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地龍には結界と回復、炎の能力があり、天龍は風と雷の力があった。二人の間に産まれた子供たちは3年ほどで龍の力を発現、力の開花後、数年して徐々に体が崩れ、どの子も10枚の鱗だけを残して消えた。
地龍は悲しみ泣き崩れたが天龍が支え、もう一度、子を産んだ。次は4人の子が産まれた。うち1人は奇形だった。尾の先が二つにわれ、鱗も天龍たちとはちがう形をしていた。地龍は4人とも可愛がり、寒さに弱いと知ると結界をはり火をおこして子供達をあたためた。
3歳を迎えるころ、また同じことがおこった。しかし、奇形の子供だけは力が発現しても生き延びた。自分の身を守るように体の周りに薄い結界を作り、母である地龍に甘えた。自分の能力である結界を引き継いだ子供を地龍は常に抱き、怪我をしたらすぐに回復させて大切に育てた。
しかしその子供も、10歳を迎える前に10枚の鱗を残し消えてしまう。
泣き崩れる地龍。天龍の励ましもかなわず、地龍は始まりの大地で深い眠りについた。天龍は精霊である地龍が他の者の目に触れないよう、結界の力を持っていた奇形の子供の鱗を7枚使い巨大な結界を作った。
その後、天龍は親友の水龍に相談した。その結果、大地に産まれたこの鱗を、大地に返してやろうと言う結論になった。大地を想像したのは水龍。水龍は地龍を我が子のように思っていたらしい。水龍は孫たちが寂しがらないようにと、自分の鱗を2枚提供、子供の鱗に混ぜて大地の隅々にまで天龍がばら撒いた。しかし天龍も、最後まで必死に生きた奇形の子供が愛おしく、その子の鱗だけを手元に残した。
時がたち結界が風化したが、子供の鱗を2枚落とすと結界が復活した。
ちょうどその頃、不思議なことが起こる。人間という進化した命の中に、子供たちの鱗を体に付けた赤子が産まれ始めた。
わが子たちの生まれ変わりと信じた天龍は、手元に残していた奇形の子の最後の鱗も風に乗せ大地に返した。
ワタリの後述。奇形の鱗をもつ魔導士なんて聞いたことがない。天龍の話しとはいえ、事実かは僕にも分からない。将来もし、奇形の鱗を持つ結界師や人より多くの鱗を持つ子供が産まれたら天龍に聞いてみてほしい。その時に天龍と話せる者がいたらの話しになるがな。未来の幸運を祈る。
フウマは資料を閉じると元の場所に返した。そろそろ城からでなければならない時間だ。
「天龍に…子供がいたのか?本当に?これが事実なら大変なことだ。奇形の鱗とはおそらくアユミ。天龍と話せるのはユキヤ、6つの鱗をもつ火炎使いスバルもいる。本に書いてあるすべてが今、揃っている。」




