表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
織田家のアナザー・ジャパン  作者: 青い水


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/78

第37章 北方の結束

現在のアラスカからカナダの西海岸部は、かなり結束が進むようです。白い災厄が近づいてきますからね。


「ロシアはもうこっちに来そうもないな。」犬ぞりの手綱を持つ犬嵐は言った。

「おまえそれ似合うな、犬嵐だけに。」凍雨が突っ込んだ。どうやら遺伝だ。

「現地の人に教わったこれ、便利だな。」同じく手綱を持つ弦矢。

「4頭立てで2人乗りって言ってたね。」雪菜もマッシャーだ。マッシャーとは手綱を持って犬ぞりを操縦する人のことで、現地の人に教わった言葉だ。

「アー組とべー組が合同で部族懐柔大作戦。」エルニカが歌うように言った。

「6人だから犬ぞりの関係で分割できないの。」オムリーネはいつも冷静。

「これから狩りをして、仕留めた獲物をまだ訪問していない集落に献上。献上は3手に分かれて効率良くね。」雪菜はリーダー気質らしい。みんな歳は同じくらいだが、自然に役割が決まる。

「おい、何だあの鹿みたいなデカいのは?」犬嵐が指さす。

「高さ6尺、長さ10尺。」オムリーネは冷静に目測した。

「そしてあの角、3尺のが2本左右に広がって6尺ってとこか。」弦矢は弓を取り出す。

「弓で大丈夫?」凍雨は心配顔だ。

「献上した肉に鉄の弾が入っていたらまずいだろう。」

「それもそうね。」

「現地の人はみんな狩人だからね、獲物の状態には詳しいわ。」冷静なオムリーネ。

「あれ、確か現地の人が言ってたヘラジカじゃない?」現地語が少しわかるエルニカ。

「弓だけで倒すのは難しそうね。」オムリーネは綱付きの槍を取りだした。

「お、セイウチ殺しのオムリーネ!」犬嵐が拍手した。

「変な二つ名を付けないで!」

「現地の人に教わってこれを作っておいて正解だったな。」

「このあたりは身体の大きな獣が多いからね。」

「なんでだろう?」

「寒さに適応するには厚い脂肪が必要なんじゃない。」オムリーネ先生の分析は鋭い。

「あなたは弓矢を使いなさい、弦矢なんだから。」凍雨の遺伝は濃い。

「ああ、目を狙おう。」

「それじゃ,行くか?」

「おう!」


 強敵とは言え、セイウチと比べればヘラジカは難なく狩れた。なにせ手練れが6人も揃っているし、縄付き槍は忍びたちにとって恰好の武器だった。縦横自在に跳躍して翻弄しながら敵を縛り付ける。ここには頑丈な高木がたくさんある。目を射られて弱ったところを木に縛り付けられ、集中攻撃を受けてヘラジカは絶命した。


挿絵(By みてみん)


「これ1頭で1000人分の晩飯が賄えるんじゃないか?」

「集落にはせいぜい300人だから、三等分しても十分ね。」

「でも犬ぞりに乗せられるかしら?」オムリーネの予測計算は速い。

「あ、そうか。どうしよう?」

「ここで解体して凍土に埋める。」

「それをオオカミが掘り出してごっつぁんですと。」

「うぐぐ。」オムリーネ先生の未来予想に二の句が継げない犬嵐。

「3隊に分かれて効率良くは無理ね。」リーダー雪菜が判断した。

「3人が犬ぞり2台で集落を訪れ、3人がここを守る。

「なら俺はここを守る。オオカミ相手は初めてだ。」犬嵐が好戦的な目で言った。

「オオカミは集団だからやっかいよ。」オムリーネ先生の忠告。

「俺も残るよ。手数が必要なので銃は不利だな。」弦矢は弓矢を出した。

「じゃあ残りの1人は私ね。チュクチの2人はここでウケがよさそうだし。」と凍雨。


 解体した肉100匁と毛皮三分の一ほど持って献上組が出発した。残りは埋めたが、この調子では献上し終わるまで何回往復しなければならないのだろう。この作戦には人手が足りなかったのではないかとみんなが気づき始めた。


「兵隊が必要だな。」弦矢は呟いた。

「警戒心を煽るだけよ。」と凍雨。「それより、現地の人たちに手伝ってもらうのは?」

「なるほど、それは良い考えだ。献上で懐柔もそのほうが簡単だろう。」

「これ、配り終えたら一番近くの集落に相談に行きましょう。」



「天馬、安寿、よく戻った。」

「信高様、お久しぶりです。ご壮健であられるようで何より。」

「うむ、おぬしたちもな。樺太には寄ってきたのか?」

「いえ、このあと伺おうと思っています。」

「うむ、ご両親に元気な姿を見せてやるが良い。」

「信高様、ここへ参りましたのは、」

「わかっておる。将兵採用試験のことじゃな。」

「はい。ハワイの義務学校もそろそろ卒業生が出ますので。」

「卒業生の数は何人か?」

「6島合わせて約700人です。」

「日本に連れて来られない人数ではないが、遠いな。」

「全員が試験を受けるわけではありませんが。」

「これからのこともある。ハワイで試験を実施しよう。試験だけではなく、軍の施設も拡大しよう。北アメリカ大陸攻略にとって要となる土地だ。」

「となると港ももうひとつ必要でしょう。海軍基地となるならば。」

「うむ、場所の選定はおまえたちに任せる。



「で、紫影、メキシコの領地をどう攻める?」鋼火は尋ねた。

「ハワイから東に直進するとカリフォルニア半島の南端に着く。そこからさらに東へ進んでメキシコ湾に到着するまでの線を新たな国境として、そこより北部を北アメリカの領分とする。」

「メキシコはどうする?」

「メキシコはスペイン本国が衰退すれば自ずと独立国になるだろう。」

「北アメリカは?」

「基本的には原住民たちの決定に任せるが、とりあえずまとまってもらう。」

「そうだな、東部から白人が押し寄せてくるらしいから。」



 雪菜たちが出発してからまもなく、オオカミの群れがにヘラジカの肉の匂いをたどって集まってきた。10頭以上いる。


「気をつけて!あいつらは連携して攻撃するの。」凍雨は胸から暗器を取り出す。

「とりあえず木の上から矢を振らせて数を減らそう。」弦矢は弓を手に木の上に跳んだ。

「俺は弓が下手だから。」犬嵐は綱付きの投げ槍を持って跳躍した。


 弦矢が2本ずつ矢をつがえて電光石火で矢の雨をオオカミに浴びせた。突然の矢の雨に戸惑い倒れるオオカミ。凍雨の手裏剣がそこで正確にとどめを刺す。逃亡しようとする獣に犬嵐の投げ槍が突き刺さり、引きずり戻された。10頭のオオカミはあっという間に全滅した。


「この程度ならこれを使う必要もなかったわね。」凍雨は胸から粘着火薬を取りだした。





ハワイが大きく変化しそうです。あの港も作られちゃうのかな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