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竜の子  作者: 前田ミク
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アユミの説明によると、スバルと言う3歳の女の子で、竜紋を6つも持つ前例のない子供だった。産まれたのは魔獣討伐があったあの年だったため、魔導士達に新たなきょうだいの誕生が発表されたのは、生後半年を過ぎてからのことだった。どの種類の魔法を発動するかにより、養育環境が変わってくるため、2歳になった時、この南神殿に預けられたという。

「紋が6つもあるから、万が一攻撃魔法の使い手だった場合、どのくらいの威力の魔法を使うのかを想定ができなくて。私はすぐに神殿内すべてと庭先を含む神殿周辺に結界を張った。2重結界ってヤツね。で、マサト君と二人で、すーちゃんの魔法が発動するのをこの1年間待っていたの。」

そして昨日の朝、スバルが火炎使いと判明。すぐに中央神殿の魔導士長に連絡した。マサトが話し出す。

「僕が、魔導士長に緊急連絡を入れたんだ。もし暴走とかしたら…ねぇ。ちょっとヤバイと思って、その日のうちに魔導士長が中央を出発して、夕方には南神殿に到着されるようになっていた。けど、到着直前にまさかの魔力暴走がおきちゃったわけだ。ほんで、神殿がドッカーン。ボボォ~!」

事前に張っていた結界が働いて、近隣の住民や建物に被害はなかったらしい。そのあとすぐに魔導士長が到着、火元のスバルをアユミが抱え、焼け落ちる寸前の神殿から脱出。魔導士長が結界を張った馬車に乗せてもらい、中央神殿に連れて行ってもらったそうだ。

「夜通しかけての消火活動になっちゃって。火は消えたけど神殿勤めの職員も怪我しちゃうし、でも夜中には中央神殿と国立病院から回復師が来てくれてね。怪我人全員が治療をしてもらって、今朝一番に3人が来てくれたの。」

なんかホッとしたわぁ、とアユミ。

3年前、ユキヤは初めて胸がドキドキした日のことを思いだした。魔獣討伐の前だったから、間違いない。きっとその子だ。僕が、求めている人。スバルちゃんで…中央神殿。

会ってみたいと思った。同時に幼いユキヤでもわかる。すぐには合わせてもらえないだろう。いつか、必ず会いに行く。


南神殿の爆発炎上は神殿の管理不足によるものと発表され、スバルの事はふせられた。管理不足の責任をとるという形で、マサトとアユミは中央神殿に移動が決まった。2人とも真面目で地元民からの信頼も厚かったため反対の声が多数でたが、神殿の決定だからと強行された。

もちろんこれは表向きの理由だ。本当の目的はスバルの付き添い。1年近く共に過ごした2人にスバルはとてもなついていた。何がきっかけで魔力暴走を起こすかわからない。スバルを刺激しないためにも、みんな一緒に移動することにしたのだ。


ユキヤの神殿巡礼は2か月遅れでの開催となった。ユキヤの巡礼終了後に行うはずだったミサキとサクラの結婚手続きが先になってしまった、というハプニングはあったが、ミサキ夫婦に見送られユキヤは元気いっぱいで巡礼最初の目的地、北の神殿に出発した。

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