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僕の知ってるハーレムはこんなんじゃない。  作者: 途虎
第3章 僕の知ってる球技大会はこんなんじゃない。
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第15話「存続」

久しぶりの投稿です。

 簏崎沙織としざきしおりその名を聞くと本校生徒ならば、知らないものはいないだろう。なぜなら、キャラの強い生徒会長だからだ。普通ならば、生徒会長と聞けば、ビシッとしたキチンとした人が選挙で選ばれるだろう。しかし、簏崎生徒会会長は、選挙どころか、先生の推薦で会長になったのだ。いわゆる、選挙なしで就任したのだ。

 彼女は、運動も学問も行事も、性格も、もう何もかもが完璧なのだ。運動は今は引退しているが、テニス部所属していた時は全国で10本の指に入ると言われている。

 学問は本校生徒の中でトップに君臨するほどだ。

 行事も積極的に参加する。

 性格も、先生からは勿論、クラスの友達や後輩からもあつい信頼を得ている。

 これまで、運動、学問、行事、性格を説明したが、これだけだと全国探せばいそうな気がする。

 彼女のもう一つの魅力は顔立ち。

 そう、男子からモテモテなのだ。

 だが、そういう誰かと付き合ってるなどという噂は絶対的にでていない。どういう人が好きでどういった人が好みなのかもわからない。一週間に一回のペースで告白されている。

 僕にはわからない存在の生徒会長である。

 そんな生徒会長が我が部活動の部室に来ている。学年トップと学校トップが揃った瞬間だった。

誰がこんな状況を喜ぶだろうか。これは風神と雷神ぐらいの戦いになると思う。それだけはさけなければならない。

「何をしに来たのかしら?」

先に攻撃を仕掛けたのは巫だった。

「いや〜お願いがあって来たんだよ」

あれ? 何か違う。生徒会長はイメージしてたのと全然違う。なんかふわふわしている。生徒会長はふわうわという雰囲気。でも巫はやはり悪魔だ。

 これ以上、二人だけで会話をすると、火花が散りそうなのでここで会話に入ろう。

「お願いって具体的に何ですかね?」

「あ〜簡単にいうと球技大会の手伝いをしてほしいんだよ!」

「は?」

「え?」

 僕と巫の声をピタリとハモった。同じ反応で意味がわかっていていない。まだ説明をされていないからなんだけれど。僕の場合、補欠で端っこの方でぼっちで観覧すると思っていたのだが、それが無理な気がしてきた。

「球技大会がもうすぐなんだけれどさ〜〜生徒会のみんなが風邪ひいちゃって、どう考えても人数少ないんだよね〜そこで夜来先生に尋ねてみた所、謎の部活動が手伝いをしてくれるっていうからさ。尋ねてみたってわけだよ〜」

 そうなんだ〜〜。

 心の中で笑顔を作り、頭の中で舌打ちをした。

 あの先生は面倒くさいことは何でもここに持ってくるな。あとでお仕置きしておこう。まぁ、逆にお仕置きされそうだがな。

「なんか良さそう」

 おいおい、春が完全に乗る気なんですけど!?

「報酬はあるのかしら?」

 報酬!? 巫はちょっと怖い団体みたいなことを言いだしてきた。報酬がないとだめなのかよ。

「もちのろん! そうだね。君たちを部活と認定してあげることだよ」

「認定?」

 僕は顔斜めにして、そう言った。そして、また続く。

「心壁部は部活として認定されていないとでもいうのか?」

「あったりまえだよ。こんな部活認定されてないよ。活動内容は不明。見た所部員はたったの3人。こんなの認定されるわけがないよ?」

 彼女は少し楽しそうに、笑いながら答えた。

「えぇ〜そうだったの?知らなかった……でも、今まで活動してきたじゃん!」

 春がそういう。前向きな彼女。横目で僕は春を見ていた。

「それはだね〜。黙認していたんだよ〜? 噂にはきいてたんだけど、あんまり活動してなさそうだったから別にいいかなって思ってね」

 それは単に面倒くさかっただけだろうが。

 そう。

 心の中で突っ込んだ。

「はぁ」

 巫の大きなため息が聞こえてきた。

「仕方ないわね。部活の存続をかけたお手伝いとでも言いたいのかしら? それなら、仕方がないわね」

 僕がえー! っというような顔をしていると巫がこっちを見て放った。

「なんか意見でもあるのかしら? 沢良木君?」

「いや別に」

 僕としては部活がなくなってくれる方が嬉しいんだが……。

 したくないとは言えない。言えるはずがない。

「がんばろ。風ちゃん!」

「じゃよろしく〜〜」

 生徒会長は颯爽と部屋を後にした。

 そして、僕は人生で最大のため息をついた。

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