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織田家のアナザー・ジャパン  作者: 青い水


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第66章 トランシルヴァニア、敵陣への突入

もう少し峠を登れば敵の本陣。でもラスボス前にはザコ敵や中ボスが。

「なんか山の上の峠に来てしまって、どこにつながるかわからない。」ミネが弱気だ。

「さっきの集落で借りた馬も、未知の勾配が急すぎてへたってる。」ルネも弱気だ。

「一本道になっちゃったけどね。」夢火は不安だ。

「誘い込まれているんじゃないんだろうな?」夢水も不安だ。

「待て、あの音は何だ?」カイアが皆を制す。

「オオカミの遠吠えだ。」スヴェーテン博士はいつも冷静だ。

「数が多いぞ。」


 オオカミの群れに囲まれていた。四方は岩山、隠れる場所はない。出し惜しみができる状況ではない。一行は得物を構え戦闘態勢になった。カイア以外は二連燧銃の改造型。連射できるだけでなくリロードが極めて早い。カイアのボウガンも改良型で射程が長く、小型化されて火弾も15本に増えている。オオカミの数は約50頭。全弾発射で半分以上は倒せる。残った獣は本能で怖じけるだろう。そこを手裏剣と忍刀の白兵戦で制圧する。久々に忍びの技全開の戦闘を決めて、一行はすがすがしい気持ちにすらなった。スヴェーテン博士は、マスケット銃を構えながら唖然とした顔で一行を見ていた。


「これで全部ね。」銃を再装填しながら夢火は安堵の声を発した。

「くっそ、弾もただじゃないっての。」同じく再装填しながら夢水が毒づく。

「おかしいわね。ただの捕食行動とは思えない。」カイアは冷静だ。

「誰かの指令で動いてたのでは?」ミネルネも直感が冴えている。

「野生のオオカミがこのような行動を取ることはない。攻撃されて防衛するためか、集団の維持のための摂食行動か、そういうことでなければ集団での闘争の口火を切ることはない。これは何らかの外部の意図に応じた行動だ。」スヴィーテン博士の分析は鋭い。

「待って、あっち!」ミネルネがユニゾンで叫ぶ。


 周囲の岩肌に溶け込むような灰色の肌。かつて戦ったことがあるヴァンパイアが集団で現れた。その数7体。自らの優勢を確信しているのか、もともと表情がないその顔に残酷な笑顔がうっすらと浮かぶ。かつては1体を相手にあれだけ苦戦した相手が7体。しかも雲が切れて半月が顔を出している。ヴァンパイアの集団はジリッジリッと距離を詰めてくる。ドクター・スヴェーテンがいち早く動いた。背中の鞄から取り出した道具で放ったものが一体の敵に命中して炎が上がった。スリングだ、スリングで爆発する火薬を放ったのだ。それを合図に金竜疾風は全力で攻撃を開始した。攻撃の主体はボウガンで粘着火弾を放つカイアだ。そして二連燧銃組も、銀の銃弾に切り替えたせいでヴァンパイアに有効な攻撃が次々と繰り出され、ヴァンパイアたちの灰色の肌は次々に抉られて行く。カイアの粘着火弾は3体のヴァンパイアを火だるまにし、残るのは手負いの3体だけとなった。


「ふん、生け捕りの指令がなければ気楽なものね。」カイアは火弾をボウガンにセットする。

「今回は殲滅でかまいませんよ。」スヴェーテンもスリングを構える。

「いっちょ斬り合いで勝負を付けるか。」夢水は忍刀を抜き放ちやる気満々である。

「切っても死なないんじゃない?」夢火はやはり冷静だった。

「とりあえず全部燃やしましょう。」カイアの指令でヴァンパイアは消し炭になった。


 そのとき空に暗雲が立ちこめ、そして雷が光った。声なのか悪夢なのかわからないが、一行は確かに聞いた。


「ふっふっふ、配下の獣の餌にしようか、あるいは末端の眷属の活力の元にしようかと思ったが、凌いだようだな。だが、悪あがきはそこまでだ。こんなところで朽ち果てる己の身を呪うが良い。」



「何だ、いまのは?」夢水が周りを見渡す。

「誰かの声だったのかな?」夢火も同じ仕草で周りを見渡す。

「ともかく再装填を急げ!銀の銃弾だ!」カイアの号令。

「ううむ、これは使いたくないが。」スヴィーテン博士は聖餅と受持かを取り出した。

「さっき末端の眷属と言っていたよな。」上位クラスの攻撃を想定して緊張する夢水。

「今度の敵には私たちの新必殺技をお見舞いするわよ!」謎の余裕のミネルネ。



場のカラーがピンクと紫色に変わった。誰の目にも既視感しかないキッチな耽美の色彩。20代後半とおぼしき邪悪な女の声。何人だろう?3人だ。この音声の邪悪さはどのように形容できるのだろう?声優の力の見せ所だ。


「ここから先に行けると思うの?」

「死んじゃうわよ。うふふふ。」

「死んだと気づく前に命が消えるわ。くふふ。」

「でも気持ちよすぎて死んだ方がましだと思うわね、きっと。」

「その無駄な命のたぎりもなくなってスッキリするわよ。きゃははは。」

「あら、まだ抗う気落ちを持ってるの?」

「無駄よ。だって私たち...」

「地獄の花嫁ですもの。」


地獄の花嫁、3人組。どこかで聞いたような。そろそろヴァンパイア編のラストが近いみたい。

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