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無能と呼ばれた天才ゲーマーは異世界を好きに生きたい  作者: フウ
第2章 エラムセス王国編
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38話 昇格

アホみたいに長い手紙の内容を要約するとこうだ、


・古竜を討伐し、国を守ってくれてありがとう


・是非、話して見たいので招待させてくれ


・この国に永住する(貴族になる)つもりはないか


・婚約者はいるのか


とこの4つだ、たかだかこれだけの内容を伝えるためにこんなにも長々と字を書く必要がどこにあると言うのか。


まぁ体裁を取るためには必要だと言うことも理解できる。


言っていることが矛盾している事は分かっているがそれでも面倒なものは面倒だ。


しかしまぁ一国の王族と面識を持っておくこともまた面倒ごとを少なくする方法の1つでもある。


いくら貴族でも公爵とかじゃない限り王族と懇意にしている者を軽率に扱うことはできないだろうしな。


しかしデメリットもある、それは国王もしくは王族が俺たちを利用しようとしていた場合だ。


例えば戦争や政治の道具にしようとしたり、面倒ごとを押し付けて来たりとかな。


まぁその時はこの国との縁を切ればいいだけだから特に困ることもない。


「国王が俺たちに会いたいそうだ」


「まぁそうでしょうな」


ジークラスさんも予想はできていたようだ、もっとも、この程度の意味がわからないようであれば人の上に立つ資格などないに等しいと思うけど。


「でもご主人様、国王あってしまったら面倒なことになるんじゃない?」


「国王と会うと言うことは王族、貴族と関わりを持つと言うことに他なりませんし、ソータ様のお力を知れば利用しようとする輩が現れるかも知れない可能性はあります」


ミラとリーナが俺の危惧する面倒ごとに発展するかも知れない可能性を示唆するが、今回はそれでも国王と会う事のメリットの方が大きい。


「まぁ、2人の言う事は尤もだが今回はこの招待に応じようと思う」


余談だが、国王が一般市民を招待する事はまずあり得ない。


貴族でもよっぽどの存在でない限り招待でなく招集などの命令が下されることになる。


しかしそれには1つの例外がある、それが冒険者だ。


そもそも冒険者とはどこの国にも属していない存在であり冒険者たちが属しているのは冒険者ギルドという組織に対してになる。


確かに国に勤めながら冒険者をやっている者もいるが、それはかなり稀なケースだ。


そして冒険者はどこの国にも属していないが故に権力という者を本来持ち得ていない、勿論ギルド内は別としてだ。


しかし本来持ち得ていないはずの権力を持つ冒険者は確かに存在する。


それは冒険者ギルドと言う組織の特殊な立ち位置が生み出すもので、例えば、


ある国を拠点としているSランク冒険者がいるとする。その国の領土内で大きな災害が起きた時、その冒険者は依頼を受けると言う形でそれを救ってくれる。


しかし、それがいつもとは限らない、何故ならば冒険者はその国に属しているわけではないのだ。


国王の命令であってもそれを遵守する必要は冒険者には無い、と言うよりは拒否権を持っていると言った方がいいか。


地球でも言えることだが、例えば違う国の大統領がお前の国の総理大臣を殺せと言われて、はいわかりましたと言うだろうか。


まぁ当たり前だけど法は守らないとその国から追い出されることになるけどな。


しかも、冒険者はその国に属していないが故にいつでもやろうと思えば拠点として使う国を変えることができる。


するとどうだろうか、高圧的に命令してくる貴族などがいて住みにくい国に冒険者が居たいと思うだろうか?


普通はそうは思わない、その国よりも条件のいい国に拠点を移した方が確実にいいと考える。


すると冒険者はその国からいなくなりSランク冒険者でも無ければ討伐できない魔物なんかが出た時にその冒険者が居ないと言うことになり得る。


だからこそ冒険者の発言力は強くなるし、貴族や王族もなるべく親しみを持って接しようとする。


まぁこれは高位の冒険者であって、新人冒険者には関係のない話だ。


冒険者は全員、新人や下位の冒険者も含めて、ギルドによってその権利をある程度保護されている。


ギルドも高位冒険者と同じようになくなられては国としては痛すぎる損失だからだ。


それに冒険者であれば1人もしくは1パーティーいなくなってもどうにかなるかも知れないが、ギルドが無くなれば全ての冒険者が居なくなると言うことになる。


まぁ依頼で来ている冒険者もいるだろうから常駐している冒険者ではあるが、その冒険者が居なくなればどれだけの損失が出るか計り知れない。


何せ街や村の周囲の魔物たちを定期的に狩っている冒険者居なくなれば、その役割は軍や騎士が担う事になる、そうなれば軍事費がどれほどのものになるのか想像できないバカは流石に居ないだろう。


