第1話「友達」
友達とはクズ。
友達とは薄い友情。
友達とはいらない存在。
春風が強くなびく、今日。四月七日。今日から僕は佐世保西高校に入学する。僕の名前は沢良木風屋。今日から高校生になる。実感はあまりないけれど、高校になると思うと胸がドキドキ……
しない。
なぜかって? そりゃ、僕は友達はいないからさ。
作ろうなんて思っていない。てか、いらない。確かに友達がいた方が楽しいっては言うけれど、僕としては友達なんていらない存在だ。
友達をいらないって思うようになったのは中学二年生の頃。僕に好きだった女の子がいて、親友に相談したところ『お前なら絶対付き合えるって!』って言われて、勇気を振り絞って告白した。
答えはノー。
『ごめんなさい。私付き合ってる人がいるから』と言われて振られた。そこまではまだ良い。普通に振られて悲しくなるだけだ。でも、僕の告白から数日後。僕は学校で僕の親友と好きだった女の子がキスしている所を目撃してしまった。そう、彼女が行っていた付き合ってる人というのは……
俺の親友だった。
言いずらかったのはわかるけれど、普通に言ってくれれば告白をせずに終われて、逆に僕は彼らを応援していた。仰天と悲しみや裏切りなど様々な物が僕の心を襲った。それから、その親友とは気まずくなり縁を切った。好きだった女の子も告白から一切話していない。そして、僕は薄っぺらい友情でできた友達なんていらない。必要ない。と思うことにした。友達は僕を傷つける。
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