04話 動き出す歯車
加筆・修正致しました。
とは言ってもクラスなどの説明を付け加えただけなので、今後の展開に変化はありませんのであまり気にしないでください。
おいおいまじかよ中村のやつチートの権化じゃねぇかあいつが勇者ってのはまぁわかるが、なにあのスペック?!
各ステータスが200であの技能の数、あんなの完全に怪物くんだわ…
と、普通の奴は思うんだろうなぁ。けど俺からしてみればクラスが勇者にしては弱いなと言った程度だ、技能の数も多少多い程度、まぁしかし殆どの場合、全ステータス10で始まることから考えれば今の時代では十分化け物と言えるレベルだろうな。
「じゃあ次は私ね!」
と広瀬がいい始まった中村以外のクラスメイト達のステータス発表、今の俺のステータスと比べると確かにチート集団だった、全員が統一ステータスで始まるクラス以外のレア職だったな。
特に仲良し四人組は凄かった、中村の勇者に始まり、
広瀬の守護者、坂本の戦王、北山の賢者と神職のオンパレートが揃っていた。
さてと、最後は俺の番かまぁ仕方ないここは素直に見せた方がいいだろう。
今までの全員がチートと呼べるレベルだったからかゾルフ団長はホクホク顔だ、そんな中俺のステータスプレートを公開するのはやり難いが、俺は素直に公開した。
その映し出されたステータスを見てクラスメイト達が浮かべる表情は侮蔑、ついでに言うと村本先生までも
同じような顔をしていた。唯一、北山が心配そうな表情を作ったが、それに気付くものは居ない。
「あははは!雑魚じゃんか司波ぁ」
「ぶっはははっ~、一般人と変わらないじゃんか!」
「さっすが!いつも寝てる天才君は違うねぇ」
とクラスメイトの数名が笑い声を上げながら、俺に見下すような目を向ける、まぁ学校で友達を作ろうなどとはしなかったしこの状況でのこいつらの反応はこんな物だろう。
「皆んな!辞めてよ、司波君も同じクラスメイトでしょ!」
と北山が悲痛そうに声を上げたことによって俺を嘲笑っていたクラスメイト達が静まり返った。
「大丈夫?こんなの気にしないでね」
とこちらに気を遣ってくれる北山、こいつはいい奴なのだが、この状況でそれを言っても普通は辛いだけだと思う。
「ああ、ありがとう北山さん、別に気にしてないよ」
と俺は落ち着いた声で返事を返した、そしてゾルフ団長に質問を投げかけた。
「ゾルフ団長、俺のクラス遊戯人ってのはどう言ったクラスなんだ?」
この質問には、言葉どうりの理由はない、と言うのもどう言ったクラスかなんて知っているからだ、俺が確認したいのはそれとは別にある。
「あ、ああっとな遊戯人ってのは、意外とって言うか、途轍もなくレアな職だな……
遥か昔には居たらしいが、俺も見るのは初めてだ」
そこでゾルフ団長は言葉を切る、するとその言葉を聞いたクラスメイト達からざわめきが起きた。
「…が、特に強いわけでもねぇ、途轍もないハズレクラスって呼ばれている職だ、クラスによる補正も何もねぇしな。
まぁ、なんだ、クラスチェンジしな」
そう言ってゾルフ団長の説明は終わった、そしてまたもや、俺に侮蔑の目を向けるクラスメイト、まぁそんな事はどうでもいい。
てか、それって俺以外だと結構…と言うよりも不可能なんじゃね?
