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竜の子  作者: 前田ミク
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歩き出してすぐだった。大結界が見え、ミサキが驚きの声をあげた。

「あれが世界を守る大結界!大きい…こんなに大きな結界、見たことがない」

伝承によれば、最初の大魔導士が作り出したとされているが、実際のところ、とても一人で作れる大きさではない。フウマ魔導士長とサオリを合わせてもこれだけの規模の結界は作り出せないと言う。恐らく、偶然に結界師が多く誕生した時期に、結界師全員が協力して作り出したのではないか、と言うのが現在の通説になっている。ミサキ自身も初めて自分の目で見て思った。これを1人で作り出すのは到底無理な話だろう。

ザっと風が吹き抜けた。同時にサクラが叫ぶ!

「魔獣の群れが来る!この周囲警戒して!」

荷物持ちの兵士を押しのけ攻撃魔法師が前に出た。風を聞き取りサクラがまた叫ぶ。

「上もだわ!」

騎士たちも刀をかまえる。ギャッと悲鳴が上がった!若い騎士が1人、魔獣の攻撃を受け空に連れ去られようとしている。凶暴な肉食鳥のクロワシだ。雷使いのケンヤが攻撃に出る。

「その子を放せ!」

言葉と同時に雷が魔獣に炸裂。魔導士と騎士たちを守るように上空に結界が張られる。2枚紋の結界師で神官のシュリが作り出した結界だった。上空のクロワシを、雷使いが一斉に撃ち落とし始める。前方はワーウルフが5頭。イオリが出る。

「一斉に焼きます!結界を!」

イオリの隣で魔導士長が隊員を守るために結界を張った。一面を焼き尽くすような巨大な炎の壁がワーウルフに襲い掛かる。イオリが攻撃を止める。炎と雷の熱で結界手前まで雪が溶けて大地が見えた。大地の上には炭化した5つの塊と外傷がないのに口から煙を吐き絶命しているクロワシが複数匹転がっていた。


雪が溶けた大地を急いで進む。結界は一部が引き裂かれていた。ミサキたちが修復にとりかかる。サオリが小さな声で呟いた。

「そんな…どうして?あの日私は!完全に修復したわ?どうして…欠陥を、見落とした?」

「違うわ。修復した後に、内側から激しく攻撃されて破られたみたい。サオリちゃんが修復してなかったら大破してたかもね。」

風の便りをサクラが伝える。結界にはあちこちにキズが付いている。修復には時間がかかりそうだ。

「騎士が一人怪我を負ったが軽症のようだ。討伐を続行する。みんな、十分気を付けて。さぁ、入るぞ」

魔導士長が先頭にたち、結界内に入る。みんなもそれに続き、12名の兵士は食料や薬、体力回復ポーションが入った荷物を大事に抱え魔導士に続いた。


ミサキ達4人は結界修復に完全に集中している。傷の数が多すぎる。サクラが言っていた通り、サオリの修復がされてなかったらとっくに破られていただろう。冷や汗ものだ。さっきのような万が一に備え、先輩魔導士のシンジが若手の攻撃魔導士に魔獣を倒すタイミングや打ち方を指導している。経験者による直接指導だ。習うほうも本気で目が血走っている。修復が終わるまで、どうか魔獣が出てきませんように!

神に祈りながらも、修復は少しずつ進んでいった。

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