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創世神話Ⅰ 女神たちが紡ぐ三千五百年物語  作者: ゆみとも
第一章 神婚の儀

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第10話 異空間ー交差する記憶の檻

4月8日、今日から私達は新3年生、私(星愛)、紗良、琥珀、蒼衣、瑠璃、琴葉、そして澪の7人は私の家の玄関を出て、高等部へ向かった。

そして、この日は私と紗良の18歳の誕生日でもあった。


琥珀が笑顔で「星愛、紗良、誕生日おめでとう。

進級式終わったら澪の家で誕生会ね」


何でも3日前から、私と紗良に内緒で誕生会の準備をしていたみたいで、そのことを打ち明けられ大盛り上がりの7人だった。


そんな楽しく盛り上がっている7人とは対照的に空は真っ黒な雲が広がり、空気が激しく震え、耳をつんざくような雷鳴が響き渡った。

その瞬間、私達の足元が震え、鼓膜が破裂しそうな衝撃が襲ってきた。


琥珀は頭に両手を当て、不満げに天を見上げた。


「こんな日に限って…」


心細そうな琴葉が私の腕にしがみついた。


「ねえ、私雷嫌いなの、急ごうよ」


誰とはなく全員で、玄関正面の桜並木の下を急ぎ足で歩いていった。


一瞬、目の前が真っ白に眩しくなり、全身に電流が走る感覚が押し寄せた。

意識が遠のく中で、誰かの悲鳴が聞こえたような気がした。

後から聞いた話だと、私達が早足で歩いていた時に、私達の横に立っていた桜の気に落雷があり、桜の気から枝葉のように電が走り私達7人は間接的に感電し、騒ぎ立てる生徒たちの中、私たちは意識を失い、学園内の附属病院に救急搬送された。


「痛ぁ」、私は頭の痛みに顔をしかめながら、ゆっくりと体を起こした。

手のひらには冷や汗がにじんでいた。

周りを見ると私と同じように、紗良と澪が頭を片手で押さえ、琴葉、琥珀、瑠璃、碧衣は心配そうに私達を見つめていた。


そして、目を開けた瞬間、私たち7人は互いの姿に目を見張りました。

全員が天界着を纏い、髪の色が変わり、まるで長い時を経て再会したかのような懐かしさが胸に押し寄せてきた。

私は黒髪が金髪に、紗良は黒髪が銀髪に、琴葉は緑、琥珀は赤、碧衣は青、瑠璃は紫。

そして紗良が金髪になった澪を見た瞬間涙が溢れ、私も驚きと涙が溢れた。


「澪、探したんだよ。

初めて私達と澪が転生した時に、そのまま行方不明になってしまって」


澪ちゃんの頬を伝わる涙は、2700年もの間、胸に秘めてきた想いを吐き出すかのように、止まることを知らなかった。


私達は抱き合い、お互いの温もりを感じていた。そして、私はあることを思い出し、気持ちを切り替えるため、拳を力強く握った。


「みんな、始まったよ、夢咲学園計画がここからが本番、動き出すわよ」


胸に顔を埋めて泣いている紗良の頭を撫でながら冷静さを取り戻した澪が私に質問します。


「これって、風羽いえ、あなたの甥っ子のヘルメスが言っていたことなの?

それに、琴葉、琥珀まではあなたたちの処女神の粒子で作った子供と何となく気付いていたけど…

まさか、瑠璃、碧衣って、あなたたちの子供だったの?」


「えへへ、そうよ、私と紗良の星の屑で作った子供達よ。

何となく私達に似ているでしょ?」


澪は信じられないと言った表情になる。

2700年もの間、天界の情報は何一つなく、人として生きてきた澪にとって、突然明かされる真実はあまりにも多過ぎて、理解するのに時間がかかりそうだった。


私は頭の中を整理するかのように、少し間を置いてから、ゆっくりと話し始めた。


「まず、みんなの身体は、ゼウスが落とした雷に打たれて、仮死状態のまま。

今頃、夢咲学園付属病院の急凍治療室に運ばれ、私達が試練を終えるまで保管される手筈になっているの」


この言葉に澪だけが大きく目を見開き、深く考え込むような表情を浮かべ、声を震わせながら尋ねてきた。


「えっ、どういうこと。普通、地上の肉体から神核が抜けたら、天界の転生門に帰還し天界の身体に戻るのでは…

地上に肉体が残り、私達は地上界に戻るという事なの?」


心配そうな表情で見つめる澪に私は優しく笑顔で頷いた。


(実は失敗したら私達の神核は傷つくか、砕け散ってこの世には存在しなかったものになってしまうんだよね…そんなこと言ったら澪、取り乱しそうだからお使い気分でここに来たように言えばいいかな…)


