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竜の子  作者: 前田ミク
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「すみません、僕にはわからないです。もしかしてサクラさん、子供の頃心を開ける人と見るのもイヤな人がいるって症状なかったですか?」

ふとミサキは思い出したことがあった。竜の子に現れる症状のうち、自分のように味覚や嗅覚、聴覚などが鋭いタイプは大人になるとほぼ完全に消失して普通の感覚にもどるが、特定の人に好意や嫌悪をもつタイプの症状は大人になっても残ることがある、らしい。

「当たりです!小さい時すっごく苦手な国語の先生がいて、とても優しい先生だったんですよ!?でもなぜか受け付けなくて、先生を変えてもらったことがあります。」

やっぱりだ。この東神殿にミサキが来た時におられた先代神官、シズルが、ユキヤを引き取った時に言われた話し。

「ユキちゃんは人の波長を見るタイプね。将来はお嫁さん探しが大変だ」

そう言って笑いながらユキヤをあやしていた。年齢を理由に引退されたが、彼女は知っていたんだ。

「その、つまりサクラさんにとって僕はとても波長が合うタイプの人間ってことでしょうか?」

聞きかじった情報をもとに、ミサキは質問してみた。しかし

「うー、違います。波長よりもっと…なんて言うか。体中の細胞がこの人です!って言ってる感じ。わかりますか?ちなみにユキヤ君とは波長がバッチリです。」

わからん…。というより、一昨日はじめて会った女性に、いきなり結婚相手と認定されても困る~。

ピンときてないミサキをみてサクラが言う。

「いずれはミサキさんもわかってくると思います。リンさんやケンヤ君もその相手と結婚して家庭を作っておられるし。私はまだ若いですから待ちますよ!」

さらに話が進んだ!もう好きにして下さい…

「そうそう、一応これ差し上げます。中央神殿の登記簿に書かれている現役魔導士の分類と人数表です。事務官が各神殿に送るって言っていたから、奪い取って私が持ってきましたぁ」

今回の討伐を左右するといっても過言ではない大事な資料を、何かのついでのように出さないで~!

「さて、無事にお話しもできたし、表も渡した。ユキヤ君とも波長が合うことがわかったし。今日はこれで帰りますね!また来ますから、婚約者殿、よろしくね!」

そう言うと、ふわりとふいた風を体にまとい、あっという間に5メートルほど上空に浮き上がる。笑顔でバイバーイと手を振って、サクラは中央神殿へと帰っていった。


自室に戻りサクラに渡された資料を確認する、現役魔導士の氏名と魔法の種類が記されていた。人数は29人。内訳は、回復・結界師が10名。攻撃魔法師が17名。中間魔法師が2名。中間魔法とは風使いと水使いだ。人数だけ見ると多く感じるが攻撃魔法17名のうち、討伐経験者は10~11名程度。今年成人した子が2人いたかな?結界回復師も自分を含め初参加の人がいる。

「僕にできることは、せいぜい森を囲っている大結界の修繕くらいだろうな。」


回復・結界師とひとくくりにされているだけあり、10名とも両方の魔法を使うことができる。ミサキも回復が出来ないわけではない。苦手なだけだ。回復と結界の両方を完全に使いこなせる人なんて、魔導士長と竜紋3つのサオリくらいだろう。サオリは21歳のとても珍しい双子の魔導士だ。双子の片割れにあたる姉のイオリは竜紋2つの火炎使いで、魔獣討伐には二人とも毎回参加していると聞く。年若い天才姉妹だ。どんな作戦が立てられるのか、ユキヤはどうなるのか。心配がつきまとう。魔導士全員に中央神殿へ集合と連絡されたのは5日後だった。


シズル・66歳・1つ紋の結界師

ケンヤ・35歳・二つ紋の雷使い

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