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固有能力etc!

大まかな能力説明になります。

結構緩めな設定なので、そんな感じなんだな程度でご理解下さると有難いです。

 この質問が本命中の本命だ。

 スキルがあるとないとでは、今後始まる異世界生活に大きな支障をきたすといっても過言ではない。


 よくある異世界ものでは、超絶身体強化系や魔法強化系スキル。

 またはレベルアップ時のステータスブースト能力や少し先の未来が見える未来視(ビジョン)なんてものまである。

 

 さらに言えば、時間遡行(タイムリープ)とか世界干渉(ワールドクリエイト)系スキルといった神に近い能力が貰える可能性もある。


 これらは、何としても手に入れなければならない。


 寧ろ異世界ものは転生or転移する前から始まる物語なのだ。


 もし貰えなかったら、駄々をこねたり泣き落としでもなんでもして勝ち取らなくては。

 ルチアは覚悟を決めグッと腹に力を入れた。


 「ふふふ、訊いてくると思いましたよ。無論答えはyesですよ! 私もそこまで鬼ではありませんから」


 「いやったぁぁぁあああああ!」


 感激のあまり、つい大声を出して喜び叫んでしまう。だって女神の態度がアレだから、凄く心配だったんだもの。


 「コホン。お話を続けてもよろしいですか?」


 「えぇ、どうぞ」


 すぐさま我に戻ったルチアは椅子に深々と座り、女神の言葉に耳を傾ける。


 チート級の特殊能力が頂けるのだ。ここは少しでも女神様のご機嫌を損ねてはいけない。いけないのだ!


 「特殊能力、私は固有能力(アビリティ)と呼んでいるのですが。最初に誤解がないように説明しなければならないことがあります」


 「な、なんですか」


 「実は私から与えられるアビリティは、その人の才能に依るところが大きいのです。率直に言えば、その才能に合ったアビリティしか付与されないということですね」


 「それってつまり、折角女神様からアビリティを貰ってもゴミになるってことじゃないですか!」


 「どうか落ち着いて聞いてください、まだ話の途中です。それに私が与えるアビリティがゴミなわけないじゃないですか。そんな事を言っていると固有能力をあげませんよ?」

 

 「すいません、失礼が過ぎました女神様。偉大なる貴方様がそんな酷いことをしない神様だということは理解していましたよ!」


 失言を撤回するようにルチアは早口で謝罪する。


 いずれにせよ特殊な能力ならば問題はないな。多少劣っていたとしても自らの頭脳で使いこなせば良いのだ。打開策などいくらでもある。


 「それでそのアビリティの例なのですが、分かり易く説明すると次のようになります」


 そう言うと女神は両手をパンッと一回叩く。


 するとそれが合図であったのか。先ほどの斧と同様に突如としてホワイトボードとペンが現れる。実に便利だ。


 現れたペンが流れるようにホワイトボードに言葉と絵を描きこんでいく。まるで3Dプリンターのように正確に動いている。


 しばらく待つと出来上がったようでペンの動きが止まる。


 「それでは説明しましょう」


 説明の準備が調い、女神は意気揚々と説明を始めた。


 正直その話が長ったらしいものであったので、要点だけまとめて割愛すると次のようになった。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ①固有能力(アビリティ)にも種類があり、大まかに分けると身体強化系、生産系、技術系と3つに分類される。


 身体強化系はその名の通り、戦闘に特化した複数のスキルを扱えるようになる。

 

 一例を挙げるとすれば、《限界を超越せし者》というアビリティがある。

 これは、人間の肉体が持つ限界を超えて高速移動を可能とする《疾風迅雷(しっぷうじんらい)》や一時的に鋼のような肉体を得られる《剛毅(ごうき)》などのスキルが手に入るアビリティだ。