まぁ、取り敢えずこれでこのクラスについての情報が大体把握出来た、まぁこのクラスがこんな認識にされるのも無理はないだろうな。
それに別にその認識が間違っている訳でも無いしな。
そもそも遊戯人ってのは、AWOのランキング最上位プレイヤーに運営から送られた称号みたいなものだ。
確かにクラスによる補正は存在しないな、逆に言うとクラスによる縛りが何も存在しないと言う事になる。
例えば、中村の勇者は、技能は増やせても魔法属性が火・水・風・聖の4つである以上、それ以外の属性魔法が使える様になる事は無い。
まぁ、その為のクラスチェンジなのだが、クラスチェンジすれば、それまでのステータスを引き継ぎ違うクラスのステータスを上書きすることが出来る。
けど、それを行う為にはまず、現在のクラスでレベルを一定値である100まで上げる必要があるのだが、その点、遊戯人は制限がないのでクラスチェンジする必要は無いと言うわけだ。
まぁ、そんな事が言えるのは元々力があった最上位プレイヤーだからであって、初心者がこのクラスを持ったとしても死にクラスになるのは容易に想像がつくが……
だって、他のクラスと違い補正が無く、制限は無いとはいえその分、技能やら魔法を獲得するのは困難を極めるからな。
「成る程、ありがとうゾルフ団長、まぁ暫くはこのクラスで頑張ってみるよ」
そう言って俺はクラスメイト達の目が向けられる中最後尾まで下がった。
「さてと、じゃあお前達には、戦闘訓練を受けてもらう事になる。
が、今日はこの世界に来て色々思うこともあるだろう、訓練は明日からにするので今日はゆっくりと休むといい」
全員の確認が終わった後、ゾルフ団長はみんなの前でそう言った、まぁもう太陽も傾いて来ているから結構いい時間だったんだろう。
その後、俺たちは王城の中にある個室へと案内された、1人につき一室、個室が与えられた。
部屋の内装は豪華に飾られ、天蓋付きベッドが置かれているのに愕然したのは俺だけでは無いだろう、ゲーム内ではよく見たことがあったが現実では見たことの無いような何処ぞの高級ホテルみたいな形容になっている。
まぁ、対外的に勇者一行に対し、形式を重視しての事だろう。
しかし、確かに今日は疲れた、仲良し4人組がAWOに招待されると言う衝撃発言から始まり、突如たとして異世界に召喚され、その異世界はAWOの未来の世界ときたもんだ。
AWO時代と比べれば普通だが現代ではあり得ないチートの塊のクラスメイト達に1人無能な俺、正直疲れた。
まぁ、明日からの訓練はどうにかしないとな、どうしたものか…
そんな事を考えながら俺の意識は深い暗闇に包まれた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翌朝、目が覚めた俺は身支度を整えて部屋を出た、真っ直ぐ向かった先は、昨日教えてもらった部屋の一つであるゾルフ団長の自室だ、扉をノックすると中から返事が返ってきたので扉を開けて中にはいる。
部屋の中は意外にも整理整頓されていた、壁際には本棚が置かれ幾多もの本が置かれている、部屋の奥には執務用の机と椅子が置かれ、その前にはローテーブルと、それを挟むようにソファーが置かれていた。
「失礼します」
俺はそう言っておくの椅子に腰掛けるゾルフ団長に一礼する。
「おう、なんのようだ?司波」
「はい、実はですね、昨日あれから考えたのですが、俺に訓練では無く読書の時間を頂きたいと思いまして」
すると、ゾルフ団長はニヤッと笑みを浮かべる。
「ほう、何故だ?」
「簡単な事です、現在の俺はこの世界での普通の一般人と同等程度、いえレベル的に見て弱いと言えます。その点、他のクラスメイト達はまぁレベル1の状態から化け物揃いですが、俺は違う。
そんな状態じゃあ、あいつらの訓練にはついていけないでしょう、それに何かの拍子に死ぬかもしれない、
だとしたらまずは、情報、知識を集めてからやり方を考えようと思いました」
「ククク、まぁその答えは正解だな、お前が来なければ俺が言いに行こうと思ってたんだがな。
いいだろうお前は特別に訓練を受けなくてもいい、が今日から一ヶ月後この王都の近くにある迷宮に遠征に行く予定だ、それには参加してもらうぞ」
「わかりました、ありがとうございます。
まぁなんとか一ヶ月後には自分の身は自分で守れる程度には慣れるように頑張りますよ」
そう言って俺は部屋を出た。
さてと、取り敢えず第一段階はクリア、だなここからの作業は2度目だが、これから忙しくなりそうだな…
そんな事を考えながら俺は自分に与えられている部屋へとはを進めた始めた。
◆◇◆◇◆
時間は少し戻り、司波 翔太達がステータスプレートの説明を受けていた頃…
…1人の青年が椅子に腰掛け、窓から外に広がる絶景を眺めながら物思いにふけていた。
その人物は、金の瞳に白い肌、黒く美しい黒髪をしており、見るものの目を釘付けにするような魅力を放っている。
普段他者を圧倒する力強い眼光を放つ金の瞳、そんな目には喜びの色が溢れ、自ずと涙が零れ落ちる。
彼はその涙を強引に擦り、窓の外に向けられた視線その大きな窓から覗く、青い空へと移す。
「長かった、やっと、やっと、この時が来たのですね…」
ポツリと呟かれたその言葉には溢れ出さんばかりの歓喜に満ち満ちていた。
「何としてでも探し出さねば…」
そして、長年沈黙をし続けていた強大な力が今動き出す、自らが大切に思うもののために。
彼の名は龍王アヴァロス、古き世界を知る者。
少しでも『面白かった』『続きが気になる』と思ってくれましたら、
下記の評価ボタンを押して頂けますと嬉しいです。
https://ncode.syosetu.com/n3366eo/
↑「最強神サマ異世界生活〜最強からの最弱転生〜」の方も是非読んでみて下さい!