滅したわけではなくてアイテムボックスに入れ直しただけなんだけどね。


「儂は何を見ても驚かんぞ」


その様子を見てジークラスさんが目を丸くして呟くように言った、エリナさんはいつもと変わらない表情だが、少しだけ驚いたような様子だ。


「それで、ジークラスさん日程を聞いてもいいでしょうか?」


「おぉ、そうじゃった。

国王陛下にソータ殿が謁見に応じると報告したところ、謁見の日時は2日後に決まった。

まぁソータ殿達がその日程で良いのであればじゃかな」


「ええ、俺たちはその日程で構いませんよ」


「それは良かったわい、では国王陛下にはそのように伝えておくのですじゃ」


「よろしくお願いしますね」


それから俺たちは少し世間話をしたのちは王都を散策してアビスに帰った。


明後日まではレベリングを辞めて王都を散策でもして楽しむ事にするかな。


次回40話 9月8日・9日のどちらかに更新予定です。



少しでも『面白かった』『続きが気になる』と思ってくれましたら、


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これからもよろしくお願いします!!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


題名変更しました!


「吸血商人は怠惰スローライフをお望みです」


そこそこ読める作品だと思うので是非読んでみてください。


*ちなみに題名は仮名なので変更するかもしれなれません。

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