 このようにアビリティは、その能力にあった特質したスキルを使えるようになるという訳だ。


 しかも、アビリティによって使えるスキルはどれも強力で魅力的なものが多い。実に素晴らしい。


 その他の生産系や技術系のアビリティにも軽く触れると。


 生産系は、農業や採掘はたまた精錬といったものに関わるアビリティだ。

 主に原材料を生産したり採取する際の収量をUPさせたりと、一見地味なスキルばかりが目立つ。

 けれど使い方の工夫次第では、植物の成長を促して魔物を拘束したり倒すことも可能らしい。

 また極めると、あらゆる物質に魔力を込めることができる《魔法付与(エンチャント)》が使えるようになるとのこと。


 最後の技術系は、木工、裁縫、火薬作成といった何かしら作る際に技術を要するスキルに関わるアビリティとなる。


 こちらは他の二つよりも幅広い分野に渡って活躍できるため、無限の可能性を秘めたアビリティと言える。


 ただ落とし穴があり、何でも器用に作成できる《神の見えざる手》といったアビリティが身に着けば御の字だが。


 《木工職人》や《裁縫の達人》といったアビリティを貰った場合、その道のスキルにしか効果を発揮しない仕様である。


 専門を極めることが出来ると言われれば聞こえはいいが、他の技術系スキルに融通が利かないのが強烈なデメリットだろう。


 現状、当選したくないアビリティ候補筆頭だ。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ②身に着く固有能力(アビリティ)は才能依存と一言でいってもそれは様々な要因があり、実際は当人の気質が大きく関係しているということ。


 例えば、単純に速く走る才能があり運動すること自体が好きな人が居たとしよう。


 そういった人にアビリティを与えた場合、ほとんどの確率で優秀な身体強化系が付加される。


 これは純粋に当人の身体能力と気質がマッチした結果であり、大半の人間はこのケースが当てはまる。


 ただし何事にも例外がある。それは身体能力が条件に満たないのに気質に引っ張られてマッチする場合などだ。


 例えば、身体が貧弱にも関わらず自分は力持ちで誰よりも優れていると、強く思う人が居たとする。

 

 そんな人にスキルを与えた場合、普通であれば生産系か技術系寄りのスキルが付加されるのだが。


 どういった訳なのか。強い思いに引き寄せられるのか極稀に当人が望む身体強化系といったスキルが身に着くことがあるのだ。


 女神様曰く、まさに願いを強く望む人間の成せる奇跡らしい。 


 いや、感動してないで原因を調べた方がいいのでは? とも思う。

 

 それに見た目ガリガリのくせに、自分は筋骨隆々(きんこつりゅうりゅう)だとか言い張る奴とか、どんな鋼メンタルだよ……。


 だがそう言った例は本当に少数なので気にしなくていいとのことであった。要は調べるのがめんどくさいだけなのだろう。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ③固有能力(アビリティ)は進化することが可能である。


 これは女神から聞かされて、一番ワクワクした部分だ。


 どうやらアビリティにもレベルという概念が存在するらしい。


 本人のステータスが上がったり、アビリティに関連のある複数のスキルを使い込むなどするとワンランク上のグレードに進化するようだ。


 何が進化のトリガーになるかはアビリティよって様々らしい。貰ったら要検証案件だな。


 進化の具体的例を挙げるとしたら、先ほどの技術系アビリティである《木工職人(ウッドワーカー)》で説明すると次のような感じだ。


 《木工職人》→《ベテラン木工職人》→《木工の達人(ウッドエキスパート)》→《木工匠(ウッドマイスター)》となる。


 このように順次進化していくとのこと。


 ただ説明された例えが、何故《木工職人》なんだ。しかも何か名称が職業っぽいし。

 

 それとアビリティが進化すると、それに関連するスキルも付随して上がるらしい。

 まぁ親元が進化するから当然といえば当然か。


 尚、スキル単体を使い込んでもスキルは進化することが可能だそうだ。


 けれど、上級スキルを持っていたとしても、それに呼応してアビリティも進化する訳ではないので注意。


 以上が簡単な固有能力(アビリティ)の概要であった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 「ということになります。きちんとご理解できましたか?」


 「えぇ、おおよそは。ただ後になって忘れてしまうかもしれませんが」


 まぁ、話を聞いていた感じ。

 

 よくあるネットゲームのMMORPGみたいな内容だったから、忘れても手探りで試していけば何とかなるだろう。

 

 「それなら大丈夫ですよ。いつでも見返せるようにステータス欄にガイドを付けておきますので♪」


 「おぉ、それは助かります」


 女神は人差し指を振りながら、甘い声で心配しなくても平気ですよと言ってくる。


 それと、またサラリとステータス(らん)云々(うんぬん)とか言ったけど完璧ゲーム感覚で話してませんかね? こちとら命掛かってんですよっ⁉


 「それでは話さなければならない大切な部分は、粗方説明したのでそろそろ転移の準備をしましょうか」


 腰かけている椅子からゆっくりと立ち上がると、女神はこちらに来てくださいと手招きしてくる。


 ルチアもその指示に従うように女神の所へと近づくのであった。

次回からようやく転移開始です!


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