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竜の子  作者: 前田ミク
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資料を読み込んでいくと、ヤマト氏が長になった年齢がわかった。ヤマト・23の年とあったのだ。

「ヤマト氏は23で魔導士長に?いやまさか、若すぎる。この書は正しいのか?しかし…ミキト氏が31で長になり、そうするとヤマト氏が23の時ミキト氏は39歳?引退には早いだろう。書の誤りか?」

魔導士長になるには豊富な知識や経験が求められる。この時代なら16歳で魔導士とされていたはずだ。今より若くして魔導士長になっていた時代だったとしても、23の若者に長の座を普通は渡さないし、39歳で引退はありえないだろう。

ミキト不明、ヤマト、魔導士長となる。この記載が全ての答えなのか?詳細を調べようとしたとき、資料の隙間にしおりのようなものが挟まれたページがあった。

「なんだ?しおり?古いからか、ペラペラだなぁ。」

フウマは何気なくそのページを開いた。ヤマトの時代よりさらに昔だ。魔導士長・ワタリ、36、風2と書かれている。「自由な風使いが長の時代があったのか。知らなかった。2枚紋なら力はユキヤと同等か。」

独り言をつぶやきさっそく読んでみる。古文様式の書物だが、幸いフウマは古文が読める。静かに読み終わった時、フウマは震えた。

「これが事実なら、スバルとアユミの力で地龍の眠りを覚ませるやもしれん!!」

しかし確実とは言えない以上、危険な魔の森に女性二人を入らせるわけにはいかない。ユキヤに頼んで夫である天龍に意見を求めてみるのも必要だろう。間違いがないよう、フウマはもう一度その古文を読み返した。


以下、現代語訳   魔導士長・ワタリ 36歳 風使い 2つ紋


あの森に行くと天龍と名乗る精霊と会話ができる。精霊は時間的概念が人間とは違うため、年代についてはかなり適当。千年以上前の事は数えていないとのこと。彼の言う千年前ははるか昔と考えてほしい。

天龍の話しでは人間がまだいなかった時代とのことだ。僕が天龍からきいたことを記しておく。いつの時代になるか、その人がそろったなら地龍を起こすよう天龍に協力するよう頼みたい。

強い炎の使い手、変わった形の竜紋をもつ者、天龍と会話可能な者。3名が同世代に産まれることを願う。


水龍と天龍が大地の基礎を作り、始まりの大地とした。始まりの大地に緑が芽生えた頃、大地の精霊が生まれた。地の龍は生命の根源で、新たな命を生み出す。生み出された命はつがいをつくり、次の世代を生み自立していった。

地龍はその産まれた命の神秘に、自分も番と二人で命を作りたいと願った。水龍は辞めるよう言ったが、天龍は、まだ幼い地龍の願いを断り切れず番となった。 

地龍は願い通り、天龍との間に3人の子供を産んだ。

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