ワニの洞窟
翌日、ログインしてすぐに手に入れた
G-15の強さを実感した。
ぼったくり武器屋の銃の性能を見ているとハンドガンの中では上の中くらいとわかった。本来同等の強さのハンドガンを手に入れようとおもうとレベルで言えば30くらい必要だった。しかも弾丸が最安値の弾で、作るのも敵が結構な確率で落とすスクラップを使って作ることができる。スクラップは頻繁に落ちて、弾の基本となる素材だ。
まぁ本当は弾丸がほぼ無限に使える光学銃があるのだが作りにくい上ダメージが少ないというデメリットがある。
さらにこのG-15はネットの情報サイトなどに載っていなかったりすることからおそらくチュートリアル限定武器なんだと思う。努力の証は100000Gに交換するか最高品質の銃のパーツに交換できるということがわかった。どちらにするか迷った結果、最高品質のマズルにすることにした。マズルはほとんどの銃に使う部品であり、一番排出率が低いそうだからだ。そして個人所有のストレージがあり、そこにしまった物は絶対壊れないし盗まれる事もないそうだ。
フィールドに出た大輝はすぐ近くに居た3匹の蜂を倒すことにした。
「わるくおもうなよ...」
そういいながらG-15の弾を立て続けに7発放った。2発ほど一番近くに居た蜂に当たり蜂が落ち、消えた。
そして数発後ろの蜂にも当たり、落ちた。
仲間2匹が殺され怒り狂ったかのようにもう1匹が突っ込んでくる。針を飛ばしながら。
「うへぇ...なんだよあいつ..蜂じゃねぇじゃん!」
ゲームの世界を甘くみすぎていた。
1発針があたり、激しい痛みがした
「っ......」
初めての感覚に麻痺しそうになりつつもG-15の弾を撃ちまくった。数発あたり、蜂が死んだ。スクラップを残して。
「いってぇ...なんだ...?状態異常?
異物混入⁉︎」
すぐに意味は理解できたがそんな状態異常があるとは思っていなかったからすこしびびった。そんなことをしているうちにHPが減っているので針を抜いた。蜂自体は人間サイズもあるのに針は注射器並みに小さかった。
いがいとあっさり抜けた。HPはそんなに減っていなかったのでつぎの敵を探した。さすがにチュートリアルに出てくるような敵は中ボス扱いで特定の場所やイベント、もしくはランダムスポーンらしく見かけることは少ないらしい。
「んぁ...敵がいない...」
そういいつつ、足を進めているうちに洞窟を見つけた。すこし湿気のある洞窟だ。
「ここならなにかいるかも...」
そう期待しつつ入っていった。
先に進むと湖があり、行き止まりだった。期待はずれでイライラして帰ろうとしたとき、
湖の中から中型、と言っても人の倍程の大きさのワニが2匹でてきた。
「そうこなくっちゃなぁ‼︎」
どっかの悪役が言いそうなセリフを言って、銃の安全装置を外した。
どぱっ、どぱっ、どぱっ、どぱっ、
何発も弾を撃ち込んで、ワニの体力を減らしていく。幸い移動速度は遅いらしく、走って回れば裏をとれ、明らかに有利なまま、ラストアタックをした。
ワニを2匹とも倒すとなんと壁だと思っていた所が崩壊して、道ができた。
「インスタンスマップってやつか...」
そういいながら進んでいった。
奥にはワニが数匹いたが例によってことごとく弾丸の餌食になった。
「結構スクラップがたまったな...それにこのBランクのトリガーが嬉しいな...」
Bランクは敵ドロップでは結構良い方だった。経験値も溜まっていき、レベルは5になっていた。
さらに進むと、また湖があった。
「今度もワニか...」
そう呟きながら銃を構えて、驚愕の物を見た。
「ワニ...ねぇ...」
そこには10メートルをように超えた大きさのワニがいた。
ー ジャイアント・アリゲーター ー
レベル8、そして、エリアボス
さきに仕掛けたのは大輝の方だった。
チュートリアルで長々と覚えさせられた外側が硬い外殻等で覆われているモンスターの倒し方、で習った必ず覆われてない所がある。そこを狙えば、行動不能や、大ダメージを与えられると言われていたのでまず覆われていない所を探す。
「目と...手足の付け根くらいか...」
そういいながら弾を撃ち込む。
ただひたすらに足に向けて撃ち続ける。
行動不能の状態異常に陥るのは≒死をもたらす。
つまり逆に言えば行動不能にさえすれば勝てるということだ。
どぱっ、どぱっ、どぱっ、どぱっ、
乾いた音が立て続けに響く。
1発、外殻のないところを掠れて、敵がの動きが一緒ん止まる。
その隙にもう数発足に向けて撃ち込む。
掠れる弾と全く外れる弾、そして、
10発程度撃った時に相手の足の付け根に弾がめり込んだ。
「よっしゃ!」
大輝が喜び、
グアァァァァァ‼︎
ワニが呻く。
そして目に向けてよしゃなく弾を撃ち続ける。銃じたいの性能が良いことにあり、30発目にして敵が、死んだ。
スクラップしか落とさなかったが経験値がとてももらえてレベルが一つ上がった。
さらに宝箱が現れて中からAランクのバレルが出た。バレルもたくさんのぶきで使うから、たくさん集めておきたいところだ。
さらにレベルアップでSPがたまり、一つのスキルを取れるようになった。大輝は迷った結果、弾丸作成Lv.1を習得した。これはいつでもどこでもスクラップがあればたまを作れるスキルだ。実弾武器を使う上では大事なスキルだが、最初は失敗したり、品質の低い弾ができたりと、買いだめした方がマシだ。という意見が多いためあまり使われていないスキルだ。しかし、NPCが作ったり売ったりするのは全て品質Cランクのためスキルレベルを上げれば同じ大きさ、同じ材料でも威力の高い弾を作れるわけだ。
「今日は疲れたし、街に戻って落ちるか...」
昨日と同じようなセリフをいいながら街へと歩き出した。