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竜の子  作者: 前田ミク
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この日、馬車に同乗したのは結界修復を行うよう指示された4人だった。しばらく進むと馬車の窓から雪が見え出した。馬車の速度もやや落ちているがそのまま進む。

「この時期から雪?本当に魔獣の影響ってすごいみたいだね。」

シズルが外をみながらぼそりと話した。

「最北の地でも、さすがに今から雪が降るって異常なんですね。」

ミサキの質問にシズルが頷く。

やがて騎士団の待機所に到着した。荷物の積み替えのため10分休憩。騎士団員が素早く荷物を巨大なリュック型のカバンに詰めていく。

「連絡します!討伐参加のみなさん、聞こえますか!?緊急連絡、緊急連絡です。」

魔導士長の緊急連絡だ、シズルと顔を見合わせてから魔導士長の話に集中する。

「風使いの意見が一致したので伝えます。風の情報です。魔の森結界内に小型~中型の群れが発生、この夏の間に通常の倍以上の数が繁殖したもよう。大型だけに気を取られないように結界内では周囲にも注意してください!そして森と外部を隔てている大結界。大結界に損傷の可能性があります。到着次第ミサキチームの結界師は修復をしてください。以上」

「僕たちの最初の仕事が決まったね。4人で力を合わせましょう。よろしく。」

ミサキの言葉にメンバーが了解と答える。ミサキとシズル、そしてまだ若手の2人組。アユミとマサトだった。この2人も討伐は初めてらしい。マサトは南神殿の神官、アユミは病院で勤務しているとのこと。

ユキヤはここで騎士団員と待機だ。出発直前、ミサキはユキヤに窓から声をかける。

「ユキヤ、寒くないか?隊員の言うことをよく聞いて、待っていて。必ず帰ってくるからね!ウミ君、マツリ君、ユキヤをお願いします!」

「ミサキさん!大きい結界の近くにたくさんオオカミがいるよって風が言ってるよ!近づかないで!お願いミサキさん!絶対に近づかないでね!」

声の限りユキヤが叫んだ。

「わかった、ユキヤありがとう!」

馬車が出発する。

「さっきの坊やが言っていたことって、風に聞いたのかな?結界の中が魔獣でパンパンってことかな?」

マサトの質問にミサキが答える。

「たぶんそうだと思う。結界は確かサオリさんがこの前修復をしてくれたって言ってたから、外には出てこれないだろうし。」

雪の中を馬車はかなりの距離進んだ。事前に騎士団員が雪かきをしてくれていたようだ。しかしここらで限界らしい。馬車を降りて歩きになった。騎士団が荷物の入ったリュックを背負い、雪をかき分けながら進んでくれる。魔導士一行はその後ろに続き歩き出した。これだけの積雪なのに寒さは感じない。

「この魔法服、ダサいけど本当にすごいよ…」

雪の中、ミサキがポツリとつぶやいた。

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