24話 レベリングしようと思います
諸事情で更新が遅れてしまいすみませんでした!!
24話目になります。
今後ともよろしくお願いします。
異世界第2番目の仲間リーナの出自よりアレネメス王国の裏で吸血鬼が暗躍している可能性が出てきた。
それは非常によろしく無い状況と言える。
吸血鬼は生まれながらに人間とは比べ物にならないほど高い身体能力を持ち、魔力の保有量は流石に龍種には及ばないが全種族中トップクラス、さらには魔法特性に優れ、吸血、怪腕、怪脚、高速再生などといった優れたスキルをも併せ持つ生まれながらの勝ち種族。
吸血鬼には始祖を頂点に、原始種、貴族種、従属種と大まかに別れていて、その力の差は絶大。
始祖吸血鬼はその昔、まだ地上に数々の神々が存在した神代の時代に神と悪神邪神との戦いにおいて神ならざる者の身でありながら神陣営として多数の邪悪な神々を屠り、神に至ったと言う伝説が残っているほどだ。
原始種でさえ神々と戦えるほどの力を備えており、龍種などと共に亜神とされており、SSSランク冒険者でもいない限り勝負にもならないと言われていて、始祖吸血鬼がいなくなった今では吸血鬼を統べる存在でもある。
貴族種はその中でも公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵と別れその下に爵位を持たない貴族種が存在する。
爵位を持たない貴族種ならばAランク以上Sランク冒険者がいたら確実に討伐可能と言われているが、公爵種ともなるとSSSランク冒険者かSSランク冒険者パーティーがいないと討伐は不可能とされている。
従属種は原始種、貴族種とは比べ物にならないほど弱くごく稀に爵位無し貴族種に勝る者がいるがほとんどの場合はCランク冒険者がダース単位かBランク冒険者がいれば勝てるとされている。
しかし、吸血鬼の中で圧倒的に弱い従属種でさえもBランク冒険者がいないと単体では勝てない程の強さを備えた種族である。
さて、ここからが問題だ従属種はいわば原始種や貴族種の手下つまりはパシリだ。
よってアレネメス王国で暗躍している吸血鬼は確実に貴族種以上ということになる、そしてこんな事をやらかすのは恐らく子爵位以上の上位者だろう。
子爵位と言えばSランク冒険者が複数いないと勝率はほぼゼロと言われているほどの強敵である。
それに比べて俺たちは、今の俺はBランク冒険者を軽くあしらう事くらいは出来るが所詮はその程度でBランクの域は出ていない、龍王がアストラル王国王都に来た時より確実に弱体化している。
ミラやリーナでは話にもならない、これで現状のまずさが理解できるだろう。
「と、言う事ですので、俺も含めミラとリーナのレベリングをしようと思います」
「何がと、言う事なのかはわからないけどいきなりどうしたのですかご主人様」
「ミラ、俺たちは今かなり微妙な立ち位置にいます」
「微妙な立ち位置とは一体どう言う意味なのでしょうかソータ様」
「…さっきも言った様にリーナの故郷アレネメス王国では吸血鬼が暗躍している可能性がかなり高い」
「それがどうしたのですかご主人様」
「そしてリーナはそのアレネメス王国の王族だ」
「…王族だったですけど立ち位置が微妙と言うことはわかりました」
「えっ、リーナちゃんわかったの?私わからないんだけど」
「「……」」
「そんな可哀想な人を見る様な目で見ないで下さい!ご主人様は兎も角リーナちゃんまで…」
「…まぁいい、つまりはだ、アレネメスの吸血鬼は国王を操ってリーナも操ろうとしたわけだろ、けど失敗した。
つまり吸血鬼がアレネメスで暗躍しているが露見する可能性があるって事だ。
もちろん吸血鬼もその事は分かっているはずだ、その吸血鬼がその事を嫌ったらどうだ?
最も簡単に口を封じる方法は何だ?つまりはそう言う事だ。」
「でも、もし吸血鬼がリーナちゃんを殺そうとしてもご主人様ならどうとでも出来るんじゃ無いですか?」
「確かに全盛期の俺ならどうとでも出来ただろうさ、けど今はそうじゃ無い。
今の俺の実力は精々Bランク冒険者をあしらう程度でBランク冒険者の域だからな。
従属種ならまだしも貴族種、それも爵位持ちが出て来たら勝ち目は無い」
「そ、それってかなりヤバいんじゃ」
「その通りヤバい、それもかなりヤバいだからレベリングをします」
「成る程そう言う事なのね、じゃあエラムセス王国への旅はお預けかぁ…」
「それは仕方ない事だと思いますよミラさん。
けど私のせいで申し訳ありません」
「うんん、気にしないでリーナちゃんエラムセス王国にはそのあと行ったらいいだけだしね」
「言っておくが、エラムセス行きはレベリングと同時進行で行くからな」
「えっ!?どうやってそんな事をするんですかご主人様?」
「そうですよソータ様流石に同時進行は不可能だと思いますけど」
「確かに普通にやってたら無理だろうけど俺には空間属性魔法がある。
転移魔法を使えばエラムセス行きとレベリングの同時進行は不可能では無い」
「…やっぱりご主人様って無茶苦茶だよね」
「でも凄いことだと私は思いますよソータ様」
「でもご主人様の転移魔法って行ったことがある所にしか行かないんじゃ無いんですか?」
「そのことに関しては候補がある。
昼の間は今までと同じでエラムセスに向かい、夜になったら転移魔法でレベリングを行う、って感じがこれからの方針だな」
「了解ですご主人様」
「異論はありません」
その後特に何も無く、夜になり転移魔法で予定地に転移した。
視界に映るのは暗闇だ、つまり何も見えないとも言える状況だ。
「ご、ご主人さまぁぁ」
「何も、見えない…」
とミラが絶叫し、リーナが落ち着いている様で困惑すると言う奇妙な状態に陥っている。
これはこれで面白いからもう少し様子を様子を見ようすると、自動的に灯りがついた。
そして視界に映ったのは岩肌でできた四角形の空間だ。
俺がレベリングの舞台として選んだのはかつて俺が使っていたホームだ。
このホームの上層ははアストラル王国の地下迷宮とはレベルの異なるダンジョンになっている。
ちなみにリエルに調べさせた所この俺のホームは地下迷宮アビスと呼ばれこの世界の創造神が造ったとされているらしく、世界最大規模、最大難易度のダンジョンとされており、現在の最高到達地点は93階層だ、どうやらSSSランク冒険者が挑戦したらしく過去最高記録を叩き出したのはいいが致命傷を負い帰還後に死亡したらしい。
ちなみにこのホームのダンジョンは全200階層構成で100階層目までは表のステージでこの情報は過去に公開したことがある階層だ。
後半の101〜200階層までは裏ステージでまだ両手で数えられるほどしか足を踏み入れたものは存在しないところになっている。
表ステージの93階層とは言え、ソロでそこまで到達した生きて帰還したSSSランク冒険者は素直に褒められる、この世界に来てから一部の例外を省いて最も強い存在だろう。
「さてミラ、リーナここは昔俺が使っていたホームだちなみにこの上には迷宮アビスがある」
その言葉を聞いたミラとリーナはとても間抜けな表情をして硬直した。
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