表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜の子  作者: 前田ミク
60/236

60

「魔導士長、二人とも目を覚ましましたが動かせないです!火炎使いの人は頭痛を訴えてて、もう一人はまだ喋れない感じで!どうしよう!?」

魔導士長の指示を受けて、ユキヤは二人に崖から滑落したこと、今、ケンヤとリンが助けにくる準備をしていることを話した。ユキヤは同じく滑落した5人に向かって声をかけた。

「そちらは大丈夫ですか?不明の魔導士は発見しましたが、怪我で動けない感じです。僕はこっちで待機します!」

向こうからも返事があった。

「ユキヤ君だね。僕は骨折していたナツキ。不明の二人は発見したんだね。了解!お互いに頑張ろう。」

はい!と返事は返したが、ユキヤも無傷ではない。左足首の痛みがひどくなり、体力の消耗も激しい。上を見上げる。かなりの高さから滑落したようだ。全員が助かったのは、ラクダ服のおかげだろう。

ふと、ユキヤは自分のウェストポーチに気が付いた。もしかして!ポーチを開けると、タオルにくるまれたポーションが割れずに残っていた。女性二人も気になるが、今もし、魔獣に遭遇したらユキヤしか戦えない。ユキヤは迷わずポーションを飲んだ。消耗しきっていた体力が回復する。

「サクラちゃん、ありがとう、ありがとう。」

ユキヤは静かに涙を流した。泣き声を聞かれたら、二人が不安になってしまう。胸元を触るとスバルが作ってくれたお守りが手に触れる。みんな、ありがとう。僕たちは絶対に生き残るから!


今のユキヤに、この二人をつれて浮き上がるのは非常に難しい。頭を打っているようだし、おそらくユキヤにしがみつくのは無理だろう。一人ずつなら上に連れていけるが、かなりの高さまで運ばなければならない。その間にもし、魔獣の襲撃があったら助けられない。助けが来るまで待つしかなかった。

ガサガサと音がして、助けより先に来た連中がいた。ワーウルフの群れだ。この足場の悪い中を、どうやら無理やりのぼって来たようだ。五人が待機している場所から雷の爆音が聞こえた。向こうも戦っているらあしい。ユキヤも戦うために構える。

「ねぇあなた、風使いでしょ?このままじゃこいつらに食い殺されるわ。こっちの子をつれて、上に避難して。私は自分で、何とかするから。」

火炎使いの女性が、ユキヤに声をかける。よく見れば、結界師はまだ若い女性だった。炎使いの女性は40代頭かな?何度も討伐に参加していて、魔獣の危険性を理解しているのだろう。でも。

「できません。このままここで戦います。お二人は助けがくるまで安静にしてて下さい。」

きっぱりと言い切った。このウルフは、結構大きな群れのようだ。とことんついてない。

「逃げな!君たちはまだ若いだろ!親が泣くようなことするんじゃないよ!」

炎使いが力ない、しかし強い口調で指示を出す。しかしユキヤも引けない時がある。

「親を泣かせたりしません!ウルフは僕が倒します!」

ウルフの群れに向けて、かまいたちを放った。近づいていたウルフ達の頭がごろりと落ちる。遠目に見ていたウルフが近づく足を止めて警戒する。向こうの五人もかなり苦戦しているようだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