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第四章 幽霊少女
「え……?人間じゃないってどういうこと!?」
「そのまんまの意味だよ。まぁ、元人間だけどね。」
「じゃあ、今は……?」
「んー……幽霊ってとこかな。 もう死んでるし。」
「ひっ……!」
恐怖と驚きで思わず、しりもちをついてしまった。少女はどんどん私に近づいてくる。
「こ、来ないで!とりつかないで!」
少女は私の目の前へ来ると、ゆっくりとしゃがんだ。
「……大丈夫だよ。とりついたりなんてそもそもできないから。」
「え……?……良かったぁ……。ごめんね。怖がったりして。あたし、さくら! ねぇ名前は?」
「あたし? あたしはゆり。よろしくね。」
「うん。よろしく。ところで、あたしを呼んだ理由は?」
「それは……。」
「ん?なぁに?」
「もうあたしいなくなるから……お別れを……いいに来たの。」