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竜の子  作者: 前田ミク
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乳搾りをしていた職員さんが、見学客に向かって宣伝を始めた。

「ここで育てている牛のお乳を使った飲み物やパンを販売しています。ぜひ隣の建物、ミルク園にお立ち寄り下さい!」

時間を見るとお昼時だ。ちょうどいい。二人は早速寄ってみることにした。

「ミックスジュース大好き!わーい!このホットケーキも牧場の牛さんの作品だって!」

はちみつとクリームが乗ったホットケーキを勢いよく頬張るスバル。ユキヤには少しもたれそうだったのでカフェオレとサンドイッチにした。午後は大切なミッションが待っている。

「スバルちゃん、大事なミッションが残ってますよ。マリさんの酒!」

スバルがフォークを握りしめて答える。

「ラジャーよユキヤ君。けど問題。私、お酒飲めないからわからない。どうしようね?」

実はユキヤも飲めない。いや、飲めるのかもしれないが飲んだことがない。

「大丈夫。この地域特産の焼酎を狙いましょう!酒屋さんでお土産調査です。」

食事の後、しばらく動物を見学。牧場をでてお土産物の店に突撃。見つけた。お酒。変わった焼酎だ。西地域ではわりと飲まれているらしい。マリのお土産、ゲット!芋焼酎・芋太郎。スバルが名前をみながらつぶやく。

「まぁ、間違いなく芋焼酎だね。これって…名付け親だれなんだろう…」

旅も終盤。いよいよスバルご希望の呉服屋へ。店に入ると、この前の店員がいた。

「いらっしゃいませ!あら?ひょっとしてこの前、浴衣を買われたお客様では?」

顔を覚えていたらしい。

「こんにちは。浴衣が気に入ったらしくて、また見せてもらえるかな?」

もちろんです、と二コリ。浴衣売り場に案内される。

「こちらのお嬢様がお召しになるのですね?色白で可愛らしいお顔立ち。こんな色合いはいかがでしょう?」

すすめられた浴衣はこの前より色が濃い布地だ。スバルが希望を話す。

「私、この前みたいな薄い色がいいです。濃い色は何となく暗い雰囲気になりませんか?」

確かに前回の物と比べると暗いイメージの色合いだ。すると店員が説明する。

「これだけ見ると暗く見えるかもしれません。ですがお客様はとても肌色が白い。ぜひ一度、試着されてみてはいかがでしょう?」

試着を促され、スバルが羽織ってみる。するとスバルの白い肌が際立ち、柄もあってだろうか?大人っぽく見える。

「この前の浴衣とは反対に、黄色など明るい帯をつかわれますと印象がまた変わります。」

良く似合っている。この前買ったものよりしっくりくる感じだ。

「いいね、スバルちゃんすごくきれいだよ!いいと思う!」

実際に羽織ってみてスバルも気に入ったようだ。店員が言うには、この模様は昔からある定番の模様で、流行りがない。この先も長く着られるそうだ。

「うん、着てみたら印象が変わったわ。これにしようかな!」

浴衣と帯、決定。一式購入する。お会計の時、スバルがユキヤの服をひっぱる。

「なに?もしかして気が変わった?別のにする?」

スバルが首をフルフルと横にふってユキヤに告げた。

「浴衣ってこんなに高価なの!?知らなかった!なんで教えてくれなかったのよ!」

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