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無能と呼ばれた天才ゲーマーは異世界を好きに生きたい  作者: フウ
第2章 エラムセス王国編
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33話 懐かれました

「あっ、忘れてた」


「「「……」」」


えっ?何周囲の視線が回しても微妙で居心地が悪いんですけど。


「え?」


何処からともなくそんな呆けた声が聞こえてきた、その声を辿ると白い巨体がいた、どうやら自分がまさか忘れられてるとは思っていなかった様だ、まぁ古竜だしわからなくもないが。


しかし、このこの程度で俺のペースを乱すことなんて出来はしない。


「それでお前は何だ?」


「うわぁ、唐突にいった」


「あの空気を無視できるって凄いですよね」


俺の後ろでミラとリーナが小声で何やら言っているが気にしない、そんな事いちいち気にしていたら、現代日本で生きていく事はできない、事実ずっとぐちぐちと言ってくるやつは山のようにいたし、アイツらに比べればこの2人の言っている事何て褒め言葉だ。


「おい、お前に聞いてるんだけど」


余程自分が忘れられていた事にショックを受けたようで未だにポケェ〜としている、白い古竜に再び声をかける。


「……」


いい加減にしてくれよ、只でさえあの黒古竜のせいで昨日の苦労が無に帰り苛立ってるのに、これ以上おれにストレスを与えないで欲しい。


よくは知らないがストレスって禿げるらしいし……


「よし、殺すか」


俺の毛髪のためにこいつには早々にこの世界から永遠に退場してもらうとしよう。


「はっ!ま、待つのじゃ!はやまるでない、殺さないで欲しいのじゃ」


俺の言葉と殺気で正気を取り戻したようで、古竜の癖に脂汗を流しながら懇願してくる白い古竜。


「あぁ?お前これ以上俺の貴重な時間を奪うってか、あ?」


ハッキリ言って今私かなりイラついています、あの補佐役のクラウスといい、あの爺さんといい、どれだけ俺の計画の邪魔をしてくれるのか、しかもこの後さらに今回の事についての質問を色々とされるに違いない、そのことを考えると只でさえ憂鬱だと言うのに、これ以上時間を取られるのは嫌だ。


「お、落ち着くのじゃ、冷静になれば分かり合えるはずじゃ!」


後ずさりながら必死に抗議する白い古竜、けど俺は歩みを止めない。


「ご主人様、話ぐらい聞いてあげましょうよ」


「なんかあの古竜さん可哀想です」


「そうじゃそうじゃ!可哀想じゃ!!」


ミラとリーナの言葉にチャンスとばかりに言い募る古竜……古竜がこれって幻滅だわぁ。


「はぁ、まぁいい取り敢えず話を聞いてやる。

じゃあまずお前は何?」


今のでちょっとは色被りのストレスを発散できたし、そもそもこいつを殺す気は無い。


別に肉は1匹分あれば十分だし、古竜を圧倒したんだから実力は十分に示せた、これで何か言ってくるやつがいたら物理的にわかってもらうつもりだし、俺のストレス発散に付き合ってもらって悪いとは思うが、こいつも俺の計画を多少は邪魔をしているのでプラマイゼロだ。


「ん?古竜じゃよ」


「そんな事はわかってんだよ!」


「じゃあ何のことを言ってあるのじゃ?」


「何故ここにいるのかとか、あの黒い方との関係とか色々あるだろうが!」


「なんじゃそんな事か、それならそうと言えば良いのに」


我慢だ、我慢しろ俺、お前なら我慢できるはずだ!


