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ミサキとサクラは二人そろって中央神殿に到着。。サクラは1つ紋の風使いだった。風使いが二人とも同じ内容の警告を受け取るとは、この情報は間違いではないだろう。
受付で緊急の連絡であることを知らせ、魔導士長との面会を申し込む。応接室で待つこと数十分。部屋の外で動きがあった。ドアが静かにノックされ、待ちわびたその人が現れる。
「やぁ、待たせてごめんね。遠路はるばるご苦労様。緊急の連絡だと聞いたが、何かあったのかな?」
優しく微笑みながら部屋に入ってきた40代前半の男性。この穏やかそうな人が魔導士長なんて、紹介されなければまず信じられないだろう。そわそわと落ち着かない様子のサクラをみてミサキが答える。
「連絡もなく突然の訪問をお許しください。私は東の神殿に勤める神官で、結界師のミサキ。急ぎの知らせで参りました。こっちは道中一緒になった風使いの…」
「あ、あの!初めまして!サクラと申します!あなたが魔導士長様ですね?魔の森で大型の魔獣が現れました!来週の討伐を一度中止に」
「こら!サクラさん!!いきなりそんな、魔導士長に失礼だよ~」
慌てて止めに入るミサキを見つめながらフウマは言った。
「話しを続けて下さい。風使いが受け取るという風の知らせだね?できるだけ詳しく。事実なら準備をすべてやり直して、会議も開かないといけない。」
長を張る実力者とは、行儀や作法よりまず情報。すぐにメモを取り出した。情報第一主義らしい。
ミサキはユキヤから聞いた風の知らせを伝えた。
「ユキヤは風使いではありますが、現在7歳で魔獣についてはほとんど理解していません。正確な情報かと言われたら返答に困るところもありました。しかしサクラさんも全く同じ情報を受けている。大型が現れたことは間違いないと思うのです。」
静かに話を聞いていたフウマが答えた。
「大型がいるとわかった以上、今の装備で森には入れない。討伐はいったん中止。まず先に森の結界を強化しなくてはならない。それと周辺の状況を確認する必要もあるね。あと討伐隊は結界師や回復師も含めメンバーを増やす必要がある。とても我々魔導士だけですませられる話ではない。」
フウマは次々と手順を決めていく。国へも報告することになるし、まずは偵察隊を送り込み結果を聞いてから討伐の準備を最初からやり直すと言う。日程、準備、メンバーの変更など、あらゆることを大まかにメモに書き込んでいく。
「二人ともありがとう。まずこれから調査に入る。僕はこれから城に行かなくてはならないので、失礼させてもらう。変わりの職員をよこすから、とりあえずその人に指示に従って、今夜はここに泊まってもらいたい。すまないね。」
フウマはミサキとサクラに礼の言葉を述べ、あわただしく部屋を出て行った。
ミサキ・29歳・1つ紋の結界師
サクラ・19歳・1つ紋の風使い
フウマ・43歳・4つの紋を持つ結界、回復師。魔導士長。




