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織田家のアナザー・ジャパン  作者: 青い水


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第34章 たまにはのんびりしようぜ

少し緊張が解けましたね。お風呂に入って一休み。たしかに男女比は圧倒的に女優位ですね。

 ハワイ本島に日本から大量の物資が届いた。港がないので沖合から小舟で運ばれたが、保存する倉庫もないので、多くはそのまま船に残した。船はこれから2ヶ月ほど停泊し、倉庫の代わりとなる。運び込まれたのは米とサツマイモである。これがハワイ本島の住人の給与になる。港を建設するのである。しかしその前に倉庫の建設だ。米とサツマイモを倉庫に備蓄し、労働のあとで対価として住民に支払われる。天馬は帳簿とにらめっこで忙しく駆けずり回っていた。その間安寿は,人々を集めて料理教室を開催していた。米とサツマイモの調理法を島の住民みんなに教え、その魅力を高めるのである。ハワイで捕れる魚と米のアレンジは特に時間をかけて研究した。米と魚のコラボ、日本人の安寿はその可能性を知り尽くしていた。寿司や天丼以外に、おそらくハワイ独特の調理法が見つかるだろう。そしてサツマイモ、この南国の甘い芋は、主食にもなれるしおやつにもなれる。日本独自の調味料である醤油とも相性が良い。安寿は調理場に籠もって何日も研究に没頭した。作った試作品は学校の子どもたちに振る舞ってその反応を記録した。


「天馬、これ食べてみて。」

「お、安寿か。ちょうど腹が減っていたところだ。」

「マヒマヒという大きなお魚を蒸してご飯に乗せたの。醤油かポン酢かおろし大根も良いかもね。」

「おう、これはたまらんな。いくらでも食える。」

「現地の人たちにも喜ばれるかしら?」

「うーむ、試してみるしかないだろう。」

「わかった。学校の子どもたちに聞いてみる。」


 大きな倉庫ができあがった。労働対価は1日米一升、サツマイモ5本。雇いきれないほどの人々が押し寄せた。明日からはいよいよ港の建設である。倉庫に運び込まれる物資を帳簿に付けながら、天馬は新しい国土を作る実感をかみしめていた。



 アカプルコの町はそれなりに栄えていた。スペイン人の横暴な搾取に耐えながらも、人々は陽気に明日を信じて暮らしていた。スペイン人に押しつけられたキリスト教も、彼らは独自に解釈して生活の礎にしていた。悲しい近親者の死も神の国への旅立ちで、つらい涙の谷からの救済だと信じられることで救いとなった。ミナとルナは毎日のように町へ出かけ、たくさんの人々とふれあい、歌ったり踊ったりして親睦を深めていった。フリルの付いたドレスで息ぴったりに歌い踊る双子のアイドルに、町の人たちは惜しみない拍手を送った。"Las gemelas hadas de los sueños"「夢色の双子妖精」、人々は2人をこう呼んだ。


挿絵(By みてみん)


「みんなー!ありがとう!ムーチャス・グラシアス!」


「ミナルナ~!」

「ガチ恋だ~!嫁になってくれ~!」

「言いたいことがあるんだよ! やっぱりミナルナかわいいよ! 好き好き大好きやっぱ好き! やっと見つけたお姫様! 世界で一番愛してる!」


「なんだ、これは?」鋼火は顔をしかめた。

「潜入調査だと言ったのにめっちゃ目立っているじゃないか!」

「あっ、鋼火さーん!どうでした私たち?」

「どうでしたって、おまえらなあ、目立ってどうする?」

「でも人気が出ると人が集まってくるし、結果として情報も集まりますよ。」

「ぐぬぬ。」

「スペインのお役人もたくさんファンになってくれましたよ。」

「そうなのか?何か情報は得られたか?」

「今度お役所のパーティに出てくれって頼まれちゃいました。」

「お、それは良い機会かもしれない。」

「鋼火さんもメイド役で付いてきてくださいよお!」

「ふ、ふざけるな。誰がおまえらの女中など。」

「じゃあ衣装係かメイク担当。」

「同じようなものじゃないか。まあいい。付いて行こう。」

「やったー!じゃあセットリスト、いっしょに考えましょう!」



「なんかこのあたり砂漠になっちゃったぞ。」銀天の目に焦りが浮かぶ。

「やばいな、水場がない。」奔吾は水筒の中を見てうなる。

「手遅れになる前に撤退すべきだな。」紫影は磁石を見て断言した。


 一行は磁石を見ながら最短距離で砂漠の入り口まで戻った。水場を見つけて水分を補給し、保存食料で腹を満たした。これまで記録してきた地図を見ると、上陸地点から70~80里ほど内陸部に進んだようだ。


「いったん船に連絡して回収してもらおう。」銀天が提案した。

「そうだな、これまでの報告もあるし。」紫影が応じた。

「戻る途中であのでかい猫が出たらまた仕留めてやる。」奔吾はぶれない。



 アー組とべー組はそれぞれ船に帰還し、アラスカ半島の東にある比較的大きな島に降り立った。海軍はここに仮設基地を建設していた。アリューシャン組とベーリング組は再会を喜び、宴に舌鼓を打ち、風呂で命の洗濯をした。


「いやー、やはり日本人は風呂だねえ。」

「まったくだ。ドゥーシェじゃどうにもならん。」

「大きな湯船で手足を伸ばす、これがないとどうにもならないわ。」

「って、おまえ、女なのになんでいっしょに入ってるんだよ?」

「は?女のほうが多数派なんだから、いやならおまえらが出て行きな!」

「そうだ、そうだー!出て行かないなら背中を流せ!」

「はっはっは、三助がんばれ!ちゃんと洗えよ!」


本業が忙しくなるので更新は遅れると宣言しましたが、アルコールの力で少しだけ書き足しました。明日ちゃんと起きられるかな。文章を書き始めると無限に書き続けられるという呪いのような特質が学生時代から備わっているので、職業人として大丈夫かと心配になりつつあります。がんばって酒飲んで寝ます。

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