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スバルの分かりやすい反応が可愛らしくて、ユキヤは思わず爆笑。
「せっかくの旅行なんだからさ。気に入ったのなら買いましょうよ。店員さーん!これ買います!」
代金を支払い値札などを外してもらう。スバルは申し訳なさそうな顔。
「はい、すぐ使えるようにしてもらったよ。旅行の時はお金をケチりません!あとで後悔したくないでしょ?それに、想いでの品になると思うよ。」
途中で飲み物を買い、店を一通り見る。人魚の涙こと真珠も売られていた。
「あの、これって本物の真珠ですか?なんかすごく安いですよね。」
ユキヤが店員に質問すると、色や大きさにばらつきがあるため、お土産物として安く販売しているらしい。
「でも本物だよ。一粒だけのネックレスにするのがオススメ!お兄さん、彼女にどうよ!?」
よし買った!ついでにユキヤは自分の分も買った。
「お揃いでつけましょう。同じデザインだけど、微妙に色合いがちがってていいと思いません?」
「こんなに買ってもらっちゃって、なんか、いいんですかねぇ。ありがとう、ユキヤ君」
ほくほく笑顔のスバル。つがいフィルターがばんばんで働く。かわいい、可愛すぎるぜ!!
遊覧船にも乗ってみる。
「へぇー、日よけの屋根があるから涼しいですね。海風が気持ちいいです。」
ユキヤが船長さんに話しかける。
「漁船じゃないからさ。浴衣のべっぴんさんが日焼けしないように気をつかうわいねぇ。」
ガハハと笑う船長。スバルは恥ずかしそうに赤い顔で海を眺めていた。
船から海を除いてみると小さな魚が群れで泳いでいる。同じ動きをする小魚たちが愛らしい。自然と二人で見つめあい、思わず笑ってしまった。穏やかで幸せな時間だった。
船長が話しやすい人だったので、この辺りでいい旅館はないかきいてみる。
「旅館?あるある、沢山あるよ。1泊の予算どのくらいね?ありゃぁ、そーりゃいいところに泊まれるよ。えーと、ここがおすすめ。今の時間だと素泊まりになっちゃうんだけどさ、この旅館、食堂が併設されててね。板さんの腕がいいのよな。行ってみなよ。」
旅館紹介がずらりと載ったパンフレット。老舗風の旅館に赤丸が付けられた。
「ありがとう船長。行ってみます。船、楽しかったです、本当にありがとうございました。」
ユキヤは礼を言ってスバルと二人で乗合馬車に乗り込む。海辺から馬車ですぐの旅館。無事に部屋を取ることができた。露天風呂と個室の風呂がある。スバルの希望で個室風呂を選択。お風呂でさっぱりした後、旅館に用意されていた浴衣に着替えてゆっくりと過ごす。夕飯にはまだ少し早い時間。
「今日はこのままゆっくりして、疲れを取りましょう。明日は午前中に体験牧場に行って、それから浴衣のお店に行きましょうか。他に行ってみたいところはないですか?」
うーん、とスバルがパンフレットをみて指をさした。
「小さな水族館ってありますよ!私、ここ行きたい!近海の魚を展示してるみたいです。」
「本当だ、面白そうだね。じゃあ明日はここにも行ってみよう。」
明日の予定を決めて、おしゃべりをしているとあっという間に時間が過ぎる。となりの食堂で海鮮料理を頂くことにした。新鮮な魚だから刺身が上手い。綺麗に盛り付けられた料理はどれもおいしく大満足だった。