「そうなのよ、私達はここで一仕事してから、また地上に戻る手筈になっているの」


思った通り、澪は少し疑っている様に見えるけど、取り敢えずは心配そうな表情は消えたので、私は言葉を付け足した。


「実はね、私も紗良も同じだと思うんだけど。

今、私の頭の中は人間の意識と神の意識が混ざり合って…

普通は人間の時の記憶と神の記憶は混ざることは無いんだけど、初めての経験で混乱しているのよ」


「私は、2700年前に経験したから、何となくその混乱わかる気がする。

あの時は凄く落胆して…でも、大丈夫、直ぐに慣れてくるから」


今度は逆に私の方が澪に心配されてい。


気が付けば少し目を腫らした紗良が顔を上げて、私に背中を預け寄りかかりながら、澪の方を見つめて話し始めた。


「澪も知ってはいると思うけど、神が人に転生するときは、神の記憶は神核の中に閉じ込める。

それは、人の子として生まれるため神威を持たないから。

咄嗟に神能を使おうとしても使えない。

そのことが仇になることもあるし、色々な面で人の子は不便だから、神の記憶を封印しているんだよね」


澪は頷き、ずっと人として生きていたためか、すっかり転生システムのことを忘れていたような表情で話す。


「そう言えばそうだったわね。

ついさっきまで女子高生をしていたあなた達が正にその状態だったんだよね」


紗良と私は頷き、紗良が話を続けた。


「そして、人として亡くなるときは、人としての記憶を神核に封印し、転生した時の徳だけを魂に積み上げ、神威を成長させた状態で、転生門に帰ってきて、記憶は神の記憶だけ残っている。

まるで、夢を見ない睡眠から目覚めるように目を覚ますんだよね」


澪は深く頷きながら、目を閉じて考え込むような表情を浮かべました。


「うん、人として亡くなった時の記憶が残ったままだと、その亡くなり方によっては闇落ちして邪神として目覚めたり、神核を傷付けたり、壊す恐れがあるからでしょ。

そして、今は仮死状態だから、人と神の記憶が残っていて、頭の中は混沌とした状態ということでしょ?」


紗良は頷き「澪は、もう既に人としての記憶と神としての記憶を持って2700年生きてきたから私達とは少し違う状態ということだね」


私は澪に状況を話しながら、自分も頭の中を整理することにした。

少し間を置いてから、人と神との意識が絡み合う複雑な状況を理解するため、真剣にゆっくりと話し始めました。


「まずは、私と紗良の子供の琴葉、琥珀、瑠璃、碧衣の4人だよね」


澪は深く頷きながら、目を閉じて過去の記憶を辿るような表情を浮かべた。


「私は夢咲学園に来る前から、琴葉と琥珀は知っていた。星愛と紗良が18歳の時にお互いの女神の星屑を融合させて産まれた、初めての女神の星の子。神の子だから神だけど、星屑から生まれた子は聖女と呼ばれているわよね」


私と紗良と琴葉と琥珀はゆっくり頷き紗良が応える。


「そうだよね。処女神が子供を作る方法は2つあって、そのうちの一つが、女神の星屑から子供を作る方法なんだ。この方法だと、4人までしか作れない」


澪は思い出したかのような表情で頷いたので紗良は話を続ける。


「そして、紀元前700年の転生の時に、私と紗良と琥珀と琴葉の転生に初めて澪が参加した。

そして、そのまま行方不明になったんだよね」


澪の表情が一瞬曇り、声を少し落として話した。


「ごめんね。その先は風羽との約束で話せないんだ。

でも、いずれ話せるときが来るから、それまで待っていて欲しい」


紗良は澪の肩に手を置き、優しく微笑みながら言いました。


「澪は気にしなくてもいいよ。

いずれ分かることがたくさんあるんだから、焦らなくていいんだ。

私たちはいつも一緒だからね」


澪は紗良の言葉に安心したのか、嬉しそうに微笑んで頷いた。




ここまで読んでいただきありがとうございます。


初めて小説を書いて、投稿した作品です。


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