「それに2人の言う面倒なことになれば拠点を変えればいいだけだしな」


「そ、それは」


俺の言葉にジークラスさんとエリナさんの表情が強張るのが見て取れる。


さっきも言ったように拠点を変えれば理論上は国を出る事は容易だ。


しかし上位冒険者はそれなりの立場にあるものが多い、例えばクランのリーダーだったりとかな。


だけど、俺はそうじゃ無い俺の仲間はここにいる3人だけだ。


「では取り敢えず国王の招待には応じようと思います、この手紙には日時が書かれて居なかったので後日また連絡してください。

2日に一度はギルドに顔を出しますので」


「うむ、わかった。

では次に、お主たちの昇格の件についてじゃが、まずソータ殿お主はSSSランクに、ミラ殿とリーナ殿はSランクに昇格でどうじゃろうか?」


「えっ!?」


ジークラスの言葉に俺は思わず声を上げてしまった。


「どうなされた?」


「いえ、まさかそこまで一気にランクが上がるとは思って居なかったものでしてね」


本当に驚いた、部屋の中に微妙な空気が流れるが仕方ない、たかだか古竜1匹討伐しただけでまさかSSSランクにまで上がるとは全く想像して居なかった良くてSランクの程度だろうと思っていたらジークラスさんのまさかの発言だそれは驚きますよね。


「ご主人様、私達以前にも言いましたよね」


ミラがそう言ってくるが、何のことか…いや、待てそう言えばスタンピード計画のことを話した時にミラとリーナから古竜を倒すにはSSランク以上が必要とか言っていた気がする…


あの時は適当に聞き流していたがまさか本当にこんなことになるとは思いもしなかった。


うん、人の話はしっかりと聞かないとダメだな。


「すみません、我々はその判断で結構ですよ」


「でしたらそのように変更させていただきますので冒険者カードを預からせて頂きます」


そう言うエリナさんに俺たちは冒険者カードを差し出した、それを受け取ったエリナさんは冒険者カードを手に部屋から出て行った。


「ではソータ殿また明日にでも来てくだされば冒険者カードの返却と謁見の日時を伝えさせるということで良いかの?」


「ええ、それで構いませんよ、では我々はこれで失礼させてもらいます」


俺たちはそう言って部屋を出て行った。


しかし国王と会うとなればこれまたそれ相応の格好というものが必要になるな、計画の時も言ったが、格好が変だとそれだけで面倒ごとを抱え込むことになる。


今回だと、そんな格好で王に会いにくるなど何事かなどと絡んでくるやつがいるかもしれない。


国の上層部は冒険者に懇意に接しようとするが、行政に直接関わっている大臣などとは違う貴族たちはプライドが高く冒険者を毛嫌いしている傾向にある。


その貴族どもの冒険者に対する態度に国の上層部がある頭を抱えることも珍しく無い。


あっ、これは勿論リエル情報だからね、まぁ何度も言うがリエルが知っているイコール俺が知っているだから俺が知っている情報といっても過言では無いけどな。


「服といえば」


服を買うといえば俺はあの店しか知らない、勿論あの店以外にもいい店は沢山あるだろうけどそれでも以前の店主の対応は評価に値したしそれに対する俺のイメージもいい。


よって今から行く店はあの時の店に決定だな。


そう言えばあの時にいたバカ貴族はどうなったのだろうか、それとブタ貴族は謁見の時いるかな?


そんなことを考えながらヘルに聞かれる質問に答えつつ歩いているとあの服屋が見えて来た。


よくよく見てみると、店の名前はアウレーニスと言うらしい、まぁ店の名前なんて意味がないものも多いので気にしないが。


「よし、じゃあここで謁見の時に来て行く服を買うぞ」


それを聞いた3人の表情がパァーと明るくなったのが目に見て取れる、やっぱり3人も女の子だな、こう言うのが好きなのは変わらない。


「王族と会うんだ、それなりの格好で行かないとダメだな。

よしここは一つリーナにコーディネートしてもらうとしよう」


「お任せ下さい!!」


俺たちの中、貴族社会について詳しいのはリーナだけだ、俺も多少の事は知っているが今の貴族社外のドレスコードがどんなものなのかなんて知っているはずもない。


まぁリエルに調べさせれば一発でわかるが、こんなにも楽しそうにしているリーナに水を差すのも無粋だろう。


今回は俺たちの4人揃って店の中を物色しそれぞれが好みの色などをリーナに伝えて、それを考慮した上でリーナが各々の服を決めて行く。


そして、数時間という時間をかけて俺たちの衣装が決定した。


ヘルはその白い髪と同じ純白に金の装飾が入ったワンピースを基調としたドレス。


ミラもその髪と色でヘルとは対照的な黒を基調としているドレス。


リーナは2人とは打って変わって黄色を基調として作られたドレス。


そして俺は黒を基調として作られたまさしく貴族と言えるような服装の上に今度は白い羽織を羽織るといういかに面倒な格好の服をリーナがセレクトしてしまった。


リーナ曰く、俺がこの中で一番たちがが上なのだから絶対に侮られるような格好ではならないそうだ、まぁこの格好で行けば貴族たちも俺の財力を理解できるだろうし、ギルドカードを出せば俺たちの力も理解できるだろう。


その後に幾つかの、装飾品を同じようにリーナが各々の格好に合うようにコーディネートしたものを購入し宿屋に帰ったのち俺たちはアビスへと帰還した。


それにしてもこれでまた、明日、冒険者ギルドに行かないとダメになってしまった、まぁ行くと言ったしまった以上は仕方ない事だけど。


その後はいつもと同じようにアビスの魔物たちでレベリングをする予定だったがここで俺がアビス内にある存在を感知した。


少しでも『面白かった』『続きが気になる』と思ってくれましたら、


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これからもよろしくお願いします!!


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題名変更しました!


吸血商人は怠惰スローライフをお望みです


そこそこ読める作品だと思うので是非読んでみてください。


*ちなみに題名は仮名なので変更するかもしれなれません。

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