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登下校

 正午を少し過ぎた頃、屋外スピーカーから子ども見守りアナウンスが流れる。自分の地元もこんな感じだった。気がかりなのは音量が五月蠅いや音割れしているという事ではない。山から色とりどりのランドセルを背負って下校してくる児童達。この村は小学校が存続できない程の限界集落だったはずなのに。大半の児童は昭和のドラマに出てきそうな集合住宅に吸い込まれていく。あの辺りは、かつて雑草に覆われた廃アパート一棟しかなかった。

 不妊に悩み、田舎に引っ越したらマタハラから解放された反動か妻はあっさり懐妊した。まだ性別すら判らないが、山には古い墓地と社長が夜逃げしたリサイクルセンターの廃墟しかないと聞いた詳細不明の学校に通わせる事になるのだろうか。そして、最近近所の老未亡人が三味線教室を再開し、通い出した女子児童は霧島夫妻より少し後に移住してきた女性によく似ている気がする。

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