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無能と呼ばれた天才ゲーマーは異世界を好きに生きたい  作者: フウ
第2章 エラムセス王国編
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36話 会議?

それにしても話し方が違うとは一体どう言う意味なのか、ヘルの話し方は初めからこれだった気がするのだが、それにキャラ作りってもうちょっといいようがあるように思うんだけどな。


「それで、俺たちに聞きたい事とは?」


このままでは話が一向に前に進まない気がするので俺から話題を切り出すことにした。


すると彼らは皆一様にジークラスを見る、どうでもいいが質問をするのならば早く終わらせてほしい、これが早く終わればそれだけ早くミラの料理を買う事ができると言うわけだしな。


今日はヘルが仲間になった事を祝って盛大にするらしいし、何より今日のメインは古竜の肉だ。


古竜の肉は偉大でそれはもう素晴らしい、俺が焼いても食えるレベルに仕上がると言えば古竜の肉が如何に偉大か伝わるだろうか?


そんな素晴らしい古竜の肉だと言う素材をミラが腕によりを掛けて料理するのだ、これで楽しみに思わない奴がいたら、ぜひ俺の前まで来ていただきたいものだ。


「ではまずはじめに、先程お主らがヘルティア殿と話していた話のことを聞きたいのじゃが」


「まぁそれならいいですよ、今回のスタンピードは特異でしたからね」


「その通りじゃ、本来スタンピードに古竜が現れる事すら稀、それも2体も現れる事が確認されたのは今回が初めてでの、何故そのような事態になっのか、何故あの場には黒き古竜とヘルティア殿との2体いたのか今後の対策のためにもその理由が知りたい」


「そうですね、ヘルがあの場にはいた理由はゲームだそうですよ。

たまたま黒古竜に絡まれたから返り討ちにしてゲームのキャラの一つとした、そしてそのゲームで暇つぶしをするためにヘルもあの場には行った。

それがあの場にヘルもいた理由ですね」


俺がヘルから聞いた事はこれだけだ、他にもそもそもスタンピードが発生した理由も知っているが、それを教える筈もない。


「儂らもヘルティア殿からゲームとだけ聞いていたが、そのような理由があったとは…」


「しかし、あの黒き古竜も要らぬ事をやってくれたものですな」


「そうですね、あの黒き古竜が余計な事をしなければここまで事は面倒になってはいなかったかもしれませんからね」


ジークラスさんの後に次々に言葉を発するギルド重鎮たち、そしてその中には余計なこと、などと言って俺やヘルを軽く睨んでいるような奴までいる、まぁいちいち気にしていたらきりがないので気にしない。


「で、他に何か質問はありますか?」


「儂が最も知りたい事は、お主らが何者かと言う事じゃ」


やっぱり来たか、そりゃいきなり空から乱入して来たら誰でも思うよな、俺でも思うし、けどそれを正直に教えるはずが無い、それをやると余計に面倒なことになる事は目に見えている。


「何者か聞かれれば、ただの新人冒険者と、しか答えられないですね」


「ただの新人冒険者が古竜を単独で討伐できる筈もないでしょう」


そう俺の発言をキッパリと否定してくれたのは冒険者ギルド副総師にして総師補佐のクラウスだ、俺の目から見て彼は今ここに集まっているメンツの中ではかなり出来るようだが、それでもAWO時代の高レベルプレイヤーが数多くいたあの時代のレベルと比べるとどうしても霞んでしまう程度ではあるが、それでもこの世界においては高位の者なのだろう、まぁお前が欲情していたヘルの記憶は後でキッチリと消去させて頂くがな。


「そうですか?古竜を単独で撃破できる奴はそれなりにいると思いますけど」


「いませんよ!単体で魔王とやり合える古竜ですよ、そんな古竜を単独で討伐できる者なんてそうそういるわけないでしょう!」


「古竜が単体で魔王とやり合える?クラウスさん貴方は本気でそう思っているのですか?」


「一般的にそう言われているまでです」


「そうじゃな、儂が昔、屠ってやった魔王と互角、いや今回の古竜の方が確かに強かっただろうな」


クラウスとジークラスさんの言い分にこの場の重鎮たち全員が同意するように頷くなりの反応を見せる。


そう言えば確かにあの爺さん昔、魔王の一柱を倒してるんだっけか?


