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織田家のアナザー・ジャパン  作者: 青い水


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第52章 西アフリカ大作戦

Lana is waiting for the timing. Anju organizes all operations. はっ、ロンドンの場面が多いのでつい英語で書いてしまった。

「I am sailing, I am sailing♩」九鬼船長は鼻歌を歌っていた。

「船長、何でありますか、その歌は?」部下が問う。

「なんか英語の勉強をしてたら思いついた。」

「あと数時間でマダガスカルに接近します。」

「寄り道して珍しい動物に触れてみたいものだが、それもかなわぬか。」

「船長は本当に動物がお好きなんですね。」

「うむ。外国でいろいろ見つけて持ち帰りたいと思ったが、」

「ダメなのですか?」

「うむ、政府の環境省という新しい部署がそれを禁じたのだ。」

「なにゆえに?」

「生態系が壊れるとか。」

「はあ、難しいものですな。」

「現地で愛でるだけで満足しよう。」



 メキシコへはマーガレット・ピース、西アメリカにはアンナ・プロヴィデンスが“真理の友人たち”から派遣された。エリザベスと安寿はルイジアナの港で彼女たちを出迎えた。


「西アメリカとメキシコには協力を要請してあります。」安寿は微笑んだ。

「そしてこの方々にも協力していただきます。」安寿は後ろに控える男たちを示した。

「元船長、元航海士、その他主立った元船員の方々です。ハワイからお連れしました。」

「聖餅の材料になる蜂蜜はたくさん用意しましたからね。」エリザベスは得心の笑みを浮かべた。


 メイフェアの館の呼び鈴が鳴った。


「はい、どなたでしょう?」

「リッチモンドです。」

「まあ、どうぞお入りになって。」

「失礼します。」家に入ってリッチモンドは帽子を脱いだ。

「どうぞおかけになって。いまお茶を用意させます。」

「どうか、おかまいなく。」そう言って彼は書類の束を取り出した。

「調べが付きました。簡単でしたね。植民地関係のやつらに探りを入れたら、みんな自慢げに奴隷貿易の莫大な利益のことを語っていましたよ。」

「まあ、お仕事の手際がよろしいのね。」ラナは貴婦人ぽく褒めた。キャラ変だ。

「パンフレットで暴露してやる。」

「そのことだけど、もう少し待って。」奥から出てきた夢羽が言った。

「タイミングを持つのです。」

「もう少し仕込みが熟してからね。」奥から出てきた夢児が言った。

「ピカデリーのパンフレット売りのおじさんとは毎日会いますか?」ラナが聞いた。

「はい、いつも朝9時にパンフレットを渡します。」

「ならば機が熟したらそのおじさんに伝えましょう。果物が熟した、と。」

「了解しました。」



「軍艦3隻と駆逐艦10隻だけで来てしまったけど、大丈夫かな?」九鬼は少し心配した。

「たいした戦にはならないだろうとハワイが予測していましたが。」

「でも敵の人数とかわからんのだよ。」

「こちらは最新鋭の装備で練度の高い兵士が1000人います。艦砲援護もできます。」

「うむ、いざとなったら頼むよ。私は荒事が苦手なんだ。」九鬼水軍の末裔なのに弱腰だ。



「西アメリカ・メキシコ連名でイギリスへ申し入れをお願いします。」安寿が言った。

「捕虜を帰国させる代わりに奴隷を解放し奴隷貿易を廃止すると?」

「はい、その通りです。そろそろアフリカで作戦が始まります。こちらの捕虜の改心も進んでいます。アフリカの作戦はすぐロンドンへ伝わるでしょう。そのときラナたちが仕込んだ花火が打ち上がることでしょう。」


 九鬼水軍の末裔が指揮を執る日本海軍の艦隊は喜望峰を回ってアフリカ西海岸に到達していた。赤道付近の寄港できる港に立ち寄って、絵会話帳で奴隷商人の情報を集めると、どうやらギニア海北部の沿岸にそうした組織が点在しているらしい。これまでのところ、軍艦らしい船は1隻も見なかった。海戦はなくて,局地的な地上戦をいくつかこなせば任務は完了するだろう。まずは奴隷海岸と呼ばれている地域を目指す。


「われわれは日本軍だ。奴隷貿易に携わっている者たちを拘束する。抵抗すれば攻撃する。おとなしく武器を捨てて投降しろ。」


英語とスペイン語で叫んでみたが反応がない。散開して村人たちに絵会話帳で尋ねてみたが、多くは首を振るばかりだった。しかしある少女が、集落の高台に建つ石作りの砦のような建物を指さした。九鬼は300人の兵士を連れてその建物に向かった。残りの兵士はその場に待機して警戒している。


建物の中には捉えられた黒人が200名ほどいた。鞭や棍棒で彼らを威嚇する見張りは、兵士たちの登場に驚いてすぐに逃げ出した。絵会話帳でここの幹部はどこにいるか聞き出そうとしたが、誰もが首を振った。そのとき外で銃声が聞こえた。高台から下を見ると、待機させていた兵士たちが敵と銃撃戦をしている。どうやら本命はあちらのようだ。九鬼は部隊をまとめて、敵の本体を潰しにかかった。戦闘は20分で終了した。逃げ遅れた敵兵は拘束して尋問する。拘束された敵の中に白人も混じっていた。次の奴隷貿易の基地の情報を得たので、捕虜を軍艦に乗せ、次の攻略地へ向かう。こうして5カ所の奴隷貿易船の寄港地を襲撃し、九鬼は100人の捕虜とともに日本へ帰ることになった。


「ここまで来たからにはイギリスへも行ってみたいがの」

「船長、それは無謀です。」

「まあ、そうだろうな。囲まれてハチの巣にされそうだ。」

「ところで偽装マストを獣が登って行きました。」

「なんだと?」

「猿のようです。」

「むう、連れ帰るわけには行かない。捕らえよ。」

「はっ。」




猿はどうなったのか?チンパンジーかな?捕まえられるのか?「だって捕まえられなかったんだもん」と九鬼船長が連れ帰るのかも。

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