「ふむ、実はな偶々この近くを飛んでいたらあの黒い古竜に攻撃されてな、ムカついたから逆に叩きのめしてやったが。

そこで遊びを思いついたのじゃ」


「遊び?」


「まぁゲームみたいなものじゃ、あやつが率いておった魔物達と人間たちの戦いじゃ、まぁ暇つぶしみたいなものじゃな」


なんとも迷惑な話だが、その気持ちはわからなくもない、只でさえ永久の時を生きる竜種だ、それも古竜ともなると暇なのも理解できる。


「それであの黒いのとの関係は」


「彼奴は喧嘩をふっかけて来た、返り討ちにしたというだけの仲じゃよ」


「そうか、もういいぞさっさと自分のテリトリーに帰れ」


これで古竜が2匹いた理由がわかった、つまりは全てあの黒いやつが悪いという事だな。


これで後はあの爺さんたちの質問にできる範囲で答えて、Sランク以上に昇格すれば今回の作戦は概ね成功と言える。


「待つのじゃ!」


せっかく逃がしてやるというのに、一体なんだというのか?


「フッフッフ、お主の伴侶になってやるのじゃ!」


「断る」


こいつは一体何を自信満々に言っているのか?


「な、なんじゃと!?」


俺の即答に古竜が驚きの声を上げる。


「何故じゃ!何故ダメなのじゃ!?」


「簡潔に言おう、目立ちたく無いからだ!」


何をわかりきったことを言っているのか?古竜が伴侶とか目立ってしょがない。


「いや、ご主人様それは無理があると思うんですけど」


「古竜を圧倒して目立たないなんて事は無いかと」


「そ、そうじゃ!古竜を圧倒した時点でもうすでに十分に目立っておるのじゃ」


どうやらミラとリーナは、同意してくれはしないらしい、古竜ぐらい何だというのか。


「お願いするのじゃ!妾も連れて言って欲しいのじゃ!!」


「いやいや、古竜連れて街中歩くとか無理だからな」


どうだ、これで反論出来まい!これこそ完璧な論破だ他の魔物ならまだしも古竜何て連れていたら目立ってしょうがないからな。


「む?何じゃ、では人間の姿なら良いのだな?」


「は?」


すると古竜の白い巨体が眩い光を放ち始める。


「ではこれで大丈夫なのじゃ」


「……え?」


そこには地面まで届く白い髪に透き通るような青い瞳、真っ白な肌をした美少女かいた。


何故そこまで分かるかって?それはその少女が一糸纏わぬ状態だからだ。


「よしこれで妾もお主とともに行けるぞ!」


「待て待て待て、何でお前が人間の姿になれる?」


「む?よくぞ聞いたのじゃ!これは妾が暇つぶ、研究の末に編み出した人化なのじゃ」


こいつ今、暇つぶしにって言ったよね?そんなので何て技を編み出してくれてんの!?


いや、マジでこの技はヤバい人間たちの常識を覆す技だ、この技さえ使えれば古竜だけに限らず魔物達が簡単に街中に入ることができるという事だからな。


「これで妾が仲間になっても問題ないのじゃ!」


まさかの論破返しだ、こんな展開になるとは誰が予測できる?確かにラノベなんかじゃよくあるけどさ、だってAWOには無かったんだってこんなスキル。


「いいじゃないですかご主人様」


「そうですね、これで問題も解決したわけですし」


「はぁ、まぁ仕方ないか」


2人にもこう言われたらどうしようもない、別にあいつを仲間にしても困る事は何1つなくなったわけだし仲間は1人よりも2人、2人やも3人の方が楽しいしな。


「やったのじゃ!!」


古竜が喜んで抱きついてくる、これはマズイ!


いや俺的には別にいいんだが、ここには他の冒険者達が何人もいる、そして俺の周りにいる仲間は幼女とも言える少女が3人……マズイぞこれでロリコン何て2つ名がついたら辛すぎる。


そして、周囲からの視線が痛い、さっきと同じ冷たい目を向けてくるやつもいれば、軽く殺意がこもった目を向けている奴もいる。


「取り敢えずこれを羽織っておくように」


アイテムボックスに確かに予備のマントやらコートやらがあったのでそれ取り出し渡す。


「了解なのじゃ!」


それを嬉しそうに取り羽織る古竜。


「そう言えばまだ名前を聞いていなかったな、俺はソータ、お前名前はなんていうんだ?」


「妾に名前はないのじゃ、皆妾の事は白き古竜や純白の古竜と呼んでいたからな!」


「名前がないと不便だからな、よし俺が名前をつけるがいいか?」


「本当か!?良い良い妾に名前をつけて良いのじゃ!」


(リエルどんな名前がいいと思う?)


