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第一章 出会い

「こんなの……絶対無理……。」

 自分の目の前にある今にも落ちそうなつり橋を見て思わず私は思わずしゃがみこむ。小さな頃から高いところが大の苦手で観覧車もジャングルジムの一番上も登ったことの無かった私。なのに、なんでこんなつり橋前にいるかというと……。


 私が住んでるのはかなりド田舎。電車もコンビニも無い。バスはあるけど、バス停なんて家から何十分もかかる。だから、いつもは歩いて中学に行く。なのに、なのに、今日から三日間道路工事のために村に唯一あるコンクリートの道路が通れなくなってしまった。中学は大きな湖の向こう。湖の向こうに行くには、道路か古いつり橋を渡るしかないが、今、道路は工事中。そのせいで、釣り橋を渡るしかなくなってしまったのだ。

「どうしよう……。」

このまま待っていたら完全に遅刻確定だよね。けどこれは高すぎるって……。明らかに10m以上あるでしょ。つり橋は落ちそうだし……。

「ねぇ、何してるの?」

「わぁっ!?」

いきなり顔を覗きこまれ思わず後ずさりする。後方にあった木に頭をぶつけてしまい「痛たた……。」と頭をさすった。

「驚かせちゃった?ごめんね。大丈夫?」

「う、うん。平気。」

自分の目の前に居たのは茶髪の少女だった。少女は明るい茶髪の髪をツインテールに束ねており、真っ白なワンピースを着ている。少し幼い顔立ちだが、歳は多分私と同じぐらいだろう。

「あ、もうこんな時間! 遅刻する!」

私がしゃがんだまま固まっていると少女はそっと手を差し出した。

「え……?」

「何してるの? ほら、立って。一緒にいこっ。」

「……うん……!」

私は彼女の手に掴まり立ち上がると、反対の手で鞄を持った。

「じゃ、行こっか。」

私は走ってゆく少女に手を握られたままついてゆく。そのまま私たちはつり橋を渡り切ってしまった。

「あ、ありがと。……ってあれ……いない……。」

周りを見回しても少女の姿はどこにもなかった。まるで消えてしまったかのようだ。

「あれ……?」

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