三匹の子豚の環境配慮建築
とある町に、建築家を目指す豚の三兄弟がいました。
同じ時期に生まれた8兄弟の中で、雄として生まれた三匹。
三匹は建築を学び卒業まであとわずか、残る課題は一つ。
合格することで晴れて建築家としての資格を取得できます。
試験の内容の発表日、固唾を飲み込む三匹の目に映ったのは。
(合格条件 【自然に優しい建築】 を作ること)
「「「自然に優しい??」」
三匹は声を揃えて困惑します。
「ソーラーパネルを使うと良いのだろうか」
長男が問いかけます。
「断熱性の優れたエネルギー消費の少なさかもね」
次男が返事をします。
「丈夫で長く住み続けられる家なんじゃないかな」
三男が答えます。
沢山の議論を交わしそれぞれの方向性が見えてきました。
「「「エネルギーよりも土に還せる建造物が良いかも」」」
三匹集えば真珠が似合う方法も思いつくのです。
「僕は藁などのイネ科の植物を使った建築にするよ」
長男が言います。
「じゃあ僕は木を主体にした使った木造にしよっ」
次男が早口で言います。
「二人ともずるいよ 土に還る物・・・ 土?」
三男のテーマが決まりました。
それぞれが目標に向かって情報を集めます。
長男はイネや竹、茅葺屋根に使うススキやヨシで構想を練ります。
次男は木造や木の上のツリーハウスや丸太のログハウスを調べ。
三男はただの土壁か重労働の版築や3Dプリンターに絶望しています。
それでは建築工程を見てみましょう、藁のおうちの長男。
まずは基礎の柱から、竹の太い集成材を選んだようです。
床には半分に割られ、脱脂された乾燥竹が敷かれています。
柱の間に藁の壁を作るようですが、どのような手法でしょうか。
藁の塊を使う分厚い壁のストローベイル工法を選ぶのか。
はたまた泥に沢山の藁を混ぜたライトストロークレイか。
泥を準備して藁を浸します、余った泥で泥浴びし始めました。
泥に浸した藁を型にはめ、地べたに並べて日干し煉瓦を作ります。
乾燥した藁たっぷりの日干し煉瓦を壁の間に積み上げていきます。
積み上げたものを抑えるように竹の編まれた竹小舞で挟みます。
その上からまた泥に浸した藁を塗り、土壁を作っていきました。
屋根は細い竹を格子状に並べ、茅葺屋根を作り表面を整えています。
素敵な藁のおうちが完成しました。
続いては、木造建築の次男を見ていきましょう。
材木の細胞が壊れない温度で燻す、燻煙乾燥材を使うようです、
地面に並べた石の上に木の柱を立てています、石場建てです。
大きな大黒柱を中心に立っている柱の横に柱を追加していきます。
ティンバーフレームのような骨組みが徐々に出来てきました。
所々基礎に重量を逃がし、内側に三角の材木を積み上げています。
ログハウスの一種である、校倉造りを内壁に作用しています。
外には互いにかみ合う木製レンガを使い、木骨造りの壁が出来ました。
二重の壁の外側に炭化コルクの断熱材を張り、焼杉を付けていきます。
屋根にはヒバの皮で下地を作り、薄い木の板の杮葺きを行います。
さらにその上から、種子の海藻のアマモを分厚く敷き詰めます。
素敵な木のおうちが出来ました。
最後は土のおうちの三男です。
家の床下を、石灰を混ぜ固めた三和土というもので作ります。
大麻を混ぜたヘンプクリートで、床と壁と天井を形作ります。
土と呼んで良いものかは疑問ですが、完成まで見届けます。
形に土を入れ版築の様に突き固め、圧縮土ブロックを製造します。
レンガ状の未焼結の土を、海藻のりやもち米を混ぜた石灰で外壁にし。
天井のヘンプクリートの上に、細かな不純物入りの石灰を乗せます。
石で磨き、植物石鹸で磨きまた石で磨いてタデラクトができあがり。
その上に、油分を沢山含んだ白樺の皮を何層にも重ねます。
柔らかな土を、白樺の皮の上に薄く敷き詰めて軽く押し固めます。
そこに植生を根付かせ、草屋根を作り上げました。
素敵な土のおうちが見事誕生しました。
三匹はそれぞれ合格点以上の結果を出し、表彰を授与されたのです。
これからすばらしき建築家として名を轟かせる三匹の子豚の始まりのお話