《そうですね、ヘルティアというのはどうでしょう。》


(その理由は?)


《安直ですが、地球のオリンポス十二神の一柱ヘスティアからとり、少し変化を加えました》


(まぁ確かに安直だがその案はいいな、よしその名前でいこうか)


「じゃあお前の名前はヘルティアってのはどうかな?」


パァーッと嬉しそうに満面の笑みを浮かべる、こういう反応をされるとやっぱり可愛い、保護欲が湧くというか何というか。


「妾の名前はヘルティアじゃ、お主らこれからもらしく頼む!」


そう言ってミラとリーナの方に走っていくヘルティア。


「こちらこそよろしく、ヘルちゃん私はミラだよ」


「よろしくお願いします。ヘルティアさん私はリーナと言います」


ミラが愛想のいい笑顔でリーナが礼儀正しく自己紹介をする。


「ミラにリーナじゃな、してミラ、ヘルちゃんとはなんじゃ?」


「ヘルティアちゃんだから略してヘルちゃんって訳、嫌だった?」


「いや良いのじゃ、ほれソータお主もこっち来るのじゃ」


そう手招きして来るヘルティア、とても微笑ましい光景だ、あれっ?これ俺って仲間じゃ無くて保護者なんじゃ…


「ヘルティア、俺もヘルで良いか?」


「良いぞ!ソータがつけてくれた名前だからな別に良いのじゃ、リーナもヘルで良いぞ!」


「では私もヘルちゃんと呼ばせていただきますね」


「よし、じゃあ取り敢えず帰って飯でも食うとするか」


「了解ご主人様!」


「わかりましたソータ様」


「妾も腹が減ったのじゃ!ソータ彼奴の肉を使うといいのじゃ、古竜の肉は美味いからな!」


「おいヘルお前も古竜なんだぞ」


「ん、それがどうかしたのか?」


「…いや、うん何でもない」


どうやらヘルに共食いというのは概念は存在しないらしい、まぁ確かに古竜の肉はメチャクチャ美味いからヘルがいても食える事は大歓迎なんだが。


「よぉ〜し、今日はヘルちゃんの歓迎会と祝して腕によりを掛けて作るから期待しててね!」


「それは楽しみだな」


俺にそう言わせるほどミラの料理は美味い、ヘルも一度あの料理を口にすれば虜になる事間違いない、つまりこれでまた1人ミラの料理のファンが増えるわけだ。


「あ、あの」


そんな、俺たちの楽しい空気をぶち壊す声がかけられる、その声を辿るとそこには爺さん達、冒険者がいた。


「あっ」


そういえば今からまだしなければならないことがあった事をすっかり忘れていた、これはヘルの人化スキルとミラの料理の話のせいだな、普段の俺がこんな失態を晒すわけが無いからな。


「こちらで話を進めてしまって申し訳ない、それで質問を受けますよ」


「す、すまぬな。

立ち話も何じゃし、ギルドの方で話さぬか?」


「ええ、別にいいですよ。

じゃあいつまでもここにいても仕方ないですし移動しましょうか」


少しでも『面白かった』『続きが気になる』と思ってくれましたら、


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これからもよろしくお願いします!!


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新作です!!


異世界暗躍〜最強の勇者様?ただの商人です〜


そこそこ読める作品だと思うので是非読んでみてください。


*ちなみに題名は仮名なので変更するかもしれなれません。


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