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竜の子  作者: 前田ミク
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サクラたちの元に到着したミサキが見たのは、血だらけの背中ですでにこと切れたカズマと、大けがで気絶しているサクラ、サオリだった。2人ともあきらかに手足の骨折だ。おそらくはあばら骨も折れているだろう。ミサキとマサトが回復を施す。時間がかかりそうだ。

こちらも犠牲がでたが、魔導士も無能じゃない。さっきの集中的な攻撃を受けドラゴンは腹の一部が裂ける大ダメージを負っている。無理に動くとはらわたが飛び出すため、じっとその場を動かない。戦いが長引いたことで血の匂いを嗅ぎつけて森の奥からまたワーウルフやクロワシ、デスワームが集まってくる。

隊長を失った騎士達が全員荷物を手放した。もう魔導士だけでの戦闘は無理と判断し、せめて小型の魔獣くらいは退治の協力をすることにしたのだ。父の亡骸を目にしたモミジは周辺を見渡し思った。この戦いに勝ち目はない、と。


ユキヤの情報で待機所を出発した騎士達は魔の森を目指す。先頭を走るウミの馬にユキヤは乗せてもらい、風の知らせを聞く。悲しい知らせにユキヤはウミを見上げた。ウミが聞く。

「ユキヤ君、森の情報なら教えてほしい」

ウミに言われユキヤが話す。

「サクラちゃんが大けがして、助けようとした騎士が1人死んだって。ドラゴンがなかなか倒せないって」

ウミが緊急用の笛を吹き馬を止める。後ろに続く隊員に大声で連絡した。

「風の知らせだ!魔導士ドラゴンに苦戦。風使いサクラが重傷、中に入った騎士が1名死亡。B班の騎士は待機所に戻り担架と薬を持ってきてくれ!A班はこのまま進むぞ!」

死亡した騎士はきっと親父だ、とウミは直感的に思った。泣くのはすべてが終わってから。今は前を見る。


大結界の中、戦う方向に切り替えた11人の騎士をみて、第三部隊の騎士も大結界に突入した。6人ずつの小編成を組み前進していく。

ドラゴンと戦う魔導士達には焦りが出始めた。怪我をかばいながらドラゴンは前足を振り上げたり横にないだりするため接近不能。リンにもう一度ヤツの腹に熱湯を、と頼みたいところだが。リンは結界師と共に防御に回っている。アイスブレスが強力すぎて、リンの補助がなければ全員が氷漬けだ。

ドラゴンが前足を動かすたびに腹を攻撃するが、思うようなダメージを与えられない。周りに増える小型の魔獣。蓄積していく疲労。サオリとサクラはもう戦えないだろう。どうすればいい?そんな中、遠方攻撃が得意なエリがドラゴンの左目に雷を命中させた。

「左の視界が悪くなったか、イオリ、私がガードを固める。近づくぞ!」

魔導士長の指示でイオリが動く。左に走る2人が見つからないよう右側で別の炎使いが火炎の壁を打つ。ドラゴンが右を向きアイスブレスを放って火炎の壁は打ち消された。しかし囮には十分だった。左わき腹に接近したイオリが強大な火炎の球を打ち込んだ!皮を突き破り内臓を焼かれる苦しみにドラゴンが暴れる。後ろ脚がイオリと魔導士長を襲うが結界で耐える!大技を使ったイオリには、安全な場所に逃げ切る体力は残ってなかった。

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