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「南神殿が爆発炎上!?神官と神殿職員やけどで入院!?これホントかぁ~!??」
手紙を読んでミサキ、サクラ、ユキヤの3人は異口同音に同じことをいった。要約すると上の言葉だ。
10歳の誕生日を祝った3日後、突然ユキヤの巡礼中止の連絡が中央神殿から通達された。
一体何があったのか。そもそも神殿は何かあった時、地域住民の最終避難所にもなっている。そのため比較的人口が多い所に、かなり丈夫な作りで建てられている。本当に爆発炎上したのなら、民家や近隣に住む人間も巻き込まれた可能性もあるが、神殿内のことしか書かれていない。ユキヤがミサキに聞く。
「ねぇ、南ってアユミさんがいる神殿だよね?この入院したのって、まさかアユミさん!?」
「マサト君もじゃないかな、南神殿は季節によっては台風の通り道になりやすい。漁師や大工仕事で生計を立ててる人が多いから、今は神官が2人いるんだよ。」
ミサキが説明する。この2人の神官には魔獣討伐の時、共に戦い、サクラとミサキは命まで助けてもらった大恩人だ。困ったときは、助け合い。3人は急遽、2人が入院している病院に向かうことにした。
ユキヤとサクラに担がれて、風に乗ること30分ちょっと。3人は南の国立病院に到着した。受付で二人の見舞いを申し出ると連れていかれた先の病室には面会謝絶の文字。しかし、神官特権で通してもらえた。静かに扉を開くと、カーテンに仕切られた病室でアユミとマサトが治療を受けていた。
「あれ?ミサキ君にサクラちゃんじゃない!久しぶりね~、え?ユキヤ君!?え~!すごい身長伸びた!」
面会謝絶とは何ぞや。そこには両腕に包帯を巻かれつつも元気いっぱいのアユミの姿。マサトもベッドに座った状態で本を読んでいた。驚いたサクラが声をかける。
「起きてて大丈夫なの!?面会謝絶って…爆発炎上ってきいてびっくりしたのよ!」
神官を心配した近隣の人たちが騒ぐため、面会謝絶にしてもらっただけ。実際のところは、すぐに回復師の治療を受けたので、今はそれほどひどいやけどではないらしい。
「魔力暴走を起こした女の子は、魔導士長のところに移動したんですね。」
ユキヤの言葉にマサトとアユミはびっくりした様子だったが、あ、とアユミが思い出す。
「ユキヤ君、風からきいちゃったんだね。一応まだナイショの話しだからヨロシクね。」
こんな大けがをさせられて、笑っていられるアユミは、ある意味最強だとユキヤは思った。
アユミとマサトを見舞った後、ミサキとサクラは南神殿の片づけを手伝いに向かい、ユキヤは病室で待つことにした。ユキヤがアユミに話しかける。
「アユミさんの結界でも抑えられないくらい、その女の子は強い力なの?暴走しちゃっただけ?」
う~ん、とアユミが考えながら教えてくれた。一般市民が誤解を招かないよう内緒にされている話しだ。




