表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜の子  作者: 前田ミク
63/236

63

しばらく進むと急ではあるがロープで登れそうな場所を見つけた。ケンヤが魔導士長に話しかける。

「さっきまでの場所に比べたら、ここの土手はなだらかです。ロープを張って上がりましょう。」


ケンヤはアウトドアが好きで、登山ガイドの仕事をしている。ロープの張り方や崖の登り方には知識アリ。ケンヤの意見に従い、まずユキヤがロープを持ったケンヤを土手の上に運んだ。ケンヤがロープを固定し、ロープの張り具合を確認しながら下りていく。ケンヤの補佐を受けながら元気な者から登り始めた。


自由に飛べるユキヤはまず上で魔獣に備え待機、一人目が無事に登りきった。ケンヤは途中の足場が一番悪い所で補佐をしている。3人ほど登った所で、ユキヤは下に降りた。頭を打っている3人を1人ずつ風に乗って上に運ぶ。1時間ほどで18人全員が無事に登れた。

隊列を組み、森の出口を目指す。昼に差し掛かる頃、魔の森から脱出。魔導士達は待機していた騎士団に保護された。


騎士学生のテントには、すでに北部の病院から医者が派遣されていた。頭を打った3人を中心に、他の魔導師の健康状態をチェックし、特に問題なしとされた者は食事をして安静を言い渡された。ユキヤもさすがに疲れ果てていたため、軽く食事をとるとすぐに布団に入り眠りについた。

「よう、大変だったみたいだな。無事で何よりだ。なんだ、落ち込んでるのか?」

天龍だ。ユキヤは心を読まれたようでさらに落ち込む。

「僕、自分を過信してたのかな?うまく力を制御できなくて、危うく仲間を怪我させるところだった。」

「気にするな。お前はうまく対処したじゃないか。お前は若い。経験も力の使い方もまだ未熟だ。誰もが通る道だからな。克服する方法は一つだけだ。知りたいか?」

天龍の言葉にユキヤは知りたい!こぶしを握り締めた。

「魔法をガンガン使うことと経験値をあげることだ。結局、慣れるしかないってこと。あとは身体づくりかな。焦りや緊張もあっただろうが、お前、あの時疲れていただろ?疲れると注意散漫になりやすい。体力をつけて疲れにくい身体を作れ。お前は若い。まだまだ成長する。努力あるのみさ。」

そうだ、あの時の僕は本当に疲れていたんだ。がんばろう、もう絶対に失敗はしない!天龍が笑ったような気がした。そのまま目が覚めた。


馬車に乗りエルフの村でサオリが降りた。北神殿でシュリと頭を打った3人が降りた。3人は北部国立病院に入院し、精密検査を受けるそうだ。そして中央神殿についた。馬車を降りる。

「ユキヤさん!!」

スバルが駆け寄りユキヤの胸にしがみつく。会いたかった人。ユキヤは思い切り抱きしめる。

「ユキヤ!心配したんだ。無事で、もうそれだけで…」

ミサキとサクラの二人も討伐隊の緊急事態を聞き、中央に駆けつけていたのだ。ユキヤは涙が出た。

沢山ありがとう、沢山ごめんなさい。伝えたい。でも今は、今だけは。

「みんな…ただいま、遅くなりました!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