でも倒したと言っても所詮は新人の魔王だろう、俺はあ爺さんの実力がどれ程全盛期から衰えているかは知らない、例え爺さんが昔は今の100倍強かったとしよう、それでもあの爺さんが古参の魔王たちに勝つところが想像できないし。


今の俺でも古参の魔王と戦うことになれば本気で事に当たらねばならないほどの強者たちだ、それも昔、つまりはゲーム時代からさらに強くなっていなければの話だが。


余談だが、AWOに出てくるキャラはプレイヤーのアバター以外は全て人工知能やらで構成されたNPCみたいな扱いだった、人工知能を用いてるので出てくるギャラクターたちは全て敵キャラも含めて自身で思考しする、それがAWOの人気の一つでもあったのだが、こんな事ができたのは、世界トップゲーマー達しかログインすることが出来ないように記載されていたからに他ならない。


今にして思えば、別の世界を作り出してあるようなかなりのオーパーツだったと思うのだが、何故当時はそれに気がつかなかったのだろうか?


取り敢えずそんなAWOの世界でも古参の魔王、俗に言う真なる魔王と呼ばれる奴らは俺でもソロ討伐が出来ないほどに強かった、だからこそ俺は自立思考するNPC魔王達に何故かつきまとわれたりしたわけだ、本来なら討伐したかったが出来なかったので仕方ない。


それでも相打ち程度なら頑張ればどうにか出来たが、兎も角、真なる魔王は設定上存在するだけでゲーム内では誰も手を出すことが出来ないほどの謂わばお飾りでつけられた絶対的ボスとして存在していたわけで、そんな奴に古竜如きが叶う筈もない。


俺はそんな真なる魔王に挑んでなりに粘って負け気味のドローに持ち込みましたが何か?


ちなみに、新人魔王や新たなる魔王は謂わば四天王とかそんなイメージです、はい。


真なる魔王に手が出せない腹いせに古竜や新人魔王はかなりのプレイヤーから叩かれていたな、ご愁傷様。


余談はおしまいにして、つまり何が言いたかったのかと言うと、この人達は真なる魔王の事をわかっていないと、言う事だ。


しかしこれを一々説明するのも面倒だし、その事を説明してやる義理もない、今まで知らずにいたのなら知らない方が幸せというものだ。


「貴方方の魔王に対する認識はわかりました。

けれど、俺が言えるのはただ単に古竜を単独撃破可能な実力を備えた新人冒険者だという事です」


「む、ではそこのお嬢さん2人はどうなのかな?どうやってその年であそこまでの実力を身につけたのです?」


俺自身の事をこれ以上聞き出すのが無理だと判断したのかミラとリーナの事に話を変えてきた、冒険者の強さの秘訣を聞くなんてどうかとは思うが、これは正直に答えよう。


「この2人は俺が鍛えました、それだけです」


ズバリこれだけだ、実際この2人が強いのは実力に見合った敵と安全な環境で戦い、時には単独でアビスに放り込んだらして鍛えたからだ、勿論2人には言っていないがアビスに放り込んでもしもの時は強制的に居住階層まで転移するようにしていたが。


それを教えては訓練の意味がないので教えない、本番と同じ緊張感でのレベリングも重要なのだ。


「一体どのような方法で鍛えればあそこまで強くなれると言うのか?」


「何か他に方法があるのではないか?」


「しかし、他の方法とは?」


俺の言い分に好き勝手言ってくださるギルド重鎮の皆さん、まぁ信じないならそれはお前らの勝手だ、俺は本当のことしか言っていないし、これ以上詳しく説明する気もない。


「それで他には何がありますか?」


「何なのだね、さっきから黙って聞いていれば新人冒険者風情が!」


「そうだ、本来ならお前の様な者達が本来、各主要ギルドマスターと総師様方のみが参加できる会議だぞ!」


「本来ならば我々ですら出席する事が許されない会議にお前なんぞが参加できただけでも有り難く思えんのかね?」


その俺の言葉にキレ気味にそう声を荒げたのは各ギルドマスター達の背後に立っている奴らで恐らくは、と言うよりもこの場合、確実に副ギルドマスター達だろう、そして今日あの場にいなかった者達だ、リエルに確認済みなのでまず間違い無い。


そしてそれを聞いて少し気を悪くした様に態度に出すヘル、それを見た総師やギルドマスターの面々が青くする。


以前、高圧的で偉そうだったアストラル王国王都支部のギルドマスターも顔面蒼白になっておどおどしている、様は見ていて傑作だな、うん。


ハッキリ言ってあのギルドマスターの顔はあんまり覚えていなかったが、俺には頼りなるリエルさんがいるのだ、俺が覚えていなくてもリエルが覚えている、そしてリエルは俺の力なので、謂わば俺が覚えていると言ってもいいのだ。


ここはおどおどするだけでなく、キッパリと言ってやって欲しいものだが、言えないならば仕方ない、俺が言ってやろう、そしてそれをダシに使って早くこの会議を打ち切る、そうすればミラの古竜料理が待っているのだ!


「では、貴方方は俺がどうやってこの2人をここまで鍛え上げたのかその詳細まで話せ、とおっしゃっていると思っていいのですかね?」


「当たり前だ、そもそも今回の報告自体がにわかには信じられないが、もし本当にお前がそこの2人を強くしたと言うのならばその方法を語るのが当たり前だろう」


その言葉には溜息を吐きたくなるな、それを副ギルドマスターという立場に立っているお前が言うのかと。


「話になりませんね」


「何だと?」


「話にならないと言ったんです」


「だから調子に乗るなと言っているのだ!」


「貴方方は冒険者の間にあるルールをご存知ないと見える。

冒険者の間ではそのものに対する強さや技、魔法などに関する情報を聞く、ましてや話せと、怒鳴るなどあり得ない。

冒険者は謂わばその強さが商売道具ですからね、そんな常識さえも理解出来ていないとは、仮にも副ギルドマスターの立場にいる者としてどうかと思いますがね」


俺の正論に言い返せずに詰まる皆さん、ではそろそろお暇させてもらうとしようか。


「ではジークラスさんの邪魔も入った事ですし、そろそろお暇させていただきますね」


「ま、待ってくれ」


ここで止めに入るのはまぁ予想できた事だ、これじゃあギルドは俺たちの評価を落とす結果になっただけだし、何よりまだ質問は終わっていない、けど俺はこのタイミングで最強の手札を切る。


「何よりこれ以上ここにいたらヘルがキレちゃうかもしれないですしね」


その言葉で再び場を静寂がフタをする、中にはガクブル震えている奴までいる始末、おっさんが震えている場面、うん、見たくないな。


「じゃあ帰るぞ」


「了解で〜す!」


「承知しました」


「早く飯にするのじゃ!」


とそれぞれ返事が来たので俺はヘルが退くのを待って席を立った。


「古竜料理?楽しみなのだ!」


そのヘルの言葉に今の今までお通夜状態になっていた会議室内が騒ついた。


「お、お待ち下され!古竜、料理と言うのは…」


そう聞いてくるジークラスさんの表情はかなり優れない。


「そのままですよ、今回俺が討伐した黒古竜の肉を使った料理のことですよ」


「それは、本気で言っているのですか?」


ヘナヘナと椅子に座り込んでしまったジークラスさんの代わりに恐る恐るとクラウスさんがそう言うが、全くもってその通りだけどなにか?


「そうですけど何か問題でも?」


「そ、それは、無いですけど…」


そう、俺に不備は一切無い、何せ討伐した魔物の素材などの所有権は全て討伐者にあるのだ、つまり、それをどう扱おうが俺の勝手なわけだ。


「では俺たちはこれで失礼します」


ギルド重鎮の皆さんは、まぁ俺が古竜の素材をギルドで買い取ってもらう筈だと思っていたのだろう、皆死んだ魚の様な顔をしているのを見れば一目瞭然だ。


だがしかし、そんな皆さんには申し訳ないが、今の俺はミラの古竜料理のことで頭がいっぱいだ。


そんなこんなで俺たちは…俺は最後まで礼を欠かずに冒険者ギルド本部を後にした。


少しでも『面白かった』『続きが気になる』と思ってくれましたら、


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これからもよろしくお願いします!!


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新作です!!


異世界暗躍〜最強の勇者様?ただの商人です〜


そこそこ読める作品だと思うので是非読んでみてください。


*ちなみに題名は仮名なので変更するかもしれなれません。

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