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竜の子  作者: 前田ミク
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スバルの話しを聞いて、ユキヤは自信をもった。同じ龍を見た人がいた。しかもそれは自分がずっと会いたかった唯一運命の人。

「僕、森に行って龍を探します!もし出会えて住んでるところがわかったら、2人で一緒に会いに行きましょう!それと空を飛びたいなら、いつでも僕がお連れしますよ。神殿の許可が取れたらですけど。風を纏うのは気持ちいいですよ。」

スバルの力は前例がないほど強い。すぐには2人での外出許可はとれないだろう。でもこれから先、いつでも会えるしユキヤはずっとスバルのそばにいる。遠くない未来、空を飛ぶ龍にあこがれるスバルの夢を叶えてあげたい。二人はお互いに笑いあった。楽しくて、幸せで。そしてまた、会う約束をする。ユキヤは討伐の日まで、時間が作れる時を見つけてはスバルの元へ出かけた。スバルもまた、神殿からみえる空を見渡すのが日課になった。

そしてついに、ユキヤが討伐へと出かける日が訪れた。

「水筒はもった?ポーション!はい、これ念のために1つ自前で持っときなさい!」

「ユキヤ、きちんとラクダは着たな?絶対に脱ぐなよ!危ないと思ったら思い切って逃げるんだぞ!」

当日の朝5時。ユキヤはすでにグッタリだ。

なんで荷物が増えてるの?このダサい魔法着を今から着る意味って何?いちいち聞くのも面倒くさいので、二人に言われた通りにして東神殿を出発した。

「ユキヤー!気を付けて、私たち待ってるから!無事に帰ってくるのよ!!」

ミサキとサクラ夫婦、気持ちはありがたいよ。でもね、僕ももう…

「はぁ~疲れた。僕はもう成人したんだって。過保護すぎるでしょ」

空の上で一人、ユキヤがボヤく。今日の予定は中央神殿を7時に出発し北神殿でシュリと合流。そのまま、エルフの住む地域を超えてテントで1泊。森に入るのは明日の午前中だ。テントは騎士養成学校の生徒が野営実務の一環として設営してくれるらしい。


中央神殿につくと、見覚えのある顔がぽつぽつと。魔導士長、大型を倒した後に凍傷や骨折をしていたことを周りに隠して部下の治療を優先。過労も重なり1年近く療養していた。あの時は真っ黒だった髪の毛も今では白に近い灰色だ。ケンヤ、エリ、リンもいる。エリさん…全く変化なし、え?この人って年いくつ?

リンさんは海好きで毎日漁をしているせいか小麦色の肌だ。女性だけど腕の筋肉がすごいや。西神殿のイズミも参加だ。知らない顔もある。前回の時、あまり話しをする機会がなかった火炎使いや、新たに加わった若手の魔導士も参加していた。北に向かう途中で合流する魔導士もいるので、まだ全員揃ってはいない。4人ずつ馬車に乗る。ユキヤが乗る馬車に乗り合わせたのはベテランのケンヤと新人の女性2人。火炎使いのカオルとアオイだ。出発すると女性魔導士の2人がユキヤに話しかけてきた。

「君ってさぁ、11年前の討伐で大活躍した風使いの子だよね!?」

「わぁ!うちらマジラッキィじゃん。私たち初参加でさぁ、ちょっと不安だったんだ」

そうか、この人たちも今回初参戦のメンバーなんだ。ってことは、指導指揮はケンヤさんかな?そう思い隣をみると、リーダー?はすでに夢の中の住人になっていた。

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