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竜の子  作者: 前田ミク
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ノアール王国に帰国すると、騎士、魔導士とも怪我人は全て北部か中央にある国立病院に運ばれた。全員が治療、検査、リハビリの流れで入院。無傷だったはずのシズルは疲れが出たらしく、ギックリ腰で動けず。ユキヤは疲労からか高い熱をだした。東神殿の参加者は3人とも中央の国立病院に入院。その他にも、外傷がなかった参加者たちが、過労からくる眩暈や発熱により休養を兼ねて入院となっていた。そんな中、無傷、検査結果異常なし、の結果を打ち出した結界師アユミは、病院の臨時ヘルパーとして包帯交換やリハビリの補佐をしている。

「アユミさん、本当に何ともなかったんですか!?あんなに無理したのに?」

結界修復を最初から最後まで休憩もなく続け、怪我人の応急処置まで行ったアユミ。ミサキは包帯交換にきたアユミに聞いてみた。

「そうなのよ、昔から丈夫だったけど、ここまで頑丈だとはね!あ、ミサキ君もう少し下向いて。傷がみえにくいから」

手際よく消毒をしながらアユミが答える。ちなみに普段の生活では標準語を使っているそうだ。

今回の討伐で犠牲になった17人の騎士は国葬が行われ、残された遺族には手厚い保証が約束された。

「サクラちゃん、お父さんのご葬儀には出られなかったけど、守られた命を大切にして必ず幸せになるって。強い子よね…でも!ちゃんと支えてあげてよ。」

ミサキ、何となく恥ずかしい。話題を変えたくてアユミに質問する。

「あの、アユミさんって結構魔力が高いように思うのですが、1つ紋なんですよね?」

ああ、とアユミがそでをまくり上げる。左上腕にある竜紋は1つとも2つとも言いにくい、初めて見る形だ。

「変な形でしょ?鱗が2枚重なったような模様なのよね。一応1つ紋って言ってるけど、よくわからん。あ!よくわからんと言えばさ、ドラゴンのアイスブレスで右足凍った騎士いたの覚えてるでしょ?」

いきなりの会話転換、そう、右足をカチカチに凍らされた人、どうなったんだろう?アユミが続ける。

「彼、ユキヤって名前だったの、ビックリよね。右足は治療したけど、氷漬けだったでしょ?やっぱり完治は無理で、足首から下を切断するって。治療と義足練習が終わったら、騎士学校の先生になるらしいよ。ユキヤ君の竜巻に巻かれた時、高速で回る中、走馬灯が見えたって笑ってたわ。ポジティブで謎の人って印象だった」

そう言ってゲラゲラ笑うアユミ。僕はあなたのことが一番わからないです。アユミはかなり不思議なお姉さんだったが、結界の能力が高いことは間違いなさそうだ。

傷ついた体と心。家族を亡くし涙した人もたくさんいるし、生き残った人も元の生活に戻るには長い時間が必要だろう。それでも助けられたこの命、無駄にはできない。だから前を向いて、進む。


生きているからできることを見つけたい。サクラとユキヤと、僕たちの未来へ。

